フォアグラや生クリームなど、動物性脂肪分の多いものを沢山食べるフランス人。なのに、ほかの国の人に比べ動脈硬化などの血液の病気が少ないため、これを「フレンチ・パラドクス」と言います。フランス人は赤ワインを良く飲むため「ポリフェノールの抗酸化作用ではないか」とも言われていますが、本当の理由は違うという説も…。実は「チーズ」に含まれる成分が関係しているようですよ。
■フレンチ・パラドクスの本当の要因は「チーズ」!?
フランス人が他の国の人と比べ多く食べているものにチーズがあります。イギリス人の2倍、ドイツ人の1.5倍を消費しているそう。自治医科大学大宮医療センターの早田准教授によれば「チーズに含まれる『ポリアミン』という成分が、体内に炎症を起こす『LFA-1』と呼ばれる老化因子の出現を抑える。だから、血管の老化現象である動脈硬化を起こさせないのではないか。これがフレンチ・パラドクスの本当の要因ではないか」と考えられるのだそうです。
■ポリアミンのアンチエイジング効果2つ
(1)免疫力UPで、身体を守る!
「LAF-1」は炎症を起こす因子のため、血管内だけでなくアレルギーや細胞の老化も引き起こします。ポリアミンはLAF-1の出現を抑える効果があるため、細胞を炎症から守ります。また、ポリアミンの濃度が高くなると免疫細胞が活性化され、活性酸素などのダメージから身体を守る力が強くなるそうです。
(2)ダイエット効果も!?
早田准教授によれば、ポリアミンが細胞内で増えることによって、脂肪を燃焼する際に必要なカルチニンを利用しやすくなるとのこと。同じ運動をしても、脂肪を効率よく燃焼できる身体が作られ、ダイエット効果が期待できるそう。ワークアウトはもちろん、普段の家事でも効率よく脂肪燃焼できる身体になりそうですね!
■とっても身近な高ポリアミン食とは?
食べ物に含まれるポリアミンは、分子が小さいため体内にすぐに吸収されます。私たち日本人にとって最も身近な高ポリアミン食は「納豆」。納豆1パックを8週間食べることで、血液中のポリアミン濃度が高まることが確認されているとのこと。納豆は、ポリアミンだけでなく、発酵過程で分解された吸収のよい大豆イソフラボン、腸内環境美化をサポートする納豆菌や食物繊維の摂れるビューティーフード。総合的なエイジングケア食材と言えそう! コンビニでも買える納豆なら、続けやすさもバツグン。1日1パックの納豆を習慣にして、エイジングケアしてみてはいかがでしょうか。
(美養フードクリエイター 岩田 麻奈未)
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