砂糖など、糖質の摂り過ぎを気にされている方は多いと思いますが、『塩』はどうでしょうか? 一見、なんの関係もなさそうな塩とお肌ですが、実はエイジングに意外な関係が! 塩分の摂り過ぎは、骨密度の低下につながり、低い人ほどシワが深くなるとか……。『塩』とお肌は、どのような関係にあるのでしょうか。
■塩分の過剰摂取はシワを深くする!?
塩分の摂り過ぎで、ナトリウム濃度が高くなると、尿からもナトリウムを排出します。製鉄記念八幡病院の土橋副院長によれば、ナトリウムと同時にカルシウムの排出量も増えるとのこと。すると体内のカルシウム量が減少し、骨粗しょう症になるリスクが高まるそう。
骨粗しょう症以外に、カルシウムとお肌との関係も気になるところ! エール大学の研究によれば、骨密度の低い人ほど皮膚のしわが深くなり、悪化するそうなのです。骨の中のカルシウムが溶け出すことで骨密度が低下し、同時に「I型コラーゲン」も減ってしまいます。皮膚と骨は、同じI型コラーゲンで構成されているため、体内のカルシウムが減ってしまうと、しわの出現へとつながってしまうようです。
■減塩のための「三種の神器」
(1)ハーブ&スパイス
塩を減らすと、なんとなくお料理に物足りなさを感じますが、ハーブやスパイスの香りは味わいを深めます。塩分が多くなりがちなのは、ドレッシングや醤油の使い過ぎ。サラダにはハーブやスパイスを加える、冷奴には生姜やシソを添えるなど、ハーブ&スパイスの香りで食材を楽しみましょう。
(2)出汁
昆布や鰹節のうま味成分「グルタミン酸」には、脳の報酬系と呼ばれる部分を刺激して、気持ちを満足させる効果があります。お味噌汁も塩分過剰になりがちですから、しっかりと出汁をとって減塩を心がけましょう。
※「グルタミン酸」と「グルタミン酸ナトリウム」は異なりますので、ご注意ください。
(3)酢
酢を加えることで味が引き締まり、塩を減らすことができます。また酢に含まれるクエン酸には、カルシウムの吸収をサポートする作用もあり一石二鳥。酸味が苦手な方は、赤酢やバルサミコ酢など、酸味の少ない酢でチャレンジしてみて!
日本人の平均食塩摂取量は約10g。減塩目標は6gとされていますが、健康な方であれば8g以内を目標にすると良いと言われています。お肌のためはもちろん、健康な身体作りのためにも三種の食品を活用して、減塩を目指してみてはいかがでしょうか。
(美養フードクリエイター 岩田 麻奈未)
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【参考】
※予防医学だよりvol.1 – MSD(PDF)
※女性の顏のしわと骨密度に関連性、米研究 – AFPBB News
※成分情報 酢 – わかさ生活
※成分情報 グルタミン酸 – わかさ生活