秋の代表的なフルーツである「柿」。昔から、「柿が赤くなると医者が青くなる」といわれるほど栄養価が高いフルーツですが、実は高い美容効果が期待できるのも特徴です。美肌や、夏の紫外線による肌ダメージを労わる栄養素が豊富に含まれています。
秋は、肌の乾燥や季節の変わり目の肌トラブルに悩む人も多いので、栄養価の高い旬の柿を食べて肌トラブル対策をしましょう。
管理栄養士の筆者が、柿の栄養についてご紹介します。
■柿の栄養素
ビタミンC
柿には「ビタミンC」「βカロテン」「カリウム」「食物繊維」などの栄養素が多く含まれています。そのなかでも特に注目したいのが、“ビタミンCの量”。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」(厚生労働省)では、1日のビタミンCの推奨量は100mgと設定されていますが、柿、100gあたりのビタミンC含有量は70mgです。普通サイズの柿(190~200g)1個あたりのビタミンCは約140mgという計算になり、1個食べれば、1日に必要なビタミンC量を補えてしまうほど、ビタミンCが豊富です。
βカロテン
βカロテンには強い抗酸化作用があり、紫外線によって発生した活性酸素の働きを抑えてくれるため、夏に受けた紫外線による肌ダメージ改善にも効果が期待できます。
さらに、βカロテンは体内で「ビタミンA」に変換されますが、ビタミンAには粘膜を強くする働きがあります。細菌やウイルスは鼻や喉の粘膜から身体に侵入することが多いので、粘膜を丈夫にすることは体調管理にも役立ちます。
免疫力UPのためにも柿を食べるようにしてみてくださいね。
■柿の栄養素をムダなく摂取する食べ方3つ
(1)ビタミンC補給には、そのまま食べる
ビタミンCは熱に弱いので、ビタミンC摂取を目的とするのならばシンプルに生で食べましょう。
そのまま食べても良いですし、チーズと合わせてお洒落な副菜にしても美味しくいただけます。
(2)柿×ナッツで抗酸化力UP
「ビタミンE」と「ビタミンC」を一緒に摂ると、抗酸化力がさらにUPするといわれています。柿にビタミンEをプラスするには、アーモンドなどのナッツ類を組み合わせると良いでしょう。
カットした柿に砕いたアーモンドを加えてドレッシングをかけると、簡単なサラダができあがります。仕上げに、はちみつを回し入れても美味しいですよ。
(3)干し柿で腸活
生の柿との違いが気になる干し柿ですが、干し柿にするとビタミンCの量は大幅に減ってしまいます。ですが、ビタミンAや食物繊維の量が増えるので腸活におすすめです。
干し柿は、生の柿に比べてカロリー・糖質が高いので、朝に食べると良いですよ。1日の始まりに甘いものを食べると活力が得られますし、甘いといってもお菓子とは違って身体に良い栄養素が豊富なので、そこまで気にせずに食べられます。
旬の食材は栄養価が高くなっているので、積極的にとり入れたいところ。美味しくかつ効率良く、柿の栄養素を摂れると良いですよね。ぜひ、参考にしてください。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※抗酸化ビタミン – 厚生労働省
※柿 – わかさ生活
※β(ベータ)カロテン – わかさ生活
※ビタミンE – わかさ生活
※板木利隆 監修『からだにおいしい 野菜の便利帳』(2008年)高橋書店