紫外線による刺激は、シミの元となるメラニンの生成を促したり、コラーゲンを破壊する酵素を活性化したりなど、お肌にダメージを与える存在。さらに「しわ血管」と呼ばれる、しわの原因となる血管をも作り出してしまうってご存知でしたか? 紫外線は、生活するうえで避けて通ることのできない存在です。しわ血管を予防するには、どうしたら良いのでしょうか。
■「しわ血管」ってなに?
しわ血管とは、過度に紫外線にさらされることで、真皮に多数出現する血管のこと。血管が多くなれば、血流量が増えお肌に良い影響がありそうですが、実は紫外線の刺激によって発生した血管は、お肌にマイナスの側面が大きいよう。なぜかというと、新しくできた血管を通じて、お肌の弾力を保つ「エラスチン」を分解する酵素が真皮層に集まってしまうからだそう。集まった酵素がエラスチンを分解すると、しわの原因となってしまうのです。
■「しわ血管」予防に摂りたい食べ物3つ
(1)クロレラブルガリス
血管ができてしまう原因のひとつに、血管新生促成因子「VEGF」が関わっています。紫外線の刺激は、VEGFを増やし新しい血管を作ってしまいます。が、「クロレラブルガリス」に血管の増殖を抑える因子「TSP-1」を増やす作用があるそうですよ。この他、クロレラには皮膚の血流を増加させ、水分蒸発を抑えてもくれるそうですから、乾燥ケアにもおすすめ。クロレラには20種類以上の品種があるのですが、日本で培養で生産されるクロレラの殆どがブルガリス種だそうです。
(2)ポリフェノールの多い食べ物
コハク酸は、腸内細菌によって発生する有機酸のひとつ。広島大学の研究によれば、血管新生を抑制する働きがあるとのこと。蕎麦に多く含まれる「ルチン」や、ベリー類に含まれる「エラグ酸」、お茶に含まれる「カテキン」など、ポリフェノールを多く摂ることで腸内のコハク酸濃度が高まるそう!ポリフェノールに共通してみられる働きに抗酸化力がありますから、積極的に摂って◎。
(3)貝
貝類に含まれる旨み成分も「コハク酸」。日常的に貝類を食べることでも、血管新生を抑制する働きが期待できるそうですから、シジミやアサリのお味噌汁も習慣にしたいですね。
血管がお肌に悪影響を与えるとは意外! 紫外線は一年中降り注ぎ、避けて通ることのできない存在ですから、外側からのケアはもちろん、内側からのケアも心がけたいですね。
(美養フードクリエイター 岩田 麻奈未)
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【参考】
※血管がしわを誘発?! − 資生堂
※貝類のうま味成分コハク酸の疾病予防作用の発見 − 広島大学院生物圏科学研究科 分子栄養学研究室 原口智彰 加糖範久(PDF)
※研究レポート – サン・クロレラ
※クロレラの種類 – 八重山殖産