よく「お肌は内臓の鏡」といいますよね。漢方でも「内に病あれば、必ず外にあらわれる」という言われは、漢方の考え方でも古くからあり、お肌の不調が現れる場所によって、どこが弱っているかの指標とされています。今回は、にきびや吹き出物、肌のたるみや色の変化など、お肌の不調から見るインナーケアについてご紹介します。
■内臓の不調をチェックする顔マップ
顔に出るにきび、吹き出物、肌のたるみや色の変化、または表情などからも、今のあなたの不調を読み取ることができます。まずは不調が現れる顔の箇所と、不調や変調の原因になっている内蔵や器官をチェックしましょう。
■生理前に吹き出物!どこが悪い?
例えば生理前に吹き出物が出た場合、イメージできるのは「女性ホルモン」や「血」ですよね。そこで考えられるのが、女性ホルモンや、血に関連する内臓の不調や変調。そんなとき漢方では「腎」と「肝」に不調があると考えられます。役割と、不調が現れる箇所はそれぞれ下記の通りです。
「腎」
・役割:成長や老化、そして、生殖系や女性ホルモン系を司る。水分代謝、ホルモン・生殖機能を促進 。
・顔に現れる不調の箇所:フェイスライン・あご下
「肝」
・役割:血液、特に血液の貯蔵に関係。血を貯蔵し各部位に送り出す 。精神・情緒のコンディションにも関わる。そのため、生理前のイライラや情緒不安定は「肝」の影響も大いにありうると考えられます。
・顔に現れる不調の箇所:こめかみ、髪の生え際
このように、顔に出る症状で様々なことが予測することができるのです。そして、それらの症状を改善するためには、東洋医学の「肝」と「腎」に関係する経絡マッサージをオススメします。
「肝」と「腎」の不調改善経絡マッサージ
目頭と眉頭の凹みを指圧し、頭全体を拳でマッサージしましょう。特に、こめかみから耳上の側頭部、おでこから頭頂部にかけてのマッサージは効果的です。
■お肌のトラブル回避!美容家が教える3色の美肌食材
夏の日焼け回復にも効果的! 乾燥の季節に向けて、東洋医学の考え方において「お肌に良い」とされる3色の食材をご紹介します。
(1)白い食材
白の食材を摂って、お肌に潤いを与えましょう。
豚肉、甘酒(酒粕)、豆乳、豆腐、ホタテ、牡蠣、白ゴマ、キノコ、白きくらげ、蓮根、百合根、松の実 など
(2)赤い食材
血液の量と質が、お肌の良し悪しの決め手。東洋医学では、血液と同じ色の食材を摂ることで血が養われると考えられています。血液でお肌に潤いと栄養を与えましょう!
ゴジベリー(クコの実)、ベリー系、人参、血合の多い青魚、ブドウ、赤身のお肉など
(3)黒い食材
黒酢、黒キクラゲ、昆布など海藻類、黒ゴマ、黒豆など
これらの食材を積極的に取り入れ、お肌の不調や、考えられる内臓の不調ともさよならしましょう。
(美巡セラピスト&漢方美容家 余慶尚美)
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【参考】
※兵頭明監修『東洋医学 経絡・ツボの教科書』(新星出版社)