2025年の食トレンドである「冷凍サバ」は、40・50代に嬉しい栄養素が豊富です。

管理栄養士の筆者が、冷凍サバのメリットやおすすめの食べ方についてご紹介します。
■冷凍サバのメリットとは?
サバには「EPA(エイコサペンタエン酸)」や「DHA(ドコサヘキサエン酸)」など、人の体では作れない栄養素が豊富に含まれています。
EPAやDHAは、血液をサラサラにする働きや、脳や神経組織の働きを活性化させる働きなど、人に有益な作用をもたらす栄養素です。
特に更年期女性は、体の冷えなど、不調を感じる人が少なくありません。
血行が良くなると、体のすみずみの細胞にまで酸素や栄養が行き渡り、不調が改善する可能性が高まるため、サバは40・50代女性が積極的に取り入れたい食材だといえます。
新鮮な魚は、食べるまでの間に栄養成分が徐々に減っていきますが、冷凍魚の場合は新鮮なときの栄養成分のまま保たれます。
さらに、冷凍することで細菌による品質の劣化や悪臭の発生も防げるため、冷凍サバは鮮度も栄養価も高い状態を長く保てる優秀な食材なのです。
生のサバを購入すると、鮮度が高いうちに調理しなければなりませんが、冷凍サバであればいつでも好きなときに、そして手軽に調理できる点も大きなメリットだといえます。
■栄養を逃さない! 40・50代に効果的な食べ方4選
鮮度も栄養価も高い冷凍サバを効果的に食べる方法を、4つご紹介していきます。
少しの工夫で冷凍サバの持つパワーを最大限に得られるため、ぜひ参考にしてくださいね。
(1)解凍せず調理する
冷凍サバを調理する際は、解凍してからではなく、そのままの状態で調理を開始しましょう。急激に解凍するとドリップが出てしまい、栄養素や旨味が流出してしまうおそれがあるからです。
また、食感も悪くなるため、解凍することでデメリットが増えてしまいます。
実は、冷凍した状態から調理しても美味しく料理が仕上がるため、ぜひ解凍せずに調理してみてください。
たとえば、フライパンで冷凍サバを焼く場合は、フライパンシートを敷いて身側から焼き始め、最後に皮をパリっと焼くと美味しく仕上がりますよ。
解凍する手間が省けて、手軽に調理できるため忙しい人にも一石二鳥です。
解凍する場合は、時間をかけてゆっくり行うと、ドリップの量を抑えられるので試してみてください。
(2)煮込み料理にする
EPAやDHAは、加熱に弱い性質を持ちます。加熱して脂が流出すると、EPAやDHAも一緒に失われることになるのです。
そのため、特に高温での調理となる揚げ物や炒め物では、多くのEPAやDHAが失われてしまいます。
効率よく摂取するには、汁ごと一緒に食べられる煮込み料理にするのがおすすめです。
たとえば、「サバ入りミネストローネ」や「サバの味噌煮」などのメニューが挙げられます。味噌汁やスープにするのもおすすめですよ。
(3)炊飯器で調理する
煮込み料理のほかにも、炊飯器で調理する方法がおすすめです。
たとえば、舞茸や人参などと組み合わせて「サバの炊き込みご飯」にすれば、流出したEPAやDHAまで余すことなく摂取できるため、効率よく冷凍サバの栄養を取り入れることができます。
また、生姜を加えて炊飯するとサバ特有の風味を抑えられ、風味が良くなるため、サバが苦手な人でも美味しく食べられますよ。
生姜には、体を温めて血行を改善する効果があるため、DHAやEPAが豊富なサバとの組み合わせはバツグンです。
(4)乳製品と組み合わせる
冷凍サバと乳製品の組み合わせは、非常におすすめです。
サバには「ビタミンD」が含まれているのですが、ビタミンDはカルシウムの吸収を促し、骨や歯の健康維持に役立ちます。
そのため、カルシウムが豊富な食材と組み合わせるのがベストです。
更年期は、女性ホルモンの減少によって骨の健康が気になる人が少なくないため、サバとカルシウムが豊富な食材の組み合わせを意識して、対策していきましょう。
「サバのミルク煮」や「サバのチーズホイル焼き」などのメニューがおすすめですよ。
サバはもともと栄養価が高く、40・50代女性におすすめの食材ですが、冷凍サバは冷凍することで新鮮な状態の栄養価を保っているため、効率よくサバの栄養を摂取することができます。常備しておけばいつでも食べられる手軽さも、冷凍サバのメリット。トレンド食材である冷凍サバのパワーで、毎日を健やかに過ごしましょう。
(フリーランス管理栄養士 今井尚美)
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【参考】
※『からだにおいしい 魚の便利帳』藤原昌高(2021年)高橋書店
※冷凍魚のメリット – ロイヤルグリーンランド