冬は、年末年始をはさんで仕事が忙しくなったり、冷えによる血行不良が増えたりなどして、疲れが溜まりがちな季節です。疲れが溜まると、免疫力が低下したり、肌のコンディションが整わないこともありますよね。
管理栄養士の筆者が、冬を体調良く過ごすために、冬の疲れにおすすめの食材についてご紹介します。
■冬は疲れやすい?”冬バテ”の原因とは
冬は室外の気温が下がりますが、暖房器具で室内は暖かく、その寒暖差から自律神経が乱れ、だるさやむくみ、イライラ感などの不調を感じることがあるといわれています。
また、冷えによる血行不良も、疲れやすい原因の一つ。体のすみずみにまで血液が巡らず、老廃物を回収する働きも低下するため、疲れが溜まりやすくなってしまいます。
入浴や睡眠、軽い運動で対策をするのもおすすめですが、毎日摂る食事から、冬の疲れにアプローチしてみましょう。
■冬の疲れに摂りたい食材3選
(1)春菊
春菊には、強い抗酸化作用があるβカロテンが豊富に含まれています。
βカロテンは、体内でビタミンAに変換され、粘膜や皮膚を丈夫に保つ働きがあります。疲れが溜まっている時は、免疫力が低下しやすく、肌荒れすることも多いため、粘膜や皮膚を丈夫に保つことで対策をしましょう。
春菊に含まれるβカロテンの量は、ほうれん草や小松菜など、他の青菜に比べても多いので、お疲れの時には春菊を食べるようにしてみてください。
鍋によく使う春菊ですが、炒め物や生のままサラダでいただいても美味しいですよ。
(2)バナナ
自律神経を整えるためには、脳の神経伝達物質であるセロトニンを増やすことが大切です。
セロトニンは、トリプトファンというアミノ酸から作られますが、バナナはトリプトファンを手軽に補給できる食材です。
また、炭水化物とビタミンB6は、セロトニンの合成をサポートする働きがあるため、トリプトファンとあわせて補給するのがおすすめ。胚芽パンには炭水化物とビタミンB6が含まれているので、バナナとあわせて、手軽かつ効率よくセロトニンを増やすことができますよ。
(3)かぼちゃ
かぼちゃにはビタミンEが多く含まれていて、血管を広げて血液の流れを良くする働きがあります。
全身の細胞に酸素や栄養が行き渡ることで、代謝が良くなり、老廃物が溜まりにくくなるため、冬の疲れにはビタミンEを積極的に補給することがすすめられます。
野菜の中でも、かぼちゃはトップクラスにビタミンE含有量が多く、冬に旬を迎えるのでおすすめです。
また、かぼちゃにはβカロテンやビタミンCも多く含まれていますが、いずれも抗酸化作用があり、あわせて摂ることで相乗効果があるといわれています。美肌効果や免疫力UPにも適した食材ですね。
年末年始をはさんで何かと忙しく、自分のために時間を割くことが難しい時期が続きますが、体調を崩してしまっては元も子もありません。ぜひ、冬の疲れにおすすめの食材を日々の食事に取り入れて、体の内側からケアしてみてください。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※その疲れ、「寒暖差疲労」かも? – 小林製薬
※かぼちゃ – わかさ生活
※トリプトファン – わかさ生活
※ビタミンE – わかさ生活
※板木利隆 監修『からだにおいしい野菜の便利帳』(2010年)高橋書店