料理が冷めてしまったとき、電子レンジにかければすぐに温かさを取り戻すことができます。作りたての料理の美味しさには及びませんが、十分に満足できる味になります。料理や食材を温めるとき、ほとんどの場合はラップで覆ったり包んでから加熱しますが、実はラップをすると味が落ちてしまうものがあります。今回は、料理研究家の筆者が【電子レンジで温めるときにラップが必要ないもの】をご紹介します。
■電子レンジ使用時のラップの役割
電子レンジは電磁波により食材に含まれる水の分子を振動させ、摩擦によって熱を起こして温めています。食材をそのままの状態でレンジにかけると水分が蒸発してしまうので、ラップはそれを防ぐためのもの。また、ラップを使用することで熱を逃がさず、食材全体に素早く熱を通すことができます。
■ラップをしなくていいもの
・揚げもの
揚げものにラップをして電子レンジにかけると、蒸発した水分が逃げ場を失い、それを衣がふくんでしまいます。すると、水気の多いビチャッとした食感になり、せっかくのサクサク食感が台無しに。中華まんなどを温め直す際も、注意しないとパン生地のふかふかの食感が水分で損なわれてしまいます。
・汁もの
コーヒーや牛乳といった飲みものは、水分が多少飛んでも支障ありません。ただ、レンジ内の汚れやニオイの原因になります。スープやみそ汁であれば問題はありませんが、カレーやシチューといったニオイの強いものはラップの使用をおすすめします。それと、汁ものは突沸現象が起きやすいので、温めすぎには注意です。
・ごはんもの
チャーハンやピラフといった料理は、パラパラっとした食感が求められるので、ラップをしなくてもいい場合があります。ただ、個人の好みにもよります。
また、冷めてしまったごはんを温める際はやはり、ラップをすると水分で米がべチャッとしてしまいます。しかし、すでに水分がなくなってしまったようなごはんの場合は、数滴の水を振りかけてラップをしたほうがいいです。ごはんに関しては、状態によって調節が必要です。
いかがでしたか? 電子レンジを使うときは、ラップをしておけばいいだろうというのは安易な考えです。美味しく食べたいのであれば、温めるのにも工夫が必要です。
(料理研究家/オガワ チエコ)
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