私たち人間は、成長するためにたくさんの栄養素を必要とします。大人になってからもエネルギーを得て健康を保つために、やはり栄養豊富な食事を心がけます。それは植物にとっても同じこと。つまり、これから成長する「タネ」には栄養がぎっしり詰まっているのです。もちろんエイジング世代にとって嬉しいキレイの元になる栄養も。最近素通りされがちな「タネ食品」を、今改めて見直してみましょう。
■アンチエイジングにも◎の「そば」
タデ科の植物の実を粉にして麺でいただくそば。実は日本では古くから健康と長寿を支える食べ物として親しまれてきました。バラエティ豊かな栄養素の中でも、ポリフェノールの1種であるルチンは生活習慣病を予防して抗酸化作用を発揮するという嬉しい効果が。ルチンは水溶性なので、食べ終わった後のそば湯は残さずいただきましょう。
■女性らしさを引き出す「大豆」
その良質なタンパク質源から「畑の肉」とも言われる大豆。女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをするイソフラボンが豊富なことでも知られており、女性の美しさや若々しさを保つ大きな助っ人となります。伝統的な日本食には大豆を使った料理がたくさんありますね。味噌や醤油、豆腐、納豆、おから、湯葉など、食生活に上手に取り入れましょう。
■日本人のパワーの源!「お米」
縄文時代から栽培されていたという日本人の魂でもあるお米。エネルギーを作り出す糖質が豊富なので、特に子どもの成長過程においては大切な食物に。ただし、精米して胚芽部分を取り除いてしまうと微量の栄養素が失われます。玄米には玄米で、ミネラル排出を促進するフィチン酸が含まれるというマイナス面もありますから、状況に応じて食べ分けるのが賢い選択のようです。
■良質な脂質が豊富な「ごま」
風味豊かで日本の食卓を支えてくれるごま。脂質やタンパク質、食物繊維、鉄分やミネラルなどあらゆる栄養素が豊富に含まれています。中でも豊富なリノール酸やオレイン酸などの必須脂肪酸は、細胞膜の原料となって代謝に関わるほか、悪玉コレステロールを減らし、便秘を解消してくれると言われています。エイジング世代にとっては見逃せない食材ですね。
近頃は健康ブームに乗って、これまで見たことも聞いたこともない新しい食物に注目が集まりがち。でも植物の特性を見直して、周りをよく見ると、身近に良い食材がたくさんあります。流行ではない食材から、流行にのらない美しさを手に入れましょう!
(ホリスティックビューティインストラクター Eriko)
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【参考】
※田中修著(2012)『タネのふしぎ』(サイエンス・アイ新書)