皆さん衣替えはもうお済みですか? 夏物を整理する前に、何気無く行っている洗濯やクリーニング。どうやってお手入れするのが正解か、分からないこともありますよね。今さらなかなか聞きづらい洗濯やクリーニングのコツを、ファブリックケア用品ブランド「ランドレス」の広報の方にお聞きしました。
■洗濯ネームきちんと見てますか?
「まず初歩的なこととして、衣類の左脇に付いているタグを見ましょう。意外とこれを見落としている方は多いはず。これは洗濯絵表示というもので、確認すれば自ずと的確な洗濯方法がわかります」
この「洗濯絵表示」を見ずに洗濯をした場合、衣類に何かトラブルがあっても、クレームの対象外になるので要注意。ただし、最近はクレームを恐れて過剰にデメリットタグを付けているケースも多いので、素材の組成などを把握することも大事です。洗濯ネームについて詳しくは、消費者庁のwebサイトも参考にしてみてください。
■「洗濯絵表示」を確認したら、衣類を仕分け
洗濯絵表示をしっかり確認したら、いざお洗濯へ。 クリーニングに出す必要があるものと、お家で洗濯出来るものに分けましょう。
「もしドライ表記がされていても、お家で洗濯したいウールやシルクなどの素材の場合は、目立たないところへ試しに洗剤を付けて様子を見た方が良いでしょう。ただし、基本は表記通りに洗って下さいね」
■「洗濯絵表示」が変更になります!
さて、今、この「洗濯絵表示」の日本工業規格(JIS)が変更になると話題です。
「今度の変更は、国際化への対応の必要性から、ISO国際標準化機構のマークを取り入れたことです。家庭用洗濯機でも乾燥機が使われるようになったことから、現行のマークでは対応しきれないとの判断のようです」
また先述のような、消費者クレームの回避を意図した、メーカーの「洗濯絵表示の過剰表記」による消費者の混乱を避けるため、という理由もあるそう。消費者側の注意したい点としては、「洗濯絵表示」が国際標準のマークになることで、従来の「手洗い」などの日本語表記が無くなり、アルファベットとマークのみによる表記になること。また、表示の種類も従来の22種類から41種類へと増えるので、しばらくは混乱しそうですね。
■「洗濯絵表示」の変更、こんなメリットも
ただし、クリーニング表記の種類が増えることで、他の洗濯方法ができずにドライクリーニングするしかなかった衣類を、家庭で洗えるようになる可能性もあります。お子様もいるご家庭なら、出来るだけ家庭でもできる安全な洗濯方法を選びたいですよね。「洗濯絵表示」が新しくなるということは、より適切な洗濯方法が選びやすくなるということでもあるのです。
大人の女性として、洗濯表記をしっかり見て適切なお洗濯する習慣を身につけたいですね!
(レタル店主/デザイナー・パタンナー ヒグチトモミ)
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【参考元】
※家庭用品品質表示法 − 消費者庁
※繊維製品の洗濯絵表示JIS改正の検討について − 産業技術環境局 環境生活標準化推進室(PDF)
※洗濯絵表示が来年から変わります − 新潟県工業技術総合研究所