新米が出揃うこの時期。実は、お米の業界でもワインのように「今年の○○産はできが違う」といった当たり年があるんです。今年のお米の出来栄えを知り、ぜひ今年の新米選びを楽しんで!
■今年度産のお米の味って?
今年は産地を絞り込めば、美味しい「当たり米」に出会える
お米はワインと同じように、当たり年と言われるほど、美味しくてレベルの高いお米が味わえる年があります。ここ最近ですと、2年前がどの産地も非常にレベルが高く、当たり年であったと言えます。 ここ最近は夏場の高温、豪雨など、天候による障害が多く、米作りの農家さんには非常に難しい年が続きました。しかし地域や気候次第で甘み・旨みのギュッと詰まったお米に仕上がることも多々ありますので、ワインと同じように年によっての違いはあると言えます。今年は、お盆明け以降に天気がぐずついた地域が多く、産地による味ブレが多い年になりました。今年は、産地を絞り込むことで、美味しい当たり米を探すことができます。
■今年のオススメ産地&銘柄とその理由
今年は地域によって、栽培の善し悪しが大きく変わってしまったため、お米選びの難しい年です。ただ、北海道や東北地区は概ね豊作傾向ですので、どの地域を選んでも問題ありません。京都の中では、お盆前後の天気が安定していた京丹後地区も味わいが良く、オススメです。 また、九州地区はやや不作気味ではありましたが、熊本県菊池地区などは東北と同じくらいの寒暖差があり収穫時期も遅いため、味わいが良く、良質米が収穫できました。
北海道ゆめぴりか
北海道は豊作傾向にあり、天候も安定していたことから、どの地域でも概ね良質米が収穫できています。ゆめぴりかは、モチモチとした弾力のある食感が人気の、北海道で話題の名品種です。
山形つや姫
東北地区も豊作傾向にありますので、山形県内どの地域も概ね良質米が収穫できています。つや姫は、旨み成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸を多く含む、山形の人気品種です。
京都府京丹後こしひかり
西日本地区は、今年は地域によって日照不足や台風に悩まされ、収穫が少なかったのですが、地域を絞ることで、美味しい産地に出合えます。特に、京都府京丹後産のお米は、昼夜の寒暖差が激しく、台風の影響の受けにくい山間の場所に位置するため、甘みと粘りが強い、こしひかりらしい旨みのあるお米に仕上がっています。
熊本県菊池地区ひのひかり
九州地区は、収穫の早いお米は台風や日照不足の影響で収穫が不良でしたが、10月中旬以降の収穫のお米については、東北と同様に天候が回復し、味わい深い仕上がりになっています。特に、熊本県の中でも菊池地区のお米がオススメです。ひのひかりは、西日本で多く作られている品種で、細長くさっぱりとした食感で、どんなおかずも引き立ててくれる品種です。
新米のこの時期こそ、様々なお米を味わい、今年一年の好みのお米を見つけてみてはいかがでしょうか。
(5ツ星お米マイスター/ごはんソムリエ 澁谷梨絵)
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