寒い季節は、スープを飲むと身体が温まりますね。スープには和風、洋風、中華などがありますが、いずれもおいしさの秘密はさまざまな出汁にあります。さらに出汁には、抗酸化作用や疲労回復などの効果も期待できます。おいしくて身体にやさしい出汁をご自宅で作ってみませんか? 美養フードクリエイターである筆者が、毎日食べたい出汁のとり方レシピを4つご紹介します。
(1)ハッピー美肌になれる「かつお節」
脳を刺激して食事に満足感を与えてハッピーな気持ちを生み出すと考えられている、かつお節のうまみ成分。顏の皮膚の血流も高めてくれる効果も判明しているそうですよ。シミの元になるメラニンを作り出す刺激になる活性酸素は、生きていれば必ず発生してしまいますが、かつお出汁にはそれも除去する抗酸化力も期待できるようですから、紫外線からお肌を守ってくれそうですね。
(2)ヤセ体質には欠かせない!?ダイエットに「昆布」
昆布のヌメリ成分は、水溶性食物繊維の仲間です。腸内で善玉菌のエサになり、分解される際に脂肪の蓄積を防ぐ「短鎖脂肪酸」を生み出します。また、昆布の色素成分である「フコキサンチン」には、脂肪を溜め込む働きのある細胞に対して、脂肪をエネルギーとして燃焼させるように働きかける効果も期待できるのです。ネバリ成分「フコイダン」は、抗酸化力が強くさまざまな健康効果が期待されています。出汁をひいた後の昆布は、きざんで具材として食べましょう。
(3)疲れた〜!というときは「鶏胸肉」
細胞が活性酸素によって酸化すると、本来の働きができなくなり、スムーズにエネルギーを生み出せずに疲労を感じやすくなります。鶏胸肉に多く含まれる「イミダゾールジペプチド」と呼ばれる成分には、活性酸素から細胞を守り、疲労を感じにくくさせる働きがあることがわかっています。30分以上煮出すことでスープにイミダゾールジペプチドが溶け出しますので、出汁をとるときは、必ず30分以上の時間をかけましょう。
(4)アンチエイジングに「野菜」
美容にも健康にも欠かせないのが野菜ですが、含まれているビタミン・ミネラル・ポリフェノールなどの成分は、細胞壁という固い膜に包まれた細胞の中に入っているため、よく噛んだ程度では吸収できない場合もあります。煮出すことで、細胞壁が壊れて身体に吸収されやすくなりますから、余った野菜や皮は煮出してベジブロス(野菜出汁)にするのがオススメです。
出汁をひいて作ったお味噌汁やスープの美味しさは格別です。おいしくて身体にやさしい出汁を、毎日の食事に活用して下さいね。
(美養フードクリエイター 岩田 麻奈未)
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【参考】
※鰹だし – 焼津水産化学工業
※フコキサンチン – 昆布の栄養機能研究会
※フコイダン抗酸化能 – NPOフコイダン研究所
※イミダゾールジペプチドの効果的な摂取法 – 日本予防医薬
※顔面皮膚血流の変化からおいしい顏を探索する試み – やずや