美容に携わる様々なプロフェッショナルの方に、美を更新し続ける秘訣を伺うインタビュー。
今回は、オリジナルの化粧品の開発や香水診断などを行っているビューティプロデューサーの牧野和世さんに、いつでも好調な肌をキープするお手入れ法や、年齢と共に現れる不調との付き合い方について聞きました。
40代半ばで訪れた体調の変化。ネガティブにならずに受け入れて
ーーサロンでの香水診断やオリジナルの化粧品開発など、多方面でご活躍の牧野さんですが、年齢にともなう体調の変化などはありましたか?
今、48歳なんですが、44歳くらいをピークに大きな身体の変化がありましたね。
更年期障害が早めに出たようで、閉経に向かって出血がすごく増えました。出血がひどくて、貧血になったり、髪の毛が抜けたり。
ーーそれはホルモンのバランスが変わってくるから?
そうですね、あとは子宮筋腫があるので、その影響もあると思います。
ーーそれが44歳くらいのことですか?
43歳くらいからですね。どんどん出血が増えていって、44歳くらいがピークだったと思います。
ーー不調の具体的な内容としては、出血が増えたり、抜け毛が増えたりということですか?
あとは、体力がなくなったと感じたのと、身体がだるくて今まで動けていたのに動けないとか。そういう変化も感じました。
ーーそういった不調に関して、婦人科の先生などに相談していましたか?
もちろんしていて、閉経に向けて出血が増える人もいるというお話しでしたね。あとは筋腫の位置の影響もあると言われました。
出血がひどかった時期は貧血もあって辛かったのですが、女性なら誰しも通る道なので、あまりネガティブに捉えないようにしていました。もちろんハッピー!ではないのですが、まぁしょうがないか、という心持ちで過ごしていましたね。
年齢による体調不良があっても肌は好調だった訳は毎日のお風呂にあり?
ーーそういう状況の中、肌の調子はいかがでしたか?
肌は日ごろからお手入れをしているからか、ほとんどトラブルが出ませんでした。なので、インタビューなどのお仕事も普通にしていましたね。
ーー肌が不調に陥らなかったのは日頃のどんなケアが功を奏したと思いますか?
それはなんといってもお風呂ですね。これは絶対! あとは絶対に身体を冷やさないことです。
お風呂は一年中、毎日朝晩、必ず湯船に浸かっています。これは年齢による不調などと関係なく、肌をきれいにしたいと思う方全員におすすめしたいですね。
ーー毎日、しかも朝晩ですか! 何分くらい浸かればいいですか?
目安としては「おでこにじんわり汗をかくくらい」と言っているんですが、汗をかくまでいかなくても、湯船に入るのと入らないのとでは、身体の調子が変わってきますよ。
ーーお風呂に毎日朝晩入ってる時間がないという人はどうしたらいいですか?
湯船に浸かる時間が短くてもしっかり温まる「ホットタブ」のような入浴剤を入れるといいと思いますよ。私も冷えて本当に辛い時は10粒くらい入れてしまいます。
年齢を重ねると代謝が悪くなってきて汗をかきにくくなるので、お風呂でしっかり汗をかいて老廃物を出すためにも、そういったアイテムを活用するといいですよね。
あとは、日々忙しくて時間がない人は、湯船の中でメールやLINEの返信打つとか。寝る前と起きた後、たいていの人がメールチェックをしますよね、それを湯船の中でするんです。
それに、朝、湯船に浸かるのは100秒でいいんです。それだけで肌がもちもちになりますよ。
あっためもスキンケアも「自分が気持ちがいいか」が大切
ーー半身浴ですか? それとも全身浴ですか?
私は全身浴ですね。温度も好きな温度でいいんです。よくぬるめのお湯がいいなど聞きますが、個人の好みやライフスタイルによって違うと思うので、「自分が気持ちいいと思うか」を基準で考えればいいと思います。
大人の美容で大切なのは「気持ちいい」「楽しい」を増やすこと。あとはラクなことも重要!
ーー100秒なら朝でも入れそうですね。
そう、パッと100秒浸かるだけでも肌が変わってきて、もちもちとした若々しい肌になる気がしますし、メイク崩れもしにくくなるんです。それに、疲れにくくなると思いますね。
私は元々アレルギー体質でアトピーも喘息もあって肌も弱いのですが、冷やさないようにして変わりました。
お守りコスメを用意して予防的にケアすれば、揺らぎにくい肌に近づく!
ーーアレルギーがあるということですが、季節の変わり目やホルモンバランスの乱れなどで、肌が揺らいだ時はどのようにお手入れをしていますか?
肌が不安定になっている時は、とにかく強いものを使わないようにしています。
肌に優しくて肌が喜ぶ、自分にとって気持ちがいいものを選ぶといいと思います。コスメを選ぶ時に、自分の肌が荒れにくいアイテムをリストアップしておくといいですよ。
私はそれを「美の宝箱」と呼んでいるのですが、用意しておくと、肌が揺らいだ時にはそれに戻ればいいという安心感がありますから。そろそろ季節の変わり目で肌が荒れそうだなという時は、その中から選ぼうというようにするんです。
肌が荒れてしまってからどれがいい?と選ぶのは大変ですし、荒れてしまってから対処をしても遅いんですよね。
ーー確かに肌が荒れてしまってから合う化粧品を探すのは難しいですよね。
毎年この時期は肌が揺らぎがちというのを覚えていて、事前に化粧品のスイッチなどをするようにしていると、だんだんと揺らぎにくくなってくると思います。肌って不思議で、トラブルを起こさない状態がしばらく続くと、突然にきれいになたりするんですよ。ある日突然、グッと肌の状態が上がるんです。
肌力アップのためにも、揺らぐ前に予防的にケアを始めることをしてみて欲しいですね。
美肌への第一歩は「スキンケア前の手洗い」から始まる
ーー肌が揺らいでいる時に気をつけた方がいいことを教えてください。
絶対に手を洗ってから肌に触れること!
スキンケアの前に手を清潔にすることが一番大切だと思います。
あちこちに触れた手で肌に触れるのは、ホコリや雑菌を肌につけているのと同じこと。当たり前のことなんですが、案外やっていない人も多いと思います。
ーー確かに見落としがちかもしれません。気をつけなくちゃ。牧野さんご自身は40代半ばからエイジングによる変化を感じ始めたというお話でしたが、美容面で変えた事はありますか?
とにかく保湿を増やしています。化粧水を増やしていますね。つやプラ世代こそ化粧水をたっぷり入れることが必要だと思います。
ーー化粧水をつけるのは手ですか? それともコットンですか?
コットンも手もどちらもありますね。しっかり浸透させたいと思う時はコットン、バシャバシャ使いたい時は手でつけることが多いです。
ただ、肌が荒れている時は必ず手です。コットンの繊維で荒れてしまう人もいますし、保管している時にコットンにホコリがついてしまって、それで荒れる人もいます。
肌が荒れている時は、きちんと手を洗って、手でつけるのが安心だと思います。
ーー肌状態によって使い分けるんですね。
生理周期を味方につければ、もっときれいになれる!
美容面で変えたことは、色々な化粧品を試すことをやめました。
仕事上、必要な範囲ではもちろんしますが、基本的に自分の顔につけるものは大きく変えないようにしています。ちょっとアイテムを足すくらいで、ルーティンで決まっているものは変えないですね。
ーー肌自体がホルモンバランスの影響などで変化している時期だからですか?
そうです。女性として変化してる時期だから、あまり大きく変えるとそれについていけないと思うので。特に強いコスメは肌が負けることもありますし。美容液は目的に合わせて、しっかり使うようにしています。
ーーエイジングケアのようなものを投入する時は美容液で投入していますか?
美容液で投入することが多いです。
ただ美容液を新たに使う時は、必ず排卵期の時期にします。排卵期は肌が吸収しようとしている時期なので、基本的にはトラブルが起こりにくく、新しいコスメにトライするのに向いているんです。
ーーなるほど! 生理周期を意識してスキンケアをするんですね。
特につやプラ世代は、色々と考えながらやるといいと思いますね。若い時は何を使っても割と大丈夫で効果も出やすかったですが、40代になると肌が全く受け付けないというようなことも起こりやすくなるので。
ーー生理周期と肌リズムなどについて、次回さらに詳しく伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
【牧野和世さん プロフィール】
香水コーディネーター・ビューティプロデューサー
美容ライターとして約10年の活動を経て、現在では数々の女性誌、Web、TV等でビューティ企画のコーディネートや監修を行う傍ら、大手コスメブランドの商品開発やコンサルティング、アドバイザーとしても活動。コスメをはじめ、皮膚科、内科、東洋医学、サプリメントなどにも精通。国内外の美にまつわるさまざまな情報を発信している。香水に関する見識も高く、その人の魅力を引き出す“香水診断”は人気殺到。日本フレグランス大賞最終審査員。著書に『キレイもかわいいも思いのまま! 1秒でモテる香水テクニック』(KADOKAWA)。
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