更年期に入ると、肌の変化を感じやすくなります。
特に「いつもの保湿」だけでは足りないと感じる方も多いのではないでしょうか。

肌育美容家の筆者が、40・50代が基本ケアにプラスして取り入れたい肌力がアップする夜のケアをご紹介します。
◼️なぜ更年期の肌は乾燥しやすいのか
40・50代は女性ホルモン(主にエストロゲンとプロゲステロン)の分泌が徐々に減っていく時期です。
エストロゲンの低下は、肌の保水性や弾力性に関わる働きを弱め、ターンオーバーの乱れや乾燥による小ジワを感じやすくなる一因。
また、セラミドの合成量が減少しやすく、それによって角層の水分保持力が低下し、肌荒れや乾燥が起こりやすくなることも指摘されています。
更年期世代の肌は“ただの乾燥”ではなく、“水分を保つ力の弱まり”を意識したケアが必要です。
◼️夜のプラスワンケアで肌力をアップするために
基本の3ステップ、化粧水・美容液・乳液やクリームはもちろん重要。
ですが、40・50代はそれにプラスして“夜だけの特別ケア”を取り入れると、肌の乾燥をやわらげ、明るさやハリ感を維持しやすくなります。
(1)透明感を引き出す、夜のブライトニングマスク
暑さや紫外線、冷房で疲れた肌はくすみが出やすくなります。
夜用ブライトニングマスクを週1〜2回取り入れて、保湿と透明感のアップにアプローチしましょう。
ビタミンC誘導体やナイアシンアミドなど、ブライトニング成分を含むタイプを選ぶと、肌表面のくすみ感をやわらげ、明るい印象に導いてくれます。
(2)夜ならではの集中美容液ケア
夜は紫外線の影響がないので、日中は避けがちなレチノールなどのエイジングケア向け成分を取り入れるのに適した時間帯です。
日中用の美容液と使い分けて“夜専用の一つ”を持つのもおすすめ。
特に目元や口元など、エイジングサインが気になる部分にスポット的に重ねると、翌朝の肌印象がいつもと違うように感じられるはずです。
(3)寝ている間も美容時間にできるスリーピングマスク
最近は、塗ったまま眠れるスリーピングマスクも注目されています。睡眠中に肌をうるおいで包み込み、翌朝のしっとり感やなめらかさを実感しやすいのが魅力。
香りやテクスチャーが心地よいアイテムを選べば、スキンケアと同時にリラックス効果も期待でき、自然と睡眠の質にもつながります。
“眠ること自体が美容時間になる”、そんな発想で夜のケアをアップデートしてみましょう。
(4)首・デコルテまで抜かりなくケア
顔だけでなく、首やデコルテ、耳、前髪の生え際部分も夜の集中ケアに含めたいポイントです。
更年期は肌の弾力が落ちやすいので、普段見落としがちなパーツのケアも念入りに。
首やデコルテには、軽めのクリームまたは美容液を塗り、耳なども保湿の手を抜かないようにしましょう。
(5)肌も心も休ませる環境づくり
肌の夜間回復をサポートするためには、スキンケアアイテムだけでなく“眠りの環境”も大切。
エアコンの湿度設定を見直し、寝具を清潔に保つことなどが肌への負担を減らすことにつながります。
また、就寝直前のスマホや強い照明を避けてリラックスモードに切り替えることが、健康な肌のリズムを守る鍵です。
◼️夜に取り入れておきたいインナーケア
夜は一日の疲れをリセットする大切な時間。外側からのスキンケアに加えて、体の内側からも肌をサポートしましょう。
たとえば、ビタミンCやビタミンEは、日中の紫外線やストレスで増える活性酸素から体を守る働きがあり、美容や健康のために意識して摂りたい栄養素です。
また、青魚や亜麻仁油に含まれるオメガ3系脂肪酸については、紫外線による肌への影響を和らげる可能性が報告されており、バリア機能のサポートが期待されています。
無理のない範囲で、食事や必要に応じてサプリメントから取り入れるのもひとつの方法。夜のリラックスタイムに合わせると、毎日の習慣として続けやすいでしょう。
更年期の肌は化粧水・美容液・乳液の基本ケアに加えて、夜のスペシャルケアをひとつ取り入れるのが若々しさを保つコツ。“夜のプラスワンケア”は、未来の肌への投資です。疲れを感じさせない、しなやかな肌を育てていきましょう。
※本記事でのくすみとは、乾燥やキメの乱れによるものです。
※本記事でのエイジングケアとは年齢に応じたお手入れのことです。
(肌育美容家 今泉まいこ)
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【参考】
※皮膚科医が徹底解説【更年期“守り”と“攻め”の肌ケア術】 – 資生堂オンラインストア
※セラミド減少の原因は…ズバリ「老化」! 若い頃と同じスキンケアではダメな理由 – 大正製薬
※ビタミンC・Eと抗酸化に関する栄養学的研究 – 厚生労働省
※日本脂質栄養学会 – 皮膚の健康とオメガ3脂肪酸

