メイクをする際に使用するメイクブラシは、どのようなものを使っていますか?
「使用するアイテムや仕上げたいメイクの雰囲気に合わせて、メイクブラシを使い分けている」という方は、あまり多くないように思います。また、自身の愛用しているメイクブラシの特徴を、正しく理解していない方もいるでしょう。
メイクアップアドバイザーの筆者が、メイクブラシに使われている毛の種類と特徴をご紹介します。
■40歳以降はメイクブラシを使い分けてほしい理由
若者のメイクはいかに魅力的に見せるかという点に注力されますが、つやプラ世代のメイクはそうではありません。
若いころは肌にあまり悩みがありませんから、いうならば、真っ白なキャンバスに絵を描くようなものです。
ですが40歳以降になると、肌悩みは多様化していきます。シミ・小ジワ・くすみ・たるみ・毛穴など、カバーしたいポイントを適切にカバーすることができて、初めて魅力的に見せるメイクが活きてくるのです。
これらの肌悩みをカバーするには、コスメだけだと不十分なことが多く、適切なブラシを使用することで、より簡単にきれいに仕上げることができます。
コスメの良さを最大限引き出す
メイクブラシの特徴を理解してコスメに合わせて使い分けることで、そのコスメの良さを最大限引き出すことができます。結果的に、自身の魅力を最大限引き出すことにもつながってきます。
せっかく良いファンデーションやアイシャドウを使用していても、その良さを100%活かせていなかったらもったいないですよね。
自身の肌悩みをきれいにカバーするため、そして魅力を引き出すワンランク上のメイクをするためにも、自分に合ったメイクブラシをそろえましょう。
■メイクブラシの毛の種類と特徴
(1)山羊
使用する毛の部位によって特徴はさまざまですが、総じて毛先がなめらかで肌あたりが良いのが特徴です。
発色や粉含みも良いため、フィニッシング、パウダー、チーク、ハイライト、アイシャドウと、幅広い用途に使用されています。コシがあって耐久性もあるため、硬めのチークやパウダーを使用する際にも適しています。
おすすめのブラシ
つやプラ世代におすすめしたいのが、斜めカットの山羊のフィニッシングブラシです。使い方は簡単で、フェイスパウダー後のベースメイクの上から、何もついていないブラシで顔全体を払うだけ。
実は、パウダーは均一についていることできれいに見える性質があります。フェイスパウダーの後にブラシで余分な粉を払うことで、より均一なワンランク上のベースメイクに仕上げることができます。
プロもやっている技なので、ベースメイクに力を入れたい方は、ぜひ試してみてくださいね。
(2)リス
リスは「灰リス」「カナダリス」「松リス」などの種類によってさまざまですが、総じて毛先が非常に繊細でやわらかく、肌あたりが抜群です。高級品なので、お値段は高めに設定されていることが多いです。
顔のなかでも皮膚の薄い部位の使用に適しています。また、ふんわりとした仕上がりになるので、チークやアイシャドウなどのグラデーションをつくる際にも最適です。
粉含みが良くまとまりがあるので、メイク初心者でも失敗しにくい長所がありますが、毛がとても繊細なため、管理には注意が必要です。
おすすめのブラシ
リスのブラシは、チークブラシがおすすめです。やわらかい印象に仕上がるので、濃くぼてっとなりがちなチークも、きれいなグラデーションに仕上がります。
血色感はつやプラ世代にとって非常に重要な要素なので、自然な血色感を作りやすいリスのチークブラシを使用してみましょう。
(3)イタチ
しっとりとしたまとまりのある毛質で、毛先のコシが強く、耐久性も高いのが特徴です。
パウダーとリキッドどちらでも使用できるので、アイシャドウ、アイライナー、コンシーラー、リップと幅広く使われています。
おすすめのブラシ
イタチのブラシは、アイシャドウブラシがおすすめです。
アイシャドウブラシは、アイシャドウの密着度が増しラメの質感などが表現しやすいので、一本持っているとメイクの完成度がグッと上がります。
(4)水ムジナ
毛元が粗くて太く、非常にコシが強いが毛先は細くなっているところが特徴です。
細く線を引いたり、ぼかしたりする作業に向いているので、主にアイブロウブラシとして使用されます。
おすすめのブラシ
つやプラ世代は、ぜひ水ムジナのアイブロウブラシを使用してほしいです。
ふんわりナチュラルな眉も素敵ですが、つやプラ世代以降は少ししっかりとした眉の方が品格のある印象になります。年齢に合ったエレガンスをまとうことができます。
水ムジナのブラシは、アイブロウパウダーに付属でついているブラシと比べて圧倒的に美しい眉が描けるので、アイブロウに苦手意識のある方は必須です。
(5)馬
メイクブラシではポピュラーな素材です。毛質にばらつきがあり、メーカーによってクオリティーに差が出ることが多くあります。発色が良いので、チークやアイシャドウブラシとして使用されます。
肌あたりが他の毛と比べると強めなので、緩和させるためによく他の毛とブレンドされています。手にとりやすい価格のブラシが多いので、低予算で押さえたい方におすすめです。
おすすめのブラシ
馬のブラシは、アイシャドウブラシがおすすめです。先ほど紹介したイタチのアイシャドウブラシよりもかなりお手頃な価格なので、まずはブラシを試してみたいという方に向いています。
馬のブラシはラメの表現が得意ですが、サテンやパールの表現は苦手な傾向にあります。ご自身がお使いのアイシャドウに合わせて使い分けても良いですね。
(6)高級人口毛(ナイロン・ポリエステル)
耐久性や洗浄にも強いため、天然毛に比べてお手入れがしやすいのが特徴です。安価なものが多いですが、最近は毛質にこだわった高級なものも登場してきています。
パウダーの発色はそこそこで、粉含みも天然毛と比べると劣る場合が多いのが実情です。そのため、繊細な表現は苦手な傾向にあります。反対に、リキッド系には強いものが多数あります。
圧倒的な手軽さと管理のしやすさが魅力なので、ブラシのお手入れや管理に自信のない方にはおすすめです。
おすすめのブラシ
人口毛は、リキッドファンデーションブラシとコンシーラーブラシがおすすめです。
毛量がある程度しっかりしたタイプを選ぶと、失敗が少なく、きれいに仕上がります。毛量が少ないと、均一に広がらなかったり筆筋が目立ったりします。
コンシーラーブラシも同様に、毛量のある方がフチをきれいにぼかせます。人口毛でブラシの扱いに慣れたら、イタチなどの天然毛との混合タイプがあるので、そちらにチャレンジしてみましょう。
メイクブラシの毛の種類と特徴は理解できましたか? 手持ちのメイクブラシがある方は、まず自分のブラシは何の毛でできているのかを確認してみてくださいね。メイクブラシを使い分けて、ワンランク上のメイクを目指しましょう。
(美容ライター/美容ブロガー/メイクアップアドバイザー/DNA栄養学ジュニアアドバイザー/GEN INE認定講師 伊早坂 美祐)
【関連記事】
・マスクの色&つけ方で老け見え?カバーするべきポイント2つ
・クレンジングの負担を減らす!石鹸でオフできるファンデ2選
・アイテム変えて垢抜け眉!自然な大人眉に仕上がるアイブロウ
・ピンポイントでカバーして若見え!大人のコンシーラー術