40・50代は、女性ホルモンの減少によって不調が増える人が少なくありません。
そこで、管理栄養士の筆者が、不調に対して食事からできる対策をいくつかご紹介します。
■女性ホルモン減少で起こる不調とは?
女性ホルモンは、自律神経や肌・骨などに対してさまざまな働きを持っており、女性が健やかな日々を送るために必要不可欠なホルモンです。
しかし、女性ホルモンは40歳頃から徐々に減少するため、心身に不調が起こりやすくなってしまいます。
イライラしやすくなる、皮膚の乾燥が気になる、疲れやすい、便秘や下痢などの不調を感じる人が多いのだそう。
生活リズムが乱れるとホルモンバランスが乱れやすくなるため、規則正しい生活を送ることが基本です。
1日3回、決まった時間に食事をすることを心がけると、自然と生活リズムが整いますよ。
■不調に打ち勝つ!食事でできる対策4つ
食事の内容や摂り方について、詳しくご紹介していきましょう。
(1)大豆製品はこまめに摂取する
大豆に含まれる「イソフラボン」は、女性ホルモンに似た構造をしていることから、女性ホルモン減少による不調に役立つことで知られています。
イソフラボンは摂り方も大切で、一度に大量に摂取するよりも「こまめに」摂取するのがベストです。
摂取してから約6~8時間で吸収のピークを迎えるため、なるべく朝・昼・夕食と何回かに分けて取り入れましょう。
豆乳、納豆、きな粉などの大豆製品は、手軽に食事に取り入れられるのでおすすめですよ。
(2)食事量を減らしすぎない
40・50代は、基礎代謝量の低下に伴い、痩せにくくなる場合があります。
食事量を減らしてダイエットに励む人もおられますが、無理は禁物です。
過度な食事制限はホルモンバランスを崩し、かえって痩せにくくなるおそれがあるからです。
さらに、女性ホルモンには脂肪を燃やす働きもあることから、ホルモンバランスが崩れて女性ホルモンの分泌がさらに低下すると、余計に痩せにくくなってしまいます。
ダイエットをするのであれば、「タンパク質(卵・鶏肉・魚など)」「食物繊維(めかぶ・とろろ昆布など)」を増やすことを意識し、「糖質(白米・パン・菓子類など)」を減らすようにしてくださいね。
(3)脂質の摂取を忘れずに
女性ホルモンの原料となるのはコレステロールであるため、適度な脂質の摂取も必要です。
脂質といってもさまざまな種類がありますが、女性ホルモンを整える目的であれば亜麻仁の摂取がおすすめ。
亜麻仁に含まれる「リグナン」という成分は、大豆イソフラボンと同様に女性ホルモンと似た働きをするため、40・50代の不調に効果的です。
亜麻仁油にはリグナンが入っていないため、ローストアマニ粉末などを取り入れてください。ヨーグルトやサラダにトッピングしていただきましょう。
また、亜麻仁油にはリグナンは含まれていませんが、血行促進効果など体に良い影響をもたらす「オメガ3脂肪酸」が含まれているため、オメガ3脂肪酸の摂取を目的に取り入れるのはおすすめですよ。
オメガ3脂肪酸は加熱に弱い性質を持つため、ドレッシングとしてサラダや冷奴にかけたり、スムージーにしたりしていただきましょう。
(4)腸活に力を入れる
女性ホルモン減少による不調に役立つ大豆イソフラボンには、実は「アグリコン型」と「グリコシド型」の2種類があり、アグリコン型のほうが体内に吸収されやすいといわれています。
アグリコン型は、グリコシド型から糖が外れた構造をしているのですが、糖を切り離すのは腸内細菌の役割であるため、腸内環境を整えて、腸内細菌にやさしい環境をつくることが大切です。
そのため、乳酸菌や味噌、食物繊維など、腸内環境を整える働きがある食品を意識して取り入れましょう。
女性ホルモン減少による不調には、ご紹介したような食事の内容・摂り方に加えて、ストレスを溜めないことや運動することなども大切です。まずは、1つからでも取り組めそうな内容を生活に取り入れてみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※更年期障害の症状・原因 – 第一三共ヘルスケア
※亜麻リグナン – わかさ生活
※イソフラボンには2種類ある?アグリコン型で摂るべき理由とは – ニチモウバイオティックス