45歳前後から気になり始める「更年期」。恐れるばかりではなく、きちんと「知る」ことでハツラツとした美しさをキープしましょう。
インナービューティー料理研究家の筆者が、更年期対策のために知っておきたい「ホルモンバランスを乱すNG行動」と、ホルモンバランスを整えるために必要な栄養素や食材についてご紹介します。
■ホルモンバランスを整える暮らしの基本
睡眠不足やストレスなどに影響を受けやすい「ホルモンバランス」。睡眠や食事などの生活リズムの乱れは自律神経の乱れにつながるため、女性ホルモンの分泌にも影響します。運動不足やシャワーですませる入浴習慣も、ホルモンバランスを乱す原因につながります。
また、食生活の内容もホルモンバランスに関わる場合があります。仕事が忙しく毎日更年期対策を意識した食事ができなくても、ポイントを頭の片隅に入れておき気づいた時に無理なく実践してみてください。
ストレスをため込みすぎない工夫も大切です。
■ホルモンバランスを乱す食のNG行動
食生活の乱れや栄養不足・偏りは、集中力や抵抗力の低下や慢性疲労、慢性冷え性など、身体にさまざまな負担を与えてしまう場合があります。まずは食事のリズムを整え、栄養バランスの良い食事や身体が喜ぶ食事を心がけることを意識してみましょう。
ご紹介する8つのポイントは、全てホルモンバランスの乱れにつながります。いくつもあてはまる人は要注意です。
(1)朝ごはんをあまり食べない
朝食は体内時計を整えるためにとても大切です。日中のエネルギー源が不足すると、やる気の低下や倦怠感にもつながる場合があります。
(2)食事の時間がバラバラ
食事の間隔が長くなると、脂肪をため込みやすい身体や栄養不足につながります。
(3)ファストフードやインスタント食品をよく食べる
食品添加物は身体に負担をかけ、細胞老化(酸化)につながります。ほどほどにしましょう。
(4)甘いものが大好き
糖質・カロリー過多は代謝や栄養バランスの低下につながります。適量をたしなみましょう。
(5)水分補給をあまりしない
水分は体内をうるおし、代謝などにも使われます。季節問わず水分補給をしっかりすることが大切です。
(6)タバコがやめられない
喫煙は体内の細胞老化を促進し、生活習慣病の要因になりやすいといわれています。
(7)カフェイン入りのドリンクが大好き
カフェイン入りのドリンクを1日5杯以上飲む、就寝前にたくさん飲むという人は要注意です。デカフェやハーブティーなどもとり入れるようにしましょう。
(8)たんぱく源となる肉や魚をあまり食べない
タンパク質は新しい細胞のもとになる重要な栄養素であり、エネルギー源になります。しっかり摂りましょう。
■更年期対策におすすめの食材
細胞の老化を防ぐ「抗酸化作用の高い栄養素」が豊富な食材を毎日摂り続けることが大切です。
果物全般、野菜なら緑黄色野菜、魚ならサーモンやブリ、肉なら脂身の少ない赤身や栄養豊富なレバーなどがおすすめです。
「良質な脂質」の重要性
青魚やEXVオリーブオイルなどに豊富な「良質な脂質」は、肌や髪のうるおい成分になる他、ホルモンの原料にもなります。「魚を料理するのは面倒」という方は、手軽な刺身や〆サバ、缶詰などの加工品を活用してみてください。
40代ではまだ不調があらわれていなくても、50代前後になるとひどい更年期症状に悩むこともあるかもしれません。なので、今から改善できることから少しずつ習慣を変えていきたいですね。健康や美容のためにも、生活のなかでできることから少しずつ改善していきましょう!
(インナービューティー料理研究家 フードコーディネーター 國塩 亜矢子)
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・プレ更年期の不調に!女性ホルモン減少をケアする食事法
【参考】
※吉田企世子・松田早苗/監修(2016年)『あたらしい栄養学』高橋書店
※平田 雅子/監修(2010)『不調をなおしてキレイになる 女性ホルモン基本事典』成美堂出版
※板木利隆/監修(2008年)『からだにおいしい 野菜の便利帳』高橋書店
※吉田企世子/監修(2016年)『旬の野菜の栄養辞典』エクスナレッジ
※蒲池桂子/監修(2010年)『美肌美人栄養学』エクスナレッジ