多くの女性が憧れる「美」を生み出し続けている美容のプロに、40代女性に役立つ情報や、美を保つ秘訣を伺うインタビュー。
ヘア&メイクアップアーティストの長井かおりさんのインタビュー3回目は、スキンケアについてお伺いします。
スキンケアで大切なのは「何を使うか」より「量」と「手つき」
ーーメイクを美しく仕上げるためにもスキンケアは重要だと思いますが、40代女性が注力すべきはどんなことだと思いますか?
近年は化粧品のクオリティがどんどん上がっているので、スキンケア製品もどれを選んでもそれほど問題はないと思います。
それよりも私が大切だと思うのは、使う量とスキンケアをする際の手つきや塗り方です。
私が行っているメイクレッスンでは、スキンケアからスタートするのですが、少しずつ丁寧に丁寧にスキンケアをする大人女性をよく見ます。
もちろん丁寧にすることはいいことですが、スキンケアをする目的は肌を潤わせて整えること。
その過程を人に見せる訳ではないですよね。
であれば、もっと効率よく短時間で肌を潤わせることができれば時短になって、別のことに時間を使うこともできます。
ーー確かに時短になると、その分、メイクに時間をかけることもできるし嬉しいですね。効率よく肌を潤わせるにはどうすればいいでしょうか?
まずは、使う量を見直しましょう。
顔のすべての皮膚に潤いをしっかり行き届けるには、とにかくたっぷり、化粧水であれば手のひらからこぼれるほど使うことが一番!
化粧水も美容液も規定の量よりも多めに使うことが、美肌につながると思います。
高価な化粧品を少しずつ使うより、買いやすい価格のものを惜しみなくたっぷり使う方が、しっかり肌を潤わすことができますし、スキンケアの際の摩擦も減らすことができますよ。
ーースキンケアはコットンと手、どちらでするのがいいですか?
私は手で行うことをお勧めしています。
たっぷりの量を手のひら全体を使ってなじませると、短時間で最高に肌を潤わせることができると思います。
ポイントは指先だけでなく、手全体を使うこと。
両方の手のひらで顔を包み込むようになじませると、顔全体すみずみまでムラなく保湿することができます。
変顔でスキンケアをすると小ジワが目立たなくなる?!
ーーなんでも長井さんならではの保湿テクがあるとか? ぜひ教えてください!
乾燥してシワっぽくなりやすい目の周りは、目を開けたまま保湿をするんです。
保湿をする時は目を閉じている人が多いと思いますが、それでは肝心の目の下のシワっぽい部分に塗れません。
ですから、目を開けて上を見ながら、指先で目の下のキワまで塗り込みましょう。
ほうれい線が気になる部分は、口をムンクの「叫び」のようにして塗り込みます。
顔には無数の凹凸があって、ただ塗っているだけでは、すみずみまで均一に保湿できません。
上の方法でスキンケアをすると、ちょっとおかしな顔になりますが、しっかりシワや溝にまで塗るこむことができますよ。
ーームンク顔をしながらスキンケア! 人には見せられない姿かも(笑)
小ジワは乾燥が原因のことも多いので、しっかりと潤いを与えていくと薄く目立たなくなることも。
変顔でスキンケアするだけでシワが目立たなくなると思えば、試す価値はあると思いますよ!
ーーシワが目立たなくなるなら、変顔する価値アリですね! さっそく試してみます。他にもスキンケアで気をつけることはありますか?
肌と向き合ってスキンケアをすることが美肌への第一歩です
短時間でスキンケアを済まそうと、一気にバーッと塗り進めてしまう人がいますが、そうすると本当に肌が潤ったのか、一時的にしっとりしただけなのか分かりません。
ーー確かにきちんと保湿したつもりなのに、ファンデを塗ったらカサカサだった…という経験があります。どうしたら、ちゃんと潤ったか分かりますか?
1アイテムなじませたら一呼吸置いてから、手の甲で肌に触れて確認しましょう。
「ベタベタ」した感じがなくなっていれば、もう次のステップに進んでいいサイン。
逆に「サラサラ」していたら、まだ潤いが足りないサインなので、もう一度そのアイテムを重ねましょう。
すべてのスキンケアステップが終了したら、最終チェックを!
手の甲で触れた時、「ベタベタ」ではなく「ペトペト」と手の甲に吸い付く感触があればベストな保湿状態です。
ーー肌の状態が正しく分かるのはプロだから?と思ってしまいますが、誰でも分かるようになりますか?
すぐには分からないかもしれませんが、毎日繰り返していれば必ず分かるようになると思います。
「同じ化粧水をつけたのに、どうして今日はこんなに乾くんだろう?」といったように、肌と向き合ってスキンケアをして欲しいと思いますね。
ちょっとした変化を感じ取れるようになると、肌の調子が変わった時も「乾くから、もう一度化粧水をつけよう」といった感じに、慌てず臨機応変に対応できるようになりますよ。
ーー肌の調子が悪くなると、つい新しいコスメに手を出したくなりますが、自分で対処できればそういうことも減らせますね。
そうなんです! 肌の調子が悪くなると、「この化粧品が良くないんだわ」とか「新しい化粧品を買わなくちゃ!」と考える人が多いんです。
でもスキンケアはスポーツと一緒で、新しい道具を買ったからすぐに良くなる訳ではないんです。
新しい化粧品を買うのは簡単ですが、不調のたびに化粧品を変えていると、不調の原因や対処法がわからなくなってしまいます。
大人の女性こそ、毎日しっかりと自分の肌と向き合って、肌からのサインを読み取れるようになってもらいたいと思いますね。
お金もかからず、すぐに始められることですが、確実に美肌へ近づいていけると思いますよ。
【長井かおりさん プロフィール】
ヘア&メイクアップアーティスト 雑誌を中心に活動。モデルや女優のヘアメイクだけでなく、多くの女性のヘアメイクを手がけ、「〜周囲がざわつく自分になる〜必要なのはコスメではなくテクニック」(ダイヤモンド社)のヒットを機にブレイク。効果的でキャッチーなメイクテクニックに定評があり、その人自身の魅力を引き出すメイクに注目が集まっている。最新刊『テクニックさえ身につければ、「キレイ」はもっと引き出せる』(講談社)など、これまで発売した書籍は累計20万部の大ヒットとなっている。
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