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実はキケン!?「ピュアオイルクレンジング」がNGな理由


斎藤明子

無印良品のピュア・オイルなど、オイル美容が流行中の昨今。シンプルな素材感から、オリジナルの使用法を開拓する方が増えていますね。でもちょっと待って! ご自分でのアレンジには注意が必要だということをご存知でしょうか? 化粧品は、開発段階でそれぞれ最適なバランスが配慮されています。お手持ちのアイテムへの思いつきのブレンドや、本来の使い方でない使用は、トラブルのもとになりかねません。ここでは、美容ライターの筆者がクレンジングを例にとってご説明します。

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■ピュア・オイルクレンジングには危険性がある!?

みなさんご存知の通り、油と水は混ざりません。そのため、油は油で落とす必要があると認識している方が多いでしょう。ファンデーションやメイクは油分。ピュア・オイルでなじませれば落とせると考える方も多いようです。確かに、油汚れにはオイルが混ざります。では、そのメイク汚れの混ざった油は、お顔からどうやって落とすのかを考えてみてください。

 

■クレンジングオイルを水で流せる理由とは?

水と油をブレンドできるのは「界面活性剤」

化粧品は、大きく分けて水に溶ける水溶性成分、油脂に溶ける油性成分、油にも水にもなじみやすくするための界面活性剤、さらに色素成分や酸化防止剤など多くの成分で構成されています。本来は混ざり合わない分子構造である水分と油分をブレンドするために、界面活性剤が必要になるのです。

 

クレンジングオイルには、洗浄力の高い界面活性剤が採用されている

クレンジングオイルとして開発された商品には、汚れを水で流す用法に適した界面活性剤が配合されています。他のタイプのクレンジング剤よりも、洗浄力の強い界面活性剤であることをご存知でしょうか。メイク汚れの油分と混ぜたあと、水に混ざらないオイルであるにもかかわらず、きれいに洗い流すことができるのはそのためです。

 

■ピュア・オイルは、水やぬるま湯では落とせません!

保湿効果を目的としたピュア・オイルには界面活性剤は含まれていません。汚れは水に混ざることができないので、ぬるま湯で流しても、顔から汚れは落ちないのです。さらに肌へのあたりをソフトにする成分も含まれていないので、よほどていねいに洗い流さないかぎり、汚れをきれいにオフすることは難しいでしょう。また、ふき取った後も、オイルの成分は肌表面に残りますので、後に洗顔フォームでその汚れを落とすプロセスが必要になります。

 

どうしてもという場合は、蒸しタオルで優しくふき取って

どうしてもピュア・オイルでクレンジングがしたいという方は、柔らかい素材の蒸しタオルをお肌にのせてそっとふき取り、そのあとさらに、ふき取りタイプの化粧水を使用することをオススメします。最後に洗顔フォームでとりきれなかった汚れ付きのオイルを洗い流すというプロセスも踏まえると、結果として、お肌への摩擦や刺激がかえって多くかかることになると考えられます。

 

■手持ちの乳液やクリームに配合するときは、見極めが重要

繰り返しになりますが、化粧品は最大の効果を発揮できるよう、水と油が混ざって安定化する絶妙な配合が何度も試験され、慎重に処方を決められています。

過剰な油分で肌トラブルになることも

手持ちの化粧品へのピュアオイルの自己流ブレンドは、安定化している水分と油分のバランスを崩すことになりますので、せっかく配合されている高価な有効成分の機能を低下させることにもなりかねません。また、過剰な油分により肌トラブルのもとになるリスクがあることは覚えておいてくださいね。

 

プロに尋ねる&ブレンド前提のオイルを使うのも手

試したいという方は、化粧品の成分に詳しいプロに、成分を読み取ってもらったうえで、自己責任で使用する方がいいかもしれません。もともと精油をブレンドすることを前提に開発されたマッサージオイルのベースオイルにおいては、精油のブレンドが可能だということも併せてお伝えしておきます。

保湿力を強化したい場合は、自己流ブレンドによって化粧品自体の機能のバランスを崩すよりも、オイルを導入化粧液として使用したり、カサつく部分に重ねづけしたり、という使い方がオススメです。口コミで流行しているからと、安易にその情報にとびついてしまうと、あとあとトラブルで泣くことにもなりかねませんので、どうかご注意くださいね。
(美容ライター 斎藤明子)

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【参考】
※小西さやか・櫻井直樹著(2015)『すっぴんもメイク後のきれいな人の習慣 効果が変わる「化粧品」の使い方』(青春出版社)
※小西さやか著・日本化粧品検定協会®監修(2013)『日本化粧品検定協会®公式 コスメの教科書―1級・2級対策テキスト』(主婦の友社)

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