1年中リップクリームが手放せない……。一年中、唇の乾燥がひどく、こまめに保湿しても皮が剥けるという方も少なくはないのではないでしょうか。
アオハルクリニック院長で皮膚科医の小栁衣吏子医師は、実は夏も唇は乾燥していると言います。
「唇の荒れは秋冬に起こると思われがちですが、実は1年中荒れている方もいらっしゃいます。特に夏はエアコンによる乾燥や紫外線といった環境的要因、辛い・酸っぱいなど刺激のある食べ物など夏ならではの生活習慣的要因もあり、唇には過酷な環境です」
また夏の唇あれは秋冬に重症化する可能性があると小栁医師は言います。
「夏ならではの要因による唇の荒れ、いわゆる“夏枯れリップ”は、気温が下がり乾燥が進む秋冬に重症化することもあります」
■効果が出やすい唇は正しいケアで3日で改善の可能性も
「唇のターンオーバーは3.5~10日間と唇以外の皮膚と比較すると早いため、正しいケアをすればそれだけ効果も得られやすい部位です」
「唇あれを改善するには、リップクリームの選び方と塗り方が大切です。リップクリームには大きく分けて化粧品と薬用、さらに医薬品の3種類があります。症状に合わせて選びましょう」と小栁医師は語ります。
■唇あれがさらなる唇あれを引き起こす?!
モニター試験結果を受け、小栁医師は唇には荒れやすい場所があること、唇あれがさらなる唇あれを起こす”唇あれスパイラル”があるということに注目しました。
「モニター試験を実施し、利き手の反対の下唇が荒れるなど、人によって塗り方にクセがあることが分かりました。リップクリームの塗り残しがあるのかもしれません」
「また、唇あれが改善するとともに唇をなめる、かむ、ギューっと閉じるという唇の刺激になるNG行動も減少しました。このことから、唇が荒れているから気になって、なめてしまっていたのではないかと推測されます。唇の荒れが荒れを助長する“唇あれスパイラル”につながっていたのです」と分析しています
■今すぐ実践!「夏枯れリップ」ケア法
小栁医師は「正しいリップケアを行うことで、唇あれの改善とともに唇の血色も良くなります。これにより、見た目の印象が明るくなります。また、唇あれを助長するNG行動(なめる、かむ)がなくなり、荒れにくい唇になります。ケアをしても改善しない場合は専門医の受診を」とアドバイスします。
リップクリームの選び方
「乾燥しがちな時は、化粧品リップや薬用リップなど自分に合うものを使いましょう。唇が割れがちな時は、薬用リップを選び、塗った時にスースーしない、刺激の少ないものがおすすめです。ひび割れやただれがある時は、治療効果のある医薬品と表記のあるものを選びましょう」
リップクリームの塗り方
「唇の縦ジワに沿って、縦に円を描くようにやさしくリップクリームを塗ります。荒れやすい口角を意識しましょう。症状が気になる時は、寝る前にスペシャルケアとして『4ブロック リップマッサージ』がおすすめです。もちろん日中に行っても大丈夫です」と小栁医師。
■「4ブロック リップマッサージ」とは?
ユースキン製薬は皮膚科医監修のもと、正しいリップケア方法として「4ブロック リップマッサージ」を開発したそう。
小栁医師は「4ブロック リップマッサージ」について、
(1)割れやすい口角など全体にムラなく塗ることができる
(2)唇への刺激が少なくリップクリームを塗ることができる
と、カサカサの軽度の唇あれから中程度の皮むけ・炎症をケアできるのではと評価しています。
またユースキン製薬の担当者は「4ブロック リップマッサージを夜のスペシャルケアとして実践していただくモニター試験を実施したところ、参加者全員の唇あれの改善が確認できました」と語ります。
■「4ブロック リップマッサージ」の方法
唇を上下左右の4つのブロックに分けて1ブロックずつ塗る方法。第一関節半分の量を塗ります。また、優しくマッサージをするように塗ります。これにより利き手などによる塗りムラのクセを防ぎます。
タイプ別の塗り方のコツ
スティックタイプ
唇のタテじわに沿って中央から口角に向けて、楕円を描くようにやさしく塗ります。荒れやすい唇の内側は意識して塗ってください。
チューブタイプ
クリームを出しながら、先端を直接唇にあてます。唇のタテじわに沿って中央から口角に向けて、楕円を描くようにやさしく塗ります。
乾燥や荒れが気になる時は、夜寝る前のスペシャルケアを。唇1ブロックに対して第一関節の半分量を指に出して使用します。指を強く押し当てずになじませながら塗ります。症状に応じて更に多めの量を使っても。
ジャータイプ
清潔な薬指に適量を取ります。たっぷり塗ることができるので、しっかりケアができます。
「4ブロック リップマッサージ」は夏が過ぎても実践できそう。唇のあれに悩んでいる人は是非試してみて。
(つやプラ編集部)
【小栁衣吏子(こやなぎ えりこ)医師 プロフィール】
アオハルクリニック(港区六本木)院長。ウェルエイジングを目指す皆様のため、日々探求している皮膚の専門家。平成10年順天堂大学医学部卒業後、平成23年、AOHAL CLINIC院長に就任し、現在に至る。順天堂大学医学部 皮膚科助教(非常勤)、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会専門医。著書に「美肌の王道」(日経BP社)。雑誌、テレビ番組などメディアでも活躍中。
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