更年期は、身体や心の不調を感じることが多いといわれています。
運動や睡眠で対策をすることもできますが、毎日の「食事」からもアプローチしていきましょう。
管理栄養士の筆者が、更年期に不足してはいけない栄養素や、その摂り方についてご紹介します。
■更年期に必要な栄養素
更年期に感じるさまざまな不調は、「女性ホルモン」の分泌が急激に減少することが主な原因だと考えられています。
女性ホルモンは、ツヤやハリのある髪・肌作りや、骨密度の低下を防ぐサポートをします。また、自律神経をコントロールする作用もあります。
そのため、女性ホルモンの分泌量が低下すると、肌荒れや不安などの不調を感じやすくなるのだそう。
大豆イソフラボン
食事からは、「大豆イソフラボン」を含むものを積極的に取り入れることがおすすめ。
大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た構造をしていることから、女性ホルモンと似た作用を身体にもたらします。
■「大豆イソフラボン」を効率良く摂る方法3つ
(1)ソイプロテインを活用する
大豆イソフラボンを効率良く摂るには、ソイプロテインを活用するのがおすすめです。
ソイプロテインとは、その名の通り大豆由来のプロテインのこと。大豆イソフラボンをはじめ、「大豆タンパク質」も摂取することができます。
ソイプロテインは身体にゆっくりと吸収されていくため、満足感を得やすいという特徴があります。なので、ダイエット中の方にも適しています。
また、他のプロテインに比べて脂質量が少ないことも、嬉しいポイントです。
更年期の不調対策とダイエットの両面からアプローチする場合は、ソイプロテインを活用してみてくださいね。
(2)味噌を取り入れる
大豆イソフラボンには「グリコシド型」と「アグリコン型」の2種類の形がありますが、体内に吸収されやすいのはアグリコン型だといわれています。
味噌には、他の大豆製品と比較してアグリコン型のイソフラボンが多く含まれているのだそう。
味噌汁や味噌焼きなど、食事に味噌を取り入れることで効率良く体内にイソフラボンを吸収することができるでしょう。
(3)きな粉を活用する
きな粉は大豆を加工して作られているため、少量で多くの大豆イソフラボンを摂取できます。
納豆1パックに含まれる大豆イソフラボン量と、きな粉大さじ4杯に含まれる大豆イソフラボン量はほぼ同じです。
豆乳やココアにきな粉をプラスしても良いですし、きな粉トーストや青菜のきな粉和えなど、料理に取り入れることもおすすめですよ。
■腸活に力を入れれば効果UP!
大豆イソフラボンは、腸内細菌の働きによってアグリコン型に変化するため、腸内環境を整えることで効率良くイソフラボンの効果を得ることができると考えられています。
また、「乳酸菌」などのプロバイオティクスと、「食物繊維」や「オリゴ糖」などのプレバイオティクスを同時に摂取すると、腸活効果を最大限に得られるといわれています。
そのため、「ヨーグルト×きな粉」「納豆×めかぶ」といった組み合わせを意識して食事に取り入れてみてください。
更年期に欠かせない「大豆イソフラボン」を効率良く摂取して、心も身体も健やかに過ごしましょう!
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※女性なら知っておきたい大豆イソフラボンの効果とは? – ニチモウバイオティックス
※不安感の原因・症状と対処方法 – 大塚製薬
※大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A – 厚生労働省
※ソイプロテインの活用方法は?ソイプロテインの特徴やメリットについて解説! – 森永製菓
※更年期に摂取したいアグリコン型イソフラボンの食品 – ニチモウバイオティックス
※大豆イソフラボンを効果的に摂って、毎日をイキイキできる秘訣にしよう! – ハウス食品グループ本社