私たちの体の約60%は水分だと言われています。そのうち3分の1を占めると言われている「細胞外液」は、体内を循環して必要な栄養素などを運びます。また、不要な老廃物や過剰な物質を体外に排出する役割を果たすと言われています。そのため水分摂取量が不足すると、体内に老廃物が溜まることに。そこで30代・40代のエイジング世代のみなさんに向けて、体の中からアンチエイジング・美肌を目指す水の摂り方についてご紹介したいと思います。
■若々しくキレイになるための水の摂り方Q&A
Q1.アンチエイジングのためには、アルカリ性or酸性?
A.アルカリ性
アルカリ性の水には、身体のサビつきを防ぎ、代謝を促進する効果があると言われています。ちなみに、美容皮膚科 五本木クリニック院長の桑満おさむ先生によると「炭酸水は酸性ですが、体内に入ると酸と反応する塩基性になるためアルカリ性になる」とのこと。さらに「酸性でもアルカリ性でも、通常の量の食べ物や飲み物の摂取では、体中が酸性になったり、アルカリ性になったりすることはあり得ない」そうです。酸性の水を特別排除する必要はないようですが、効果的なアンチエイジングを望むのであれば、アルカリ性のお水を摂取したほうがよさそうですね。
Q2.美肌効果が期待できるのは、硬水or軟水?
A.軟水
老廃物を排出したり汗を出したり、直接肌に使用することで美肌効果を得たいなら軟水がおすすめ。また、日本人は硬水を消化する能力が低く、継続的に摂取すると腎臓に負担をかける恐れがあると言われています。ただしミネラル不足と思われる方は、時には硬水にもトライしてみてはいかがでしょうか。
Q3.デトックスのためには、硬水or軟水?
A.硬水
便秘を解消したいなら、ミネラルが豊富な硬水がおすすめ。ただし、前述のようなことから摂取量は控えめにすることが大切です。
Q4.水はたくさん飲めば飲むほど綺麗になれる?
A.△! どちらとも言えません
アンチエイジングの観点からすると、1日あたり1.5~2.0リットル程度の水を摂取することは有効であるようです。しかし、東洋医学に「水毒」という考えがあるように、摂取した水が体内で循環、排泄されず滞った場合、その水分が体内の臓器などを冷やしたりして様々なトラブルを引き起こす可能性も否定できません。
そのため、運動量の低い人や、腎臓機能が低下している人の水分摂取は慎重になる必要があるようです。水分の摂取量については自分の体調を考慮し、慎重に検討していくことが大切です。この他、起床直後や就寝前などには「白湯」にする、入浴直後は常温の水にするなど、身体を冷やさないための心掛けも大切です。
また、コンビニ等で水を買い求める際に注意したいのはラベル。「ナチュラルミネラルウォーター」と表示されているものを選ぶのがおすすめです。そう書かれていないものは、製造過程で過剰な消毒がされているなど、ミネラルが失われている恐れがあるそう。美容のために、上質の水を、複数回に分けて摂取することをおすすめします。
(アンチエイジングアドバイザー 遠藤幸子)
【関連記事】
※アンチエイジングの新常識!?「水素水」ってどんな水?
【参考】
※木下あおい著(2014)『美人はコレを食べている。食べるほど綺麗になる食事法』(大和書房)
※オーガスト・ハーゲスハイマー(2013)『老けない人はやめている』(講談社)
※坪田一男著(2014)『アンチエイジング・バトル』(朝日新書)
※炭酸水は体に良いか??アルカリ性が体にいいはずなのに変な話 − 美容皮膚科 五本木クリニック院長ブログ