紫外線を浴びつづけていると肌にダメージが蓄積していき、肌が「夏バテ状態」に陥るといわれています。
「夏バテ肌」の予防に効果的な食材と、その理由について、元ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントのエリカ・アンギャルさんにお聞きしました。
■どうして「夏バテ肌」になってしまうの?
「光老化」という言葉も浸透し、肌への影響が広く知られるようになってきた紫外線ですが、実は7〜8月といった真夏だけでなく、5月頃から多く地上に降り注いでいます。
紫外線をたくさん浴びると体内で「活性酸素」が大量に発生し、肌細胞を攻撃します。細胞の機能が低下すると、肌の調子も低下します。肌がいわば「夏バテ」している状態となり、シミやシワを引き起こすのです。
さらに、紫外線は身体の夏バテを引き起こす一因でもあるので、元気に夏を楽しむためには注意と対策が必要になります。
■肌と身体の夏バテを予防するには、抗酸化成分の摂取を
紫外線による活性酸素の発生を予防するためには、抗酸化成分が含まれる食品を積極的に摂りましょう。
なかでも、「オリーブオイル」は抗酸化成分が豊富で、ポリフェノールやスクアレン、ビタミンEを筆頭に、30種類以上もの抗酸化成分が含まれています。
抗酸化成分は種類によって体内で作用する場所が異なるので、種類の異なる抗酸化成分を同時に摂取することは、身体全体の抗酸化につながるといえます。
■「エクストラバージンオリーブオイル」は、食べる高級美容液!?
オリーブオイルのなかでも、エクストラバージンオリーブオイルには、通常のオリーブオイルに含まれない微量成分の「クロロフィル」や「ポリフェノール」が多く含まれており、より抗酸化に効果的といえます。さらに、生活習慣病の予防にも役立つなど、健康面でもうれしい効果がたくさんあります。
エクストラバージンオリーブオイルのすぐれた特徴のひとつに、一緒に食べた食材の栄養吸収を促進し、脂溶性ビタミンの栄養吸収率を高めるということがあります。
脂溶性ビタミンとは、ビタミンA・D・E・Kの4つで、この内、ビタミンA・D・Eには、高い抗酸化作用があります。そういった意味では、まさに高級美容液と同じような美肌作用があるといえると思います。
■オリーブオイルを摂取している人はシミ、シワが少ない!?
2012年にフランスで45~60歳の約3000人の男女を対象に行った調査では、日々の食生活にオリーブオイルをとり入れている人たちは、紫外線による肌の老化、シミ、シワなどが著しく少なかったという報告があります。
また、紫外線の影響で減少しがちな「エラスチン」が最も多かったという結果も出ています。エラスチンは肌の弾力の元で、衰えるとシミ、シワの原因になります。
■抗酸化成分たっぷり!低GIのヘルシーレシピ2選
エリカ・アンギャルさん考案の抗酸化成分たっぷりのヘルシーレシピをご紹介します。一品目は蒸し暑い時期に嬉しい冷たい麺です。
(1)アボカド納豆そば
出典:「和食の食べ方を知れば、女性はもっと美しくなれる、エリカアンギャル著、学研プラス」
日本の代表的な麺のひとつ、そば粉から作られる「そば」は、食物繊維が多く含まれ、血糖値の上昇が緩やかな低GI食品です。そのうえ、抗酸化作用の高いポリフェノールの一種である「ルチン」も多く含んでいます。
具材のアボカドは、「ビタミンE」をはじめとした7つのビタミン群やミネラルなどの多くの栄養素を含むスーパーフードです。発酵食品である納豆も、「大豆イソフラボン」をはじめ抗酸化成分が豊富です。
エクストラバージンオリーブオイルはビタミンEなどの脂溶性ビタミンの吸収をブーストしてくれるので、さらなる抗酸化につながります。
材料(2人分)
・十割そば(乾麺) 160g
・納豆 2パック
・アボカド 1/2個
・抹茶パウダー 適量
・ポン酢、醤油 大さじ1
・エクストラバージンオリーブオイル 小さじ1
めんつゆ
・だし汁 1/2カップ
・たまり醤油 大さじ2
・みりん 大さじ2
作り方
(1)鍋にみりんを入れて煮立てアルコールを飛ばしてから、だし汁、たまり醤油、みりんを加えて、ひと煮立ちさせます。粗熱がとれたら、冷蔵庫で冷やしておきます。
(2)アボカドは薄切りにし、納豆にポン酢と醤油を混ぜておきます。鍋にたっぷりの湯を沸かし、そばを表示通りに茹でたらざるに上げ、流水でもみ洗いして水気を切ります。
(3)器にそばを入れ、(2)を乗せたら(1)をかけます。オリーブオイルを回しかけ、抹茶パウダーをふって完成です。
(2)具沢山味噌汁
出典:「和食の食べ方を知れば、女性はもっと美しくなれる、エリカアンギャル著、学研プラス」
二品目は、腸活に役立つ発酵食品と抗酸化成分が同時に摂れるレシピです。忙しい朝でもこれ一品で栄養バランスの良い食事が叶います。
発酵食品である味噌は腸内環境を整え、お通じを良くする効果も期待できます。味噌はどんな食材とも相性が良いので、具材はその時に冷蔵庫にある野菜でOKです。
いつもの味噌汁の仕上げにエクストラバージンオリーブオイルをプラスするだけでも、良質な脂質を摂ることができます。
具沢山な味噌汁を作っておけば、忙しい朝でも「タンパク質」「食物繊維」「脂質」「抗酸化成分」をバランスよく摂取することができますよ。
材料(2人分)
・玉ねぎ 1/3個
・かぼちゃ 60g
・にんじん 1/4本
・ブロッコリー 1/4個
・白菜キムチ 40g
・木綿豆腐 1/3丁(100g)
・ツナ水煮缶 1缶
・だし汁 2カップ
・味噌 大さじ1と1/2
・エクストラバージンオリーブオイル 大さじ1/2
作り方
(1)玉ねぎは薄切り、かぼちゃは一口大に切り、にんじんは7〜8mmの半月切りにします。ブロッコリーは小房に分け、キムチはざく切り、豆腐は水気を切っておきます。
(2)鍋にエクストラバージンオリーブオイルを中火で熱し、キムチを炒めて香りが立ったら、玉ねぎ、かぼちゃ、にんじんを入れて炒め、フタをして弱火で1〜2分蒸らします。
(3)全体につやが出たらだし汁を加えて強火で煮立て、豆腐を手でちぎって入れ、ブロッコリーも加えて中火で2〜3分煮ます。
(4)味噌を溶き入れ、水気を切ったツナを加えて火を通したら、器によそって完成です。
日に日に強まる紫外線。毎日の食事に抗酸化成分を積極的に摂り入れて、夏バテに負けない肌と身体を手に入れましょう。
(つやプラ編集部)
【エリカ・アンギャルさん プロフィール】
元ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタント/シドニー工科大学卒業、健康科学学士
2004年から8年間、ミス・ユニバース・ジャパン公式栄養コンサルタントとして、世界一の美女を目指すファイナリスト達に「美しくなる食生活」を指南。栄養学、薬理学、生理学など予防医学における幅広い専門知識を駆使し、”内側からより美しく、心も身体もすこやかに輝く”をテーマに、ハッピーな毎日のための食とライフスタイルを発信している。著書に『世界一の美女になるダイエット』(幻冬舎)、『スーパーモデルの食卓』(宝島社)などがある。
【関連記事】
・腸活に役立つ「チョコレート」の選び方&食べ方って?
・ 納豆にちょい足しで効果倍増!?「納豆に加えたい食材」3選
・甘酒のNG飲み方とは?栄養士が教える「甘酒のとり方」
・納豆も!?腸活に役立つ「味噌汁に入れたい食材」5つ