みかんといえば、美肌の味方「ビタミンC」が豊富なフルーツの代表的存在ですよね。ですが、「ビタミンCの働き」や「効率的/NGな取り方」「栄養素の特徴」についてはあまり知られていません。
インナービューティー料理研究家の筆者が、みかんの美容に嬉しい栄養素とビタミンCの特徴について詳しくご紹介します。
■みかんの美容に嬉しい栄養素とは?
みかんに含まれる美容に嬉しい栄養素と主な働きについてご紹介します。
ビタミンC
「ビタミンC」の主な働きは以下の3つです。
(1)肌細胞のコラーゲン生成をサポートします。
(2)メラニン色素の沈着を防ぐ働きにより、シミやそばかすを予防する効果が期待されています。
(3)免疫力アップに役立ちます。特に、冬は風邪やインフルエンザなどにより体調を崩しがちな時期。免疫力を維持し、健やかな身体作りを目指したいですね。
ビタミンP
みかんには、ビタミンCの吸収率を高める「ビタミンP」も豊富です。
特に、白い筋や薄皮に多く含まれているので、とり除かずに食べるようにしましょう。ビタミンCを効率よく吸収できます。
カリウム
「カリウム」は細胞内の塩分濃度を一定に保ち、身体の機能を正常に保つ大切な働きがあります。むくみ予防に効果が期待されています。
カロテン
みかんには、乾燥から粘膜や肌細胞を守り強くする「カロテン」も豊富です。冬は湿度がとても低く、肌の乾燥やドライアイが気になります。
カロテンはみかん以外にもパプリカやニンジン、カボチャなどに豊富です。意識してとり入れ、乾燥対策を行いましょう。
食物繊維
「食物繊維」は、特にみかんの筋や薄皮に豊富です。
冬は冷えにより血流が低下して巡りが悪くなったり、乾燥により腸内環境などの調子も乱れがちです。腸内環境を正常に保つ「腸活」のためにもしっかりとり入れたいですね。
クエン酸
みかんなどの柑橘類に豊富な「クエン酸」。さわやかな香りにはリフレッシュ効果やストレスケアが期待されます。
疲労回復を狙いたい時は、食べた後に残ったみかんの皮をお風呂に浮かべてもいいですね。
■覚えておきたいビタミンCの特徴&かしこい摂り方
体内にストックできない
美容と健康に欠かせないビタミンCですが、実は体内にストックできない性質をもっています。「今日はたくさんみかんを食べたから翌日以降はフルーツを食べなくてOK」という考えはNGです。
毎日意識して食事からとり入れることが大切です。ビタミンCは体内で疲労物質やアルコールの代謝、また鉄分の吸収などに多く使われます。
みかんは常温保存でも問題ありません。皮を剥くだけで手軽に食べられるので、職場におやつ変わりに持参しても良いですね。
加熱に弱い
みかんに豊富なビタミンCは、加熱により損失しやすい栄養素です。そのため、生のままいただくことがおすすめです。
市販のゼリーやコンポートなどに入っている果実は、一度加熱されているものが多いので注意してください。ビタミンCを効率よく摂るためには、フレッシュな状態のものをとり入れましょう。
水に溶けだしやすい
ビタミンCは水溶性で、水分に溶けだしやすい性質をもっています。ですので、薄皮を剥いた状態で水で洗うなどをすると、ビタミンCの多くが流出してしまいます。
ビタミンCの吸収を高めるビタミンPが豊富な筋や薄皮がついたままいただくことがベストです。または、輪切りにしたり薄皮を剥いてから、ミネラルウォーターに漬け込んでビタミンC豊富なフルーツウォーターにしても良いでしょう。飲み干した後は果肉も残さず食べましょう。
身近な旬のフルーツだからこそ、かしこく無駄なく栄養素をとり入れて身体の内側からキレイを磨きたいですね。
(インナービューティー料理研究家 フードコーディネーター 國塩 亜矢子)
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【参考】
※吉田企世子・松田早苗/監修(2016年)『あたらしい栄養学』高橋書店
※上西一弘/著(2016年)『栄養素の通になる』女子栄養大学出版部
※板木利隆/監修(2008年)『からだにおいしい 野菜の便利帳』高橋書店
※吉田企世子/監修(2016年)『旬の野菜の栄養辞典』エクスナレッジ
※蒲池桂子/監修(2010年)『美肌美人栄養学』エクスナレッジ
※三輪正幸/監修(2012年)『からだにおいしい フルーツの便利帳』高橋書店
※伊達友美/著(2010年)『食べる美女肌セラピー』エクスナレッジ
※田中敬一・原田都夫・ 間苧谷徹/著(2016年)『科学的データでわかる 果物の新常識:ガン・心臓病・脳卒中・認知症を寄せつけない 知られざる果物の機能性』誠文堂新光社