天気の悪い日が続き、日の光をあびないと気分が落ちこんでしまうことはありませんか? そんなときに活用したいのが「香り」です。
というのも、香りを感知する嗅覚は、感情や記憶、本能行動を司る部分に直接伝わるからです。
日本メンタルヘルス協会公認心理カウンセラーである筆者が、香りのもつ心理的な作用や、どのような香りを選ぶべきかについて、ご紹介します。
■香りは0.2秒以内で脳に伝わる
「香りは本能的な部分に働く」と聞いたことはありませんか?
人間の五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)のなかでも、「嗅覚」だけは他の感覚と違って、考えるときに使われ、理性が働く部分といわれる視床や大脳新皮質を通りません。
では、脳のどの部分に伝わるかというと、本能行動や感情、記憶を司る大脳辺縁系に伝わり、その速さはわずか0.2秒以下といわれています。
大脳辺縁系に香りの情報が電気信号として伝わったあとは、自律神経機能をコントロールしている視床下部へと伝わります。
自律神経は心のバランスにとって、とても重要な器官。良いと感じる香りを嗅ぐことで、副交感神経が優位になり、緊張がほぐれて気持ちも落ち着くでしょう。
気分が落ち込んでいるときの気分転換の方法のひとつとして、香りは心強い味方になりますよ。
■香りは「感性に働きかける」
香りを嗅いで「懐かしい」と感じたり、一度イヤな香りと感じるとそれを嫌いになったりしたことはありませんか?
これは、先述したとおり、香りの情報が大脳辺縁系に直接伝わるからです。
香りは「感性に働きかける」ものであり、香りの情報が伝わる脳の部分と感情を司る脳の部分が近いことから、気分を左右するといわれています。
■香りを取り入れて気分を上げよう!
香りを楽しめるアイテムは、数多く販売されています。
香りを楽しめるアイテム例
・キャンドル
・香水(ミスト・練り・クリーム・ロールオンなど)
・香木
・アロマディフューザー
・精油
・ハンドクリーム
・スキンケア
・飲食物
香るアイテムの楽しみ方
香りを楽しめるアイテムは、持ち運べるものから、家で楽しめるものまでさまざまです。
好みの香りを持ち歩くと、外出先で気分が落ち込んだときのリフレッシュアイテムとしても使えますよ。
毎日同じ香りも良いですが、心の状態により、何が心地よいと感じるかは変わります。そのため、いくつかお気に入りの香りを常備しておくのが賢い方法です。
身につける香りだけでなく、ルームフレグランスを取り入れてみるのもおすすめです。また、ピローミストを寝る前に枕元にシュッと一吹きするだけで、好きな香りに包まれながら眠りにつけるでしょう。
香りを上手に活用して、天気の悪い日が続いたときも気分を上げて楽しく過ごしましょう。ポイントは自分が心地よいと感じるかどうか。「イヤだな……」と感じる香りはかえってストレスとなるので気を付けましょう。お気に入りの香りを見つけて、憂鬱になりがちな季節を乗り切ってくださいね。
(美容ライター/心理カウンセラー 北口 慈子)
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