梅雨時になると、なんとなく体の不調を感じる…そんな人は少なくないでしょう。

管理栄養士の筆者が、梅雨時の不調を改善する食材を、3つご紹介します。
■梅雨時の不調は、なぜ起こる?
梅雨の時期は、低気圧が続きます。
人の自律神経は通常、活動時に働く交感神経と、リラックスしているときに働く副交感神経がバランスを取り合って、気圧の変化に対応できるようになっています。
副交感神経は気圧が下がると働きやすくなり、常に体が休息モードになることから、低気圧が続く梅雨の時期はだるさや眠気を感じやすくなるのです。
また、梅雨時は雨が続いて湿度が高くなります。湿度が高くなると汗が蒸発しにくくなり、体の水分代謝がうまく作用しなくなります。
体に必要以上に水分が溜まると、むくんだり頭痛が起こったりし、さまざまな不調が現れる原因になるのです。
これらのことから、梅雨時の不調改善ためには、以下の2点が重要だといえます。
・自律神経を整える
・体の水分代謝を改善する
■梅雨時の不調を改善する食材3つ
ここからは、梅雨時の不調改善に効果的な食材ご紹介します。
(1)きゅうり
きゅうりは栄養がないと言われがちですが、そんなことはありません。「カリウム」が豊富に含まれています。
カリウムは、体内の余分な水分を体外に出す働きがあるため、水分代謝を改善する効果が期待できます。
カリウムは熱と水に弱い性質があるため、きゅうりは生の状態で食べるのが最もおすすめです。
あるいは、汁ごと摂取できるスープなどにしてもよいでしょう。きゅうりの冷や汁などのメニューがぴったりですよ。
(2)しそ
しそに豊富な「α-リノレン酸」は、体内で「EPA(エイコサペンタエン酸)」に変換されます。
EPAは血液をサラサラにする作用があるため、血の巡りを改善する効果が期待できます。
血行が良くなると体が温まり、汗をかきやすくなります。
発汗が促されると、体内に溜まった水分をうまく代謝できるようになるため、梅雨時の不調を改善できる可能性が高まるのです。
α-リノレン酸は体内で作り出すことができない成分ですので、ぜひ旬の梅雨時には毎日、継続的に食べてくださいね。
(3)米ぬか
米ぬかに豊富な「γ-オリザノール」という成分には、自律神経の働きを手助けする作用があるのだそう。
そのため、梅雨時にバランスを崩しやすい自律神経の働きを整えて、不調を改善してくれる可能性があります。
きゅうりなどの食材を漬けて、漬物にしていただきましょう。
また、味噌汁に炒った米ぬかを入れるのもおすすめです。コクが出て、いつもとひと味違った味噌汁を楽しめます。
3~4人分の味噌汁を作る場合、煮立った後に炒った米ぬかを大さじ2程度プラスして、調理してみてくださいね。
米ぬかには疲労回復効果のあるビタミンB1も豊富なので、梅雨時の体のだるさにも効果的ですよ。
梅雨の時期は、ジメジメして体調だけではなく気持ちも沈みがちですよね。毎日の食事を工夫して、体の内側からケアしていきましょう。
(フリーランス管理栄養士 今井尚美)
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【参考】
※『もっとからだにおいしい 野菜の便利帳』白鳥早奈英・板木利隆/監修(2009年)高橋書店
※夏におすすめ! 身体を冷やす野菜、きゅうりの秘密 – わかさ生活
※しそ – わかさ生活
※ビタミンB12 – わかさ生活
※γ-オリザノール – わかさ生活