無意識にしてしまう口呼吸は、血行や肌の調子にも影響しています。本来、呼吸は鼻呼吸が基本。鼻呼吸は血管内に流れる血液にとって非常に重要な役割を担っているため、お肌への影響だけでなく自律神経にも作用します。
身体にとって口呼吸は実はリスキー。その鼻呼吸をスムースに行うためのとても簡単な1日30回の「あいうべ体操」で舌を鍛えて鼻呼吸をしましょう。
■肌にも影響する鼻の力
副鼻腔(ふくびくう)とは一般的に蓄膿症(ちくのうしょう)になる部位のことを言います。副鼻腔には天然のガスがあり、このガスが体内に入ることによって、血管を拡張してくれるため血流がスムーズに行われるのです。ただし、口呼吸ではこのガスが使われないため、肌の調子も悪くなってしまうと言われています。
天然ガスの一酸化窒素は鼻で作られる
副鼻腔の天然ガスは一酸化窒素(NO)と言います。このガスの発見は1996年にノーベル医学賞を受賞したほどの世紀の発見と言われました。一酸化窒素(NO)は神経系・免疫系にも影響し、ウィルスや細菌を攻撃したり血管内のコレステロールや血栓の発生を抑える重要な働きをします。
血管を若返らせることがアンチエイジングに
血液は細胞に必要な栄養素と酸素を運び、不必要なとなった老廃物も運搬する働きがあります。血液の中にはウィルスや細菌をやっつけるリンパ球なども存在します。その大切な血液に天然ガス「NO」を入れるのが鼻呼吸なのです。
■鼻呼吸をスムーズに行う為のあいうべ体操がおすすめ
鼻呼吸を心掛けているつもりでも出来ない方がいます。その多くは舌の沈下が原因として考えられます。低位舌(ていいぜつ)の状態だと鼻で呼吸はしづらくなるため、まずは舌をよく動かし舌を鍛えましょう。低位舌(ていいぜつ)とは、舌が上の顎にピッタリとくっついておらず、口の中央や下の歯に舌が当たっている状態をいいます。舌は上顎にくっついているのが通常の位置ですが、舌に力のない方は舌が落ちてしまっています。上顎に舌がくっついていると「口呼吸」はできません。反対に上顎から舌が落ちてしまっていると「口呼吸」をしてしまうのです。
舌の正しい位置と間違った位置の確認
舌を上顎にピタリとくっつけてみましょう。画像の様に舌をつけることができますか?
◯正しい位置その1
◯正しい位置その2
大きく口を開けていなくても、画像のように舌が上顎につき、舌の裏にある筋がしっかり伸びていることがポイントです。
×間違った舌の位置の画像
舌先だけが上の歯や上の顎についてしまっています。
簡単に舌を鍛えるあいうべ体操
それには老若男女問わず誰でも簡単にできる巷で有名なあいうべ体操がおすすめです。あいうべ体操とは「あいうべ」と発音するときの口のかたちを再現するだけの誰にでもできる簡単な体操です。声に出して「あーいーうーべー」と言うとより効果的です。
「い」はしっかり口角を横に引っ張りましょう。
「う」もしっかり唇を突き出します。
「べ」一番肝心な「べ」です。しっかり舌を出し、頭は下げたりせず真正面を向いたままで行います。
幼稚園・小中学校・高校・老人ホームなど様々な施設で積極的に取り入れられています。「あいうべ体操」は30回が目安ですが、例えば「キラキラ星」の歌にのせて「ああ、いい、うう、べ~♪ 」と歌うと、あっというまに30回になりますよ。会社や一目につくときは声に出さず、帰宅後には声に出して行ってみるといいですね。また一度に30回よりも一日の中に30回取り入れる感じだと簡単です。あいうべ体操は顎の下のたるみにも効果がありますので、おすすめです。
(ナチュラルビューティー研究所代表/歯科衛生士 上野清香
上野歯科医院副院長・抗加齢専門指導士・英国予防医学機関公認トレーナー・バストメイク講師その他多数の資格を取得。個性美と健康をナビゲートし講演やセミナーを行う。Udemy(動画サイト)で部門一位を獲得。)
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