常に自身の美をアップデートし、発信し続ける美容のプロの方々にお話を伺うインタビュー。
ヘアサロン「AMATA」のオーナーで毛髪診断士でもある美香さんのインタビュー3回目は、美香さんご自身の美容法や忙しい日々を乗り切るメンタルケアなどについて伺いました。
ストレスは美容の大敵! クヨクヨ引きずらず意識的に切り替えて
ーー前回のインタビューで、美しい髪を保つためにヘアケアだけではなく、メンタルケアにも気を配っているとお伺いしました。メンタルケアについて、詳しくお聞かせいただけますか。
はい。「悩み事や仕事やプライベートのストレスで一気に白髪が増えた」という話はよく耳にすると思うのですが、心身の状態と頭皮とは密接に関わっていますので、実際に起こりえることなんです。
ですから、私はストレスを溜めにくい体質作りを心がけています。考え方を変換して引きずらないようにするんです。
過ぎたことをクヨクヨ悩まずに別のことや新しいことを考えて、意識的に切り替えることで、心の体力をつけていくといいと思います。
ーー気持ちを切り替えるために行っていることはありますか?
基本的には、何かをして切り替えるというより、自分自身で気持ちや考えを整理して切り替えますね。
切り替えるきっかけに何かの力を借りるとしたら、アロマやお香などの香りの力。
特にお香は焚くと煙がふわふわと立ち上るので、それを見るのも心を落ち着かせてくれる気がします。
煙を眺めて、お香の香りを嗅いで、としているとなんだか禅の世界のようで落ち着きますよね。
お香の立ち上る煙と香りは気持ちを鎮めて浄化してくれます
ーーお香は美香さんのミステリアスな雰囲気にぴったりです!
伝統的な白檀のお香なども好きなのですが、最近はTHREEのようにコスメブランドもお香を出しているので、そういうものも素敵だなと思って使っていますね。
お香は部屋の空気を浄化したい時に使います。部屋の空気が淀んでいるなと感じて、窓を開けて空気を入れ替えてもすっきりしない時も、お香を焚くと一瞬にして浄化されるんです。
アロマの香りも好きですが、最近はお香の和の香りがとても落ち着きますね。
ーーお香は気持ちを鎮めてくれるイメージでしょうか? 一日の終わりに焚くのも良さそうですね。
一日の終わりと言えば、私は割と細かいことが気になる性格で、一時期うまく眠れないことがあったのですが、今はとことんまで忙しく仕事をしているので、その疲れと共にバタンキュー。その方が深く眠れている感じもしますね。
つやプラ読者の方も、深く眠れるように上手にコントロールができると良いと思いますね。
現代は5人に1人くらいは睡眠に問題を抱えていると言われていますので。
安眠できる枕や布団、香りのミストなど、睡眠に対してアプローチする商品が様々なメーカーから発売されているので、そういったものを試してみるのも良いですよね。
その中から例えば「この香りを嗅ぐとリラックスできて安らぐ」というように、自分にフィットするものを見つけられると、それが助け舟になってとても楽になりますよ。
ーー質の良い睡眠は肌や髪のためにも大切ですものね。肌のお手入れについてもお伺いしたいのですが、美香さんがスキンケアでこだわっていることはありますか?
じっくり入れ込んでスキンケア。仕上がりの肌に差が出ます
一時期はバシャバシャとにかくたくさんつけて、としていたこともあったのですが、最近はゆっくりとスキンケアをするようにしていますね。
あせあせして肌を作り上げてしまうと、メイクののりや持ちも悪くなってしまうので、忙しくても少し時間をかけて入れ込むようにしています。
化粧水もコットンでひたすらパッティングするより、自分の手でじっくり入れ込みます。
入れ込んで肌の表面がひんやりもっちりしている時に、次の美容液をつけると、仕上がりの肌が違うのが分かりますね。
スキンケアの中で一番大切だと考えているのはアイクリームですね。
アイクリームは20代後半から、ずっと欠かさず使っています。
目の周りに年齢が現れると思うので、いつも目元がピンと張った状態になるように、アイクリームには投資していますね。
ーー今お気に入りのアイクリームを教えてください。
気に入っているのは、ラプレリーのアイケアものですね。お高いんですが(笑)
ラプレリーのアイエッセンスをベースに使って、その上にやはりラプレリーのホワイトキャビアシリーズのアイクリームか新しい成分ルミドースが入ったイルミネーティングのものを重ねています。
この2アイテムでお手入れをすると、目元の肌の密度が変わりますね。揺るぎないという感じ!
ーーとても贅沢な重ねづけですね!
今の時代、目元のシワを取るための外科的な処置もあるのですが、でもそういうことをしなくても、「自分の皮膚能力だけで保っていきたい」「最高値まで持っていきたい」という気持ちが私のなかにあるんです。
大切なのは積み重ね!小さな変化を楽しむこともきれいへの近道
先ほどもお話した通り、大切なのは継続することですね。
目元のケアは、その時だけ頑張るスペシャルケアではないんです。それはスキンケアもヘアケアも同じです。
日々積み重ねていくことで、きれいが目の前にある状態が生まれるのだと思っています。
だから、到達点をずっと先にするのではなく、目の前にあることを頑張っていくと良いと思います。
「これをやると絶対きれいになれる」ということを続けていくと変化を感じられるので、モチベーションになると思いますね。
「10日後、2週間後に変化が現れます」という言葉をスキンケアやヘアケアでよく目にすると思います。
もちろん先になって感じる変化もありますが、心地良い感触に気持ちが上がったり、翌朝のメイクのりが良かったり、髪のまとまりが良かったりすると、新しいコスメやヘアケアを使ったからだ!と思いますよね。
そういった小さな変化に気づくことも、きれいになることに繋がると思います。
ーー美香さんは昔から美容に対する関心が高かったのですか?
昔から美容に関することが好きでしたね。正直に言うとメイクの方が好きですね。色物が好きなんです。
目の印象が大切だと思うので、色を変えるだけで顔全体の印象が変わるアイシャドウにはこだわっていますね。
「アイシャドウなんていつも同じで、服に合わせて変えたことはない」と言う友人がいて、「ええっ!」と驚きました(笑)
私は毎日アイシャドウを決める時は、その日に着る服を考えてから、あの服ならこの色と逆算で決めますね。
ファッションの世界からヘア業界へ。転身の理由は?
ーー以前はファッションのお仕事をされていた美香さんらしいエピソードですね。ファッションの世界からヘア。しかもヘアデザインではなく、髪の毛そのものにフォーカスする仕事へというのは、とても大きな転身だと思うのですが、何かきっかけがあったのでしょうか?
その転身に関しては、よく不思議だと言われますね。子供の頃からヘアをいじるのが大好きだったんです。
あとはフレグランス。母の香水を嗅いでは「いい香り~」と喜んでいたような子供でした。
幼い時から、シャンプーをスーパーや薬局で買うのではなく、外資系の専門店のようなところで買うくらい興味がありましたね。
でも、美容師になりたいという気持ちはなぜか全くなかったんです。
美容師になりたいというより、美容そのものに憧れがあったんでしょうね。
大人になってからは、一流店で切ってもらおう!とお金をかけてヘアサロンへ通っていたのですが、通っているうちに一流といわれるサロンの裏側が、メインのお客さんであるはずの「女性の目線」ではないことに気づいてきたんです。
例えば、髪の毛を整えてもらって、サロンを出る前にお化粧直しくらいしていきたいのに、「お疲れ様でした!」とまっすぐ出口へお見送りされてしまったり。
ーー確かにそういうサロン多いかもしれません!
「お化粧室を使わせて!」と言いづらかったり、行ってみたら汚かったり。
そういった経験から「女性の目線でサロンを作りたいな」と強く思ったんです。それが転身へのスイッチになりました。
私が作った方が良い空間になるんじゃない?と思っちゃったんです(笑)
美容師さんはそれぞれ素晴らしい技術をお持ちです。
それだけに、どちらかというと職人さんなので、他のことが目に入らないという面もあるんだと思います。
その周りのところを私がこれまでと違う目線でやってみたいな、というのがAMATAを作るきっかけになりましたね。
AMATAは集う人同士、刺激を与え合える社交場のようなサロン
ヘア業界だけでなくビューティ業界も一緒に、ヘア&ビューティという大きな業界として美しいものを提案したいと今は考えています。
お客様が「ヘアをするだけに来ているのではなくて、AMATAに来ているの」と言ってくださるのですが、それは「この空間が好きだから来ている」ということなんだと思います。
空間としてのホスピタリティやお客様へのホスピタリティは当たり前で、さらに、人と人との交流の場でもありたいと考えているんです。
AMATAはいわば社交場で、お客様同士が刺激を与え合えるような場になっていくといいなと思っています。
つやプラの対談でご一緒した石井美保さんもですが、美容業界の方に多くいらしていただいているのを見ると、その想いが伝わっているのかなと感じますね。
ーー美容業界には美香さんファンの方が多いですよね!
すごく嬉しいことですね。ヘアケアだけというより、カットも!と、いらっしゃる方が多いですね。
AMATAではカッターが髪の形・デザインを整えて、ケアで髪の質感をコントロールするので全体のクオリティを上げることができるのです。
ただカットする、ただ染めるというのではなく、その方のクオリティを上げるような施術をしていますので、美容意識が高い方にも満足していただけているのだと思います。
好奇心は活力の源泉! 自分がワクワクすることを見つけて!
ーー最後にお伺いしたいのですが、美香さんは年齢を重ねても美しく、つやのある女性というのはどういう女性だと思いますか?
好奇心がある女性ですね。なぜかというと、好奇心があるということは、先のことに対して興味を抱くということで、それは脳の細胞なども活性化させることになると思うからなんです。
素敵!と思う気持ちや感動、感激といったものが強ければ強いほど、きれいになれると思います。
それには、自分の好奇心が湧き出てくるものを見つければ良いと思うんです。
例えば、映画に行くことかもしれないし、新しい化粧品を買う時のカウンターでの対話かもしれない。
ドキドキ・ワクワクすることを見つけて増やしていくことが、女性をきれいにすると思いますし、イキイキとした生活に繋がると思いますね。
私は好奇心が高まりすぎて、やりたいことが増えすぎて大変なので(笑)、少し抑えつつ、どこからやろうかなとワクワクしながら考えています。
やりたいことを書き出したり、気になる美術展やコスメの新発売の情報をメモしたりするのも良いですね。
そうしておくと、うっかりがなくなって、気になることへの欲求が高まりますし、視野も広がっていくんです。
つやプラ世代は好奇心や欲求を抑えられがちなので、自分から殻を飛び出していただきたいと思いますね。
比較対象は自分自身! きれいになるのは何歳からでも遅くありません
ーー美香さんのように素敵な女性になるために、40代の間にやっておいた方がいいと思うことを教えてください。
年代で区切る話でもないかなと思うのですが、何事も後悔をしないようにするといいと思います。
「あれをやっておけば良かった」「あの時やっておけばこんな風にならずに済んだのに」と後から思わないようにして欲しいなと。
スキンケアもヘアケアも、今からでも何歳からでも遅くないので、スイッチが入った時にすぐにスタートするといいですね。
一人一人のペースがあるので、周りと比べても仕方がないんです。比較対象は自分自身。
だから、自分自身でスイッチを入れるべき時に入れて、スイッチを入れたら実行あるのみ!
様々な情報を上手に役立てて、きれいになっていってもらいたいなと思いますね。
【美香さん プロフィール】
毛髪診断士・ヘアサロン「AMATA」オーナー
約10年間ファッションデザイナーとして活躍後、本当に自分が行きたい大人のためのヘアサロン「AMATA」をオープン。多数の美容業界人を顧客に持ち、人気サロンオーナーとして注目を浴びる。また毛髪診断士と美髪の持ち主であることを生かし、雑誌やトークショーに数多く出演。監修本に『美髪力!』(双葉社)がある。
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