冬のお鍋で、大活躍する野菜といえば春菊です。普段はあまり食べなくても、「鍋に入った春菊なら好き」という人は多いでしょう。香りが強く、ほかの具材と一緒にしてもしっかり主張があり、いいアクセントになります。ただ、鍋以外で用いられることが少なく、クセもあるので普段はやや敬遠されがちです。そこで今回は、料理研究家である筆者が、「苦みのある春菊のお鍋以外の食べ方」についてご紹介します。
■1:あく抜きの必要なし!
春菊はややクセがあり、あく抜きの必要があると思われがちです。でも、えぐみの原因となるシュウ酸という成分は、ほうれん草に比べても圧倒的に少ないのです。そのまま食べてもカラダに害はないので、あく抜きをしなくてもまったく問題はありません。
■2:葉と茎を分けて調理
春菊の香りや苦みが強いのは、主に葉の部分です。加熱することで、それはさらに強くなります。ですから、調理の際は茎と葉を分けることがクセをなくすコツです。茎の部分はしっかり火を通し、葉はさっと加熱することで、より食べやすくなります。
■3:胡麻と和えてまろやかに
春菊にさっと火を通して適当な大きさに切り、すった白胡麻と和え、醤油と砂糖、もしくは味噌やみりんで味つけするだけで出来上がります。胡麻はいろいろな野菜と相性がよく、春菊と合わせても◎。香りを残しつつ、まろやかで深みのある仕上がりになります。
■4:生のままサラダでも
春菊は火を通すと、香りや苦みが強くなります。あく抜きも必要ないので、そのままドレッシングをかけるだけで、サラダとして食べることができます。生の春菊の爽やかな香りが楽しめます。
■5:サクサクの天ぷらで
春菊を油でカラッと揚げて天ぷらにすると、苦みも感じず、いい香りが楽しめます。葉ものは火が通りやすいので、180度くらいの高温でさっと揚げると、サクサクの仕上がりになります。
いかがでしたか? 春菊を鍋で食べて苦手だった方も、食べ方によっては美味しく感じられることもあると思います。あの香りが病みつきになるという意見も多いので、いろいろな食べ方を試して、新たな魅力を発見して欲しいですね。
(料理研究家 オガワチエコ)
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