長い間、肌にいいとされていたコラーゲンの食品での摂取が、実は効果的ではなかったというショッキングなニュースが一般に広まったのは10年ほど前のこと。それまで飲んでいたコラーゲンドリンクやサプリをやめてしまったという方も多いのではないでしょうか？　ところが、最近の研究で、実は、経口摂取のコラーゲンは、お肌のハリに効果を発揮してくれるという事実が報告されて話題になりました。今回は、その概要と、食べ物から効果的にコラーゲンを摂取できるレシピをご紹介します。

■コラーゲン摂取の効果

10年ほど前、多くの研究者は、なぜコラーゲンは、お肌に吸収されないと考えていたのでしょう？　その理由とは、次の通りです。コラーゲンを含む食品を食べると、コラーゲンは胃や腸でアミノ酸に分解されて吸収されます。アミノ酸のほとんどは、筋肉や靭帯などの細胞を作るために使われるため、お肌のコラーゲン繊維にまわることはまずないと言われていたのです。つまり、一度分解されてバラバラになったアミノ酸が、ふたたびコラーゲンとして形成されることは難しいとされていたのです。

 

■新理論!?コラーゲンでお肌は？

ところが、最新の研究により、コラーゲンはお肌にいいということがわかり、多くの研究者や美容専門家の間で話題にのぼりました。その理由とは、摂取後のコラーゲンの一部は、アミノ酸が2個または3個につながったアミノペプチドでも吸収されるというものです。このアミノペプチドは、お肌の真皮細胞を活性化させる働きに優れていることがわかりました。つまり、分解されたコラーゲンが、コラーゲンとして再び形成されることはなくても、細胞に働きかけて新しいコラーゲンやエラスチンの生成に効果を発揮してくれるというものです。それまで、多くの人がコラーゲンを摂ることで実感できていたお肌のハリがアップするという感覚は、間違いではなかったということが証明され、再び、コラーゲンを積極的に摂取する美容家が増えています。

 

■コラーゲンは食品からも摂取できる！

コラーゲンは、お肌にハリをもたらしてくれる効果でも知られていますが、関節痛の緩和、骨を丈夫にしてくれる効果、血管のしなやかさをキープして動脈硬化を予防してくれる効果など、健康への働きかけもありますので、コラーゲンを多く含む食品をご家族で召し上がってみるのもいかもしれません。コラーゲンは、牛スジ、フカヒレ、鶏ナンコツ、鶏手羽先などに多く含まれます。コラーゲンを多く含む食品の料理をご紹介します。

■コラーゲンたっぷりレシピ

鶏手羽先のトマト煮

トマトのリコピン効果との相乗効果で美肌効果抜群です！

【材料（2人分）】（※画像は1人前）
鶏手羽先         200ｇ
カットトマト　　400ｇ
トマトジュース　200ｃｃ
水　　            　150ｃｃ
固形コンソメスープの素　1個
はちみつ　　大さじ1
塩・こしょう　　少々
米油　少々

 【作り方】

1.鍋に米油（サラダ油でも可。）をしき、鶏手羽先の表面を炒める。
2.スライスした玉ねぎを入れて炒める。
3.カットトマト、トマトジュース、水の順に入れて沸騰するまで煮る。
4.ていねいにアクをとり、固形スープの素（顆粒でも可）、はちみつを入れる。
5.20分ほど煮る。
6.塩・こしょうで味を調えて出来上がり。

鶏手羽先は、醤油とはちみつで照り焼きにしても美味しくいただけます。

牛スジ肉の煮込み

圧力鍋を使えば短時間でできあがります！　作り置きレシピにぴったり。

【材料（6人分）】（※画像は1人前）
牛スジ肉　　400ｇ
糸コンニャク　1袋
大根　1/4本
水　鍋に材料がつかる分量
小口ネギ　3本分
＊調味料
醤油　50ｃｃ
みりん　20ｃｃ
三温糖　大さじ3
だしの素　大さじ1
塩　小さじ1

【作り方】
1.牛スジ肉は、いったん下茹でして臭みを抜いておく。
2.ざるにあげて、食べやすい大きさにカットする。2cmくらいが適当。
3.圧力鍋に、2.の牛すスジ肉、大根を入れ、材料がつかるくらいまで水を入れて火にかける。
4.沸騰したらアクをとり、＊の調味料を入れてフタをする。
5.圧力をかけて30分ほど煮る。
6.火からおろし、圧が抜けて鍋のふたが開いたら、お皿に盛りつけて小口ネギをのせて出来上がり。
 すぐに食べられますが、一晩おくとトロトロに！　さらに美味しくなります。

 

いかがでしたか？　ほかにも、エイヒレや鶏ナンコツなど、気軽に摂取できるものにもコラーゲンはたくさん含まれています。美容と健康のためにも、コラーゲンの摂取をご家族みんなで心がけてみてはいかがでしょうか？
（美容ライター・ヘルスフードカウンセラー・コスメコンシェルジュ／斎藤明子）

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 【参考】
※常盤薬品HP
※コラーゲンペプチド経口摂取による皮膚角層水分量の改善効果
※ジャパンフードサイエンス 55(1), 20-25, 2016-01 日本食品出版株式会社 [編]
※コラーゲンLabo.com
※ファンケル-コラーゲンを多く含む食品は何？
※わかさ生活-コラーゲン