浴衣のシーズン本番。浴衣の用意は出来ても着付けにつまづく方も多いのでは? 大人らしく素敵に浴衣を着こなすにはどうしたら良いのでしょう? 前回(記事末関連記事参照)、浴衣の選び方について教えてくれた、着物ブランドのルミックスデザインスタジオの芝崎るみさんに引き続き「浴衣の着付けのコツ」もお聞きしました。
■下着はどうするの?
浴衣初心者がまず悩みがちな下着、どういうのが良いのでしょうか?
「まず浴衣を着る時に補正のタオルを巻くのはやめましょう。せっかく浴衣を着るのに暑い想いをするのはよくないです。下着だけでもいいですが、腰巻を付けた方が絶対良いです!上半身が安定し、裾さばきが良くなります。バストが大きい方はブラジャーはつけず、さらしを2〜3回巻いて胸をつぶすと良いです」と芝崎さん。
■上半身と下半身の着付けを変えるイメージで!
下着を準備したら、次は着付けですね。着るのに精一杯でなかなかイメージ通りの着付けにならないことも多いですが、どうすれば?「上半身と下半身の着付けを変えるイメージで着て下さい。下半身ははだけないようしっかり着て、上半身はそっとくるむように」
(1)下半身の着付け方
「まず下半身は浴衣の裾を水平にもってきて、最後裾だけをキュッと上げましょう。全体を最初から上げ過ぎると着崩れの原因に。腰紐はへそ下でしっかり結びましょう。腰紐はきつく結んでもあまり苦しくありません。 ただし、胸紐はきつく結び過ぎないよう注意して下さい。息苦しくなってしまいます」
(2)おはしょりのコツ
「おはしょりは安全ピンで腰紐に留め付けてしまいましょう!引っ張る時は背中心ではなく、背巾の部分を引っ張って。背中心だと戻ってしまいます。衿は肩山から後ろの方に乗せる感じで。前合わせも水平に引っ張りバストトップをくるむイメージで。紐だけだと安定しないので、伊達締めもしましょう」
(3)帯を締めて完成へ
「帯を締める前にしっかり鏡で見てラインをチェックして下さい。帯は飾りでしかないので、帯に頼るのではなく、帯を締める前に直すところをしっかり直しましょう。帯をする時は帯板もプラスした方がきちっとして見えます。暑いのでメッシュの帯板を選ぶと良いでしょう。帯は好きな形に締め、最後に帯を少し下げてあげて完成です」
■着こなしに差がつく小技アイテムは?
「まず、衿を抜きたい人は下前から衿芯を入れると、綺麗に襟が抜けます。 日中から活動する方は保冷剤を背中やお腹、帯の間に入れる裏技も! 食事に行かれる時はレース足袋、麻足袋を履くとフォーマル感がアップしますし、冷えも防止出来ます。バッグは着崩れるので、ショルダーはやめましょう。 日除けも兼ねて小振りな帽子やストールを持つと上級者感アップ。下駄は薄いものは歩いて疲れるので、厚底で底がややカーブしてる方が歩きやすいです。 下駄が歩き慣れない方は必ずバンドエイドを持ちましょう」
さすが! というくらい沢山の小技を教えてくれた芝崎さん。最後に 「浴衣はやや、後ろに反るような姿勢で、身体の縦の厚みを意識して着ましょう。衿の抜けもおさまりやすくなりますよ」とのことでした。素敵な着こなしで、大人の浴衣美人を演出してみてはいかがですか?
(レタル店主/デザイナー・パタンナー ヒグチトモミ)
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