夏の飲みものの定番といえば麦茶です。最近は、いろいろな飲みものがあるため、麦茶を飲む方も少なくなってきたかもしれません。ですが、麦茶は夏に飲むには最適な飲みものです。
美容と健康に役立つ食スタイルを提案して16年の美養フードクリエイターである筆者が、梅雨冷え対策にも、夏の暑さ対策にもおすすめの「麦茶の魅力」をご紹介します。
■麦茶とは
子供のころから親しんできた麦茶は、大麦を炒ったものを煮だしたお茶です。
大麦は水溶性食物繊維が多いため、昨今腸内環境の改善に役立つとして注目の食材ですが、残念ながら麦茶には食物繊維が含まれていません。その代わり、食べる大麦には含まれていない、大麦を焙煎することで生まれるアルキルピラジンという香り成分が含まれています。
■麦茶のアルキルピラジンとは
大麦を焙煎することで生まれる香り成分「アルキルピラジン」は、麦茶の香ばしい香りのもととなっている成分です。このアルキルピラジンには、血液の流れをスムーズにする働きがあります。
この成分は、ハトムギ茶ではなく大麦を使った麦茶に多く含まれる成分ですので、必ず大麦の麦茶を選びましょう。
■冷えも暑さもケアできる麦茶の働き
(1)冷え対策に「麦茶」を
梅雨の気温が低い日や冷房がかかった室内に長くいると、どうしても身体が冷えて、抹消部への血流が滞ってしまいます。
麦茶に含まれるアルキルピラジンには、血液の流れをスムーズにする働きがあるため、冷えを感じたときには温かい麦茶を飲みましょう。アルキルピラジンの効果は60分ほど持続するといわれています。
(2)暑さ対策にも「麦茶」を
気温が高い時期は、冷えを感じることは少ないかもしれません。ですが、湿度によってむくんだり、汗をかくことで身体から水分が蒸発して血液が濃くなったりすることで、血流が悪くなる場合があります。
そんなときにも麦茶がおすすめです。アルキルピラジンの力で血液の流れをスムーズにするだけでなく、麦茶はミネラルが豊富です。ですから、汗で失われたミネラルを補給して体内の水分バランスを保つことで、むくみの予防にもつながります。
また、Pクマル酸と呼ばれる抗酸化物質も含まれていますから、紫外線対策にも◎。
水分補給は毎日必ず行うことですから、飲みものを変えるだけで身体をケアできるのはうれしいですよね。冷えも暑さもケアしてくれる麦茶。この夏は麦茶を飲んでみてはいかがでしょうか。
(美養フードクリエイター・中医薬膳師 岩田まなみ)
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