「なんだか顔色が冴えない気がする」……そんなお悩みがある方は、ひょっとすると肌のくすみが原因かもしれません。肌がくすむと顔色が悪く見えたり、老けて見られたりと残念な印象を与えることもあります。
いきいきとしたイメージを与えるためにも、明るい素肌をキープしたいものですね。今回は、肌のくすみの原因と対処法をご紹介します。
■目次
1.あなたはどれ?肌のくすみの5つのタイプ
2.肌のくすみの原因
3.肌のくすみへの対処法
(1)「血行不良タイプ」は睡眠と冷え対策を
(2)「乾燥タイプ」は水分重視の保湿ケアを
(3)「メラニンタイプ」はターンオーバーの正常化とUV対策を
(4)「ターンオーバーの乱れタイプ」は規則正しい生活と保湿ケアを
(5)「黄ぐすみタイプ」はバランスのよい食事とUVケアを
4.肌のくすみを防ぐスキンケア
5.肌のくすみをカバーするメイク方法は?
(1)「血行不良タイプ」はピンク
(2)「乾燥タイプ」はイエロー
(3)「メラニンタイプ」はオレンジ
(4)「ターンオーバーの乱れタイプ」はイエロー
(5)「黄ぐすみタイプ」はパープル
■1.あなたはどれ?肌のくすみの5つのタイプ
肌のくすみと一口にいっても、そのタイプはさまざま。適切に対処するためには、まず自分のくすみがどんなタイプなのかを見極めることが大切です。ここでは、タイプごとの特徴を見てみましょう。
(1) 血行不良タイプ
血行不良によるくすみは、肌が青黒く見えるといわれています。疲れている印象を与えたり、顔が暗く見えたりする方が多いようです。
(2)乾燥タイプ
あらゆるトラブルの原因となる乾燥は、顔色にも影響を与えることがあります。肌の透明感が失われ、ツヤがなくカサカサした印象になった場合は、乾燥によるくすみが起きている可能性があります。
(3)メラニンタイプ
褐色のメラニンが過剰に発生したり、肌に蓄積されたりすると、茶色いくすみが起こることがあります。色ムラが生じるケースもあるでしょう。
(4)ターンオーバーの乱れタイプ
肌の生まれ変わり(ターンオーバー)の周期が乱れ、角質が厚くなることによって起こるくすみです。加齢によって肌に古い角質が蓄積されると、顔が灰色っぽく見えることがあります。
(5)黄ぐすみタイプ
食事の影響でくすみが強くなることもあるようです。肌の明るさがなくなり、黄みが強くなっていく場合は、糖質や脂質のとりすぎが背景にあるかもしれません。
■2.肌のくすみの原因
くすみはタイプによってさまざまな変化をもたらします。その原因は何なのでしょうか。肌のくすみを起こす原因について調べてみましょう。
(1)睡眠不足
血行不良によってくすみができている方は、徹夜や睡眠不足が原因になっている可能性があります。睡眠不足によるくすみが発生する方は、目の下にクマもできることが多いでしょう。
(2)冷え
血行不良によるくすみは睡眠不足だけでなく、身体の冷えが引き起こしていることも。血のめぐりが悪くなり、血色の悪い肌に見えてしまうケースがあります。
(3)乾燥
肌のうるおいが不足するとツヤが失われます。ツヤのある肌は内側から光っているような印象を与えますが、反対に、うるおいのない肌は暗い印象を与えてしまいます。
(4)紫外線
肌が紫外線を浴びると、そのダメージを防ぐために、メラノサイトからメラニン色素がつくられます。メラニン色素は褐色であるため、角質にたまると、どんよりとした顔色に見えてしまうことがあります。
メラニン色素がさらに蓄積されると、シミの原因にもなります。
(5)カルボニル化
肌が黄色っぽくくすんでいる場合は、カルボニル化が起きている可能性が考えられます。
カルボニル化は、体内のタンパク質と脂質の分解物が結合によって起こるタンパク質の変性のこと。紫外線などの影響で活性酸素が発生し、それによって皮脂が酸化することで黄色くくすみます。
(6)糖化
黄ぐすみはカルボニル化だけでなく、糖化でも起こります。糖化とは、タンパク質と活性酸素によって酸化した糖が結合すること。カルボニル化と糖化は似ていますが、カルボニル化は酸化した脂質、糖化は酸化した糖と結合するため、原因が異なります。
■3.肌のくすみへの対処法
くすみの原因がわかったら、対処法も見えてくるものです。タイプごとに適した対処法をご紹介します。
(1)「血行不良タイプ」は睡眠と冷え対策を
血行不良によって起こるくすみには、原因となる睡眠不足や冷えの対策を取り入れましょう。
睡眠は入眠から3時間は熟睡できるような睡眠環境を整え、そのうえで十分な睡眠時間を確保してください。
また、冷えを防ぐには、普段から温かい飲み物や食べ物をとること。服装や室温管理で冷えないように心がけることが大切です。
加えて、運動の習慣づけも欠かせません。血行がよくなると頬が自然と赤らみ、血色のよい肌色になりますよ。
(2)「乾燥タイプ」は水分重視の保湿ケアを
乾燥対策には保湿がマスト。化粧水で惜しみなく水分を与えたら、乳液やクリームでその水分をしっかりと閉じ込めましょう。
肌がうるおいに満ちることによってカサつきがおさまるだけでなくツヤも生まれ、いきいきとした印象になります。
(3)「メラニンタイプ」はターンオーバーの正常化とUV対策を
メラニンの色素が肌に蓄積されている場合は、ターンオーバーが乱れている可能性があります。ターンオーバーを整えて古い角質を落とすことによって、肌が明るく見えるでしょう。
また、今のくすみを消そうとするだけでなく、くすみにくい肌をつくることも大切です。紫外線のダメージは積み重なっていくため、毎日のUV対策が重要といえます。
(4)「ターンオーバーの乱れ」タイプは規則正しい生活と保湿ケアを
ターンオーバーは加齢によって遅れていくため、若い頃のようなサイクルを目指すのは難しいところ。しかし、睡眠不足や生活習慣や食生活の乱れ、ストレスなどの影響で乱れることがあるため、ストレスをためずに規則正しい生活を送ることが大切です。
また、ごわつきが気になるからといって、ホームケアでピーリングを行うとトラブルを招いてしまうことが。無理に角質をはがそうとするよりも丁寧に保湿を行い、肌のうるおいを保つほうが理想的です。
(5)「黄ぐすみタイプ」はバランスのよい食事とUVケアを
糖や脂質の酸化が招く黄ぐすみを改善するには、糖質や脂質をとりすぎないように注意したいもの。ですが、それだけでなく食事のバランスに気をつけることも必要です。
ビタミンをたっぷりと摂り、特定の食品に偏らない、彩り豊かな食事を心がけましょう。加えて、日焼け止めをこまめに塗りなおすなどUVケアの意識も不可欠です。
■4.肌のくすみを防ぐスキンケア
くすみを防ぐうえで保湿は欠かせません。水分をたっぷり与えてみずみずしい肌をキープしましょう。
(1)摩擦には要注意!ハンドプレスでやさしくお手入れ
スキンケアで注意したいのが、摩擦や刺激になるお手入れです。化粧水や乳液、クリームなどを塗るときは、手のひらで包み込むようにやさしく行ってください。
スキンケアの摩擦がダメージになると、スキンケアそのものがくすみの原因になってしまう可能性があります。
(2)抗酸化物質が配合された化粧品を取り入れる
ビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質が配合された化粧品を使うのもひとつの手です。カルボニル化や糖化の原因となる活性酸素の影響をおさえるうえで役立ちます。
(3)エイジングケアは総合的に
くすみは肌そのものの影響だけでなく、食事や生活習慣の積み重ねが反映されて起こります。エイジングケアとしてくすみ対策を考えるのであれば、生活スタイル全体を見直してみましょう。
■5.肌のくすみをカバーするメイク方法は?
食事や生活習慣、スキンケアの見直しは大切ですが、すぐに結果が現れるものではありません。メイクでもカバーしながら、じっくりと素肌から明るい肌を目指しましょう。メイクでくすみをカバーしたいときは、コントロールカラーが活躍します。
(1)「血行不良タイプ」はピンク
青黒く見えるくすみには、ピンクのコントロールカラーがおすすめです。肌色が明るくなるだけでなく、やわらかな雰囲気になります。
(2)「乾燥タイプ」はイエロー
乾燥による暗い印象のくすみには、イエローのコントロールカラーを。健康的な肌色を演出します。
(3)「メラニンタイプ」はオレンジ
茶色いくすみは、オレンジのコントロールカラーでカバーしましょう。暗く見えていた部分が明るく見えます。
(4)「ターンオーバーの乱れ」タイプはイエロー
灰色がかったくすみには、イエローのコントロールカラーがよいでしょう。ターンオーバーが乱れているときは乾燥も起こりやすいので、イエローを持っておくと便利でしょう。
(5)「黄ぐすみタイプ」はパープル
黄ぐすみはパープルのコントロールカラーで透明化アップをねらいましょう。上品な雰囲気に仕上がります。
肌のくすみにはさまざまな原因が潜んでいますが、そのどれもがすぐに変化が期待できるものではありません。原因を突き止めて対処法を試してみても、効果を感じられない方も多いでしょう。
スキンケアや食事、生活習慣は見直しに時間がかかるものです。メイクでの対処法を利用しつつ、長いスパンをかけて対策してみてくださいね。
(コスメコンシェルジュ 古賀令奈
フリーライター/エディター/コスメコンシェルジュ。美容・ヘルスケアを中心として「わかりやすく試しやすい」をコンセプトに執筆。日本化粧品検定1級コスメコンシェルジュを取得し、美容法の提案活動も展開。)
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