パタンナーにとって洋服で一番大事なところは、実は“肩”だとご存知でしたか? 肩の傾斜によって、変なシワが出たり、丈が短くなったりしてしまうんです。30代40代になると、服の仕立ても重視したくなりますから、身体の収まりが悪い服は着たくないですよね。また、肩の傾斜はその人のイメージも左右します。 若い頃より自分の特徴をしっかり見極めて似合う服を着たいですよね。そこで、今回はなで肩さん、いかり肩さん、それぞれの特徴と着こなし方を紹介します。
■なで肩さんの特徴とOK&NG服・ファッション
まず、なで肩さんの悩みとしては肩幅が狭い方も多く、衿ぐりの広い服は肩が落ちやすい、背中にたすきジワと呼ばれるハの字のシワが入りやすい、脇の着丈が長くなりやすいなどが挙げられるでしょう。 しかし、なで肩さんは女性的な印象や、優しい印象も与えます。 逆に一歩間違うと子どもっぽくなることも…。 実はクラシックな女性の服はなで肩の女性を理想としている場合が多いので、なで肩さんが似合いやすいデザインが多いのです。着物もよく似合うのはなで肩さんの素敵なところではないでしょうか?
(1)「肩幅が小さい」をカバー!子どもっぽく見せないOK服
・肩周りにボリュームのある袖
・ボートネックの衿ぐり
・アメリカンスリーブやホルターネック
どちらかというとやはりクラシックで女性らしい服が似合うと思います。 アメリカンスリーブやホルターネックは流行りでもありますし、とてもシャープで大人っぽく見えますよ。
(2)なで肩を逆に強調!NG服
・ラグランスリーブやドルマンスリーブ
・衿付きやタートルネック
・タンクトップやキャミソール
大きな衿や衿ぐりを着ると、比率から肩がとても小さく見えてしまいます。ジャケットを着たときにたすきジワが出ているようなら、薄い肩パッドで補正するのも手です。
■いかり肩さんの特徴とOK&NG服・ファッション
一方、いかり肩さんの悩みは肩幅が広い方が多く、肩で服が持ち上げられて、脇が上がり背中に棚ジワと呼ばれるカーブ状のシワが出ることがあります。 なで肩さんとは逆に脇が短くなりやすい、肩がつっかかって袖が上がりにくいなどの悩みも考えられます。 いかり肩さんはマニッシュな服が似合ったり、キリッとした印象を与えるでしょう。 モードっぽい服装も似合うのがいかり肩さんの素敵なところです。 しかし、あまり強い印象ばかりに見られるのは職場で敬遠されそうです。
(1)優しい雰囲気に!いかり肩さんのOK服
・衿付きや衿元にボリュームのある服
・広く深い丸首やVネック
・プリンセスラインなど肩回りに切り替えのある服
大きな衿や深い衿ぐりは女性らしさを表現します。 Vネックなどもカーブ気味のものを選んだ方がキツイ印象をカバーできますよ。また、衿ぐりにドレープが入った服も似合います。ドレープなど、曲線がある服を選ぶと優美に見えますよ。
(2)いかり肩を強調!NG服
・袖にボリュームのある服やフレンチスリーブ
・ぴったりとしたタートルネックや衿ぐりがフラットで詰まった服
・ホルターネックやアメリカンスリーブ
首まわりにボリュームがなく、衿ぐりが詰まったりして面積が広いと肩幅が広く見えてしまいます。 ジャケットを選ぶ時は必ず肩パッドなしを選んで下さい。
いかがでしたか? 体型は簡単に変えられるものではありませんが、ちょっとした見せ方なら変えることが出来ます。その体型だからこそ似合う服も沢山あるので、それも自分の魅力と捉えて服選びをしてみてくださいね。
(レタル店主/デザイナー・パタンナー ヒグチトモミ)