「年齢とともに、お腹が出てきた」という経験をする人は少なくありません。
そんな「ぽっこりお腹」にも、原因によって種類があります。ご自身のタイプを知って効率良く「お腹痩せ」しましょう!
管理栄養士の筆者が、タイプ別に、お腹痩せに効果的な食材をご紹介します。
■タイプ別・お腹痩せに効果的な食材
(1)下腹部がたるんでいる【皮下脂肪が蓄積しているタイプ】
食べ過ぎや食生活の乱れ、運動不足によって、皮膚の下に脂肪が溜まります。
女性に多く、特にお腹周りや下半身に脂肪がつきやすく、脂肪は柔らかくて指でつまめるのが特徴です。
皮下脂肪は落ちにくいといわれているため、「代謝を上げる」「脂肪を燃やす」働きがある食材を積極的に摂ることをおすすめします。
効果的な食材は……
青魚に多く含まれる「DHA(ドコサヘキサエン酸)」や「EPA(エイコサペンタエン酸)」には、脂肪を燃やす働きがある「褐色脂肪細胞」を増やすことで、皮下脂肪や内臓脂肪を燃やす効果があるといわれています。
さらに、脂肪の産生を抑える働きもあるのだそう。
EPAは加熱に弱い性質があるため、「刺し身」で食べたり、煮汁ごと食べられる「汁もの」、「炊き込みご飯」などでいただきましょう。
また、ビタミンB1は糖質、ビタミンB2は脂質、ビタミンB6はたんぱく質の代謝に関与しています。
食べたものを効率良くエネルギーに変えるために、これらのビタミンB群を意識して摂取しましょう。
ビタミンB1は豚肉や大豆、玄米ご飯、ビタミンB2はウナギ、アーモンド、卵、ビタミンB6はマグロ、鶏ささみ、鶏むね肉、にんにくなどに多く含まれているため、意識して摂取してくださいね。
(2)お腹が張っている【便秘タイプ】
便秘の状態が続くと、お腹が張ってしまうため、1日1回、お通じがあるように心がけましょう。
ダイエット中に食事量を減らしている人は、便秘になりやすいため、注意してくださいね。
効果的な食材は……
「わかめ」「とろろ昆布」「キャベツ」「りんご」などの食材は水溶性食物繊維を多く含み、腸内でゲル状化して便を柔らかくする働きがあります。
便が硬い人は、意識して取り入れましょう。
また、なかなか便が出ない、という人は「ごぼう」「大豆」「きのこ」に多く含まれる不溶性食物繊維を意識して取り入れましょう。
不溶性食物繊維は、腸内で便のカサを増やして腸を刺激し、排便を促します。
(3)全体的にお腹が丸い【内臓脂肪が蓄積しているタイプ】
飲酒や脂っこい食事など、食生活の乱れや運動不足によって、胃や腸などの内臓周辺に脂肪がつくタイプです。
皮下脂肪と異なり、内臓脂肪は落としやすいといわれています。
効果的な食材は……
「お酢」を毎日大さじ1杯(15ml)摂取すると、内臓脂肪を減らす効果があることが分かっているため、「ピクルス」や、水や炭酸水にお酢を加えた「お酢ドリンク」を摂取しましょう。
また、大豆に含まれる「サポニン」も、脂肪の吸収・蓄積を抑える働きがあり、内臓脂肪減少に効果があるのだそう。
大豆はビタミンB1や食物繊維も豊富であるため、今回ご紹介したどのタイプの「ぽっこりお腹」にも効果的ですので、ぜひ毎日の食事に「蒸し大豆」や「豆腐」「豆乳」を取り入れてみてくださいね。
さらに、「グレープフルーツ」の香りには、中性脂肪を減らす働きや、体に貯めにくくする働きがあるといわれています。
グレープフルーツのビタミンC量は、フルーツの中でもトップクラスに多いため、美肌効果も得ることができ、一石二鳥といえます。
ご自身のタイプに応じたて、食事からもお腹痩せ対策をおこない、あわせて腹筋などの運動を取り入れると、より効率的かと思います。
ぜひ、「お腹痩せ」対策の参考にしてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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・実はNGな「納豆の食べ方」3つ
【参考】
※魚を食べると体脂肪が燃焼するメカニズムを解明 EPAとDHAの効果 – 糖尿病ネットワーク
※中性脂肪値を下げる!EPA・DHA効果とは? – 日本水産
※中性脂肪にEPA。検診結果が気になる方に! – 日本水産
※内臓脂肪が気になる方におすすめ!毎日約大さじ一杯のお酢 – ミツカン
※サポニン – わかさの秘密
※グレープフルーツ – わかさ生活
※佐藤和人・本間健・小松龍史 編集『エッセンシャル臨床栄養学第5版』(2009年)、医歯薬出版