冬が旬の根菜類は、「食物繊維」をはじめ「ビタミン」や「ミネラル」などの栄養が豊富です。身体を温める働きが期待されているものも多く、冷え予防や腸活に欠かせない存在です。
インナービューティー料理研究家の筆者が、根菜類の美容に嬉しい栄養とおすすめの調理法をご紹介します。
■身体を温める根菜類とは
根菜類といっても、食材によって栄養素や働きが異なります。「根菜類は身体を温める」とよく聞きますが、全ての根菜類があてはまるわけではありません。
冷えが気になる場合は、生姜・にんにく・ねぎなどの薬味類や、かぶ・玉ねぎ・ゆりねなどの根菜類がおすすめです。根菜類ではありませんが、血流を促進する働きのある「ビタミンE」が豊富なカボチャも、冷え対策におすすめの食材です。
これらは、薬膳の世界で「温性」と「熱性」に分類されます。
■身体が冷えやすい方が注意したい根菜類
根菜類のなかでも、大根・ごぼう・れんこんは薬膳の世界では「寒性」と「涼性」に分類され、身体を冷やす働きがあるといわれています。大根は水分が多いことからも納得できますよね。
ただ、旬の食材は旨味も強く美味しいものです。冷えが気になる方は、煮込んだりきんぴらにするなどの加熱調理をすることで心配せずにいただくことができます。
煮込み料理の場合は、身体を温める生姜を加えて調理をすると味わいも増すのでおすすめです。
■便秘対策におすすめの根菜類
さつまいも・里芋・じゃがいもなどのイモ類も根菜類に分類されます。これらは「温性」「熱性」「寒性」「涼性」いずれにも属さない食材で、身体の機能を整える働きのあるビタミンやミネラル類が豊富です。
特に、腸活に欠かせない食物繊維を多く含んでいるので、便秘が気になる時におすすめです。満腹感も得られやすいので、ダイエット中は焼き芋をおやつがわりに食べると良いでしょう。
便秘が慢性化すると腸内環境が乱れやすく、吹き出物などの肌荒れが起きたり免疫力の低下につながる場合もあります。健やかで美しい肌や身体作りのためにも、常に腸内環境を整えておくことはとても大切なのです。
■アンチエイジングに欠かせない根菜類
根菜類に豊富な食物繊維やビタミン類は、アンチエイジングにも役立ちます。
特に、じゃがいもやさつまいもに豊富なビタミンCは抗酸化作用が高く、美肌作りだけではなく免疫力アップも狙えます。人参に豊富なβ-カロテンは、乾燥から粘膜や肌細胞を守り強くする働きが期待できます。
根菜類は、冬の免疫力アップや乾燥に負けない美肌作りをサポートしてくれるのです。
根菜類によっては「糖質」を気にされる方もいらっしゃいますが、適量の糖質も身体には必要です。ビタミンやミネラルなどの身体に必要な栄養素も豊富に含んでいる根菜類を毎日の食材に上手にとり入れて、身体の内側からキレイを磨きたいですね!
(インナービューティー料理研究家 フードコーディネーター 國塩 亜矢子)
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【参考】
※吉田企世子・松田早苗/監修(2016年)『あたらしい栄養学』高橋書店
※上西一弘/著(2016年)『栄養素の通になる』女子栄養大学出版部
※板木利隆/監修(2008年)『からだにおいしい 野菜の便利帳』高橋書店
※吉田企世子/監修(2016年)『旬の野菜の栄養辞典』エクスナレッジ
※蒲池桂子/監修(2010年)『美肌美人栄養学』エクスナレッジ
※伊達友美/著(2010年)『食べる美女肌セラピー』エクスナレッジ
※平田 雅子/監修(2010)『不調をなおしてキレイになる 女性ホルモン基本事典』成美堂出版