目の下に現れる線、「ゴルゴ線(ゴルゴライン)」と呼ばれるものについて、聞いたことはありますか? つやプラ読者の皆さんなら知っているであろう、マンガの主人公「ゴルゴ13」がネーミングの由来です。
たくましく、男らしさを想像させる「ゴルゴ線」ですが、そんな女っぷりを下げるシワとはお別れしたいものです。
美容家、顔ヨガインストラクターである筆者が自ら実践し、ゴルゴ線をリセットしたテクニックをお伝えします。
■1.ゴルゴ線(ゴルゴライン)とは?
目頭の下から斜め下に伸びる線は「ゴルゴ線(ゴルゴライン)」または「ミッドチークライン」などと呼ばれています。ゴルゴ線が目立つと、疲れ顔、老け見え顔になるのが特徴です。気になり始めた方は、早めの対処をおすすめします。
■2.ゴルゴ線ができる主な原因
(1)表情筋の衰えによる頬のたるみ
顔には約60種類の表情筋があり、さまざまな表情をつくりだしています。表情筋は頭蓋骨の上に筋肉があり、皮膚で覆われています。そのため、表情筋が衰えると、下垂して顔全体がたるんで見えます。
ゴルゴ線は目まわり・頬の筋肉(下眼瞼筋・大頬骨筋・小頬骨筋)の衰えが関係しています。
表情筋が衰えやすい生活習慣
「パソコンやスマートフォンを長時間使用する」「あまり会話をしない」「笑わない」「無表情でいることが多い」など、表情筋を動かす時間が少ない人は、筋力が低下するだけでなく、血液やリンパの流れも悪くなり、肌の新陳代謝も低下して、くすみ・ムクミを生じやすくなります。そのため、こういった生活習慣には注意が必要です。
(2)加齢による真皮の弾力低下
肌のハリ・弾力は、真皮を支えるコラーゲンやエラスチン、新しい線維を生み出す線維芽(せんいが)細胞がカギをにぎっています。
真皮全体の約70%をコラーゲン線維が占めています。年齢とともに、新陳代謝リズムが低下し、線維芽細胞が減り、新しい元気な細胞を生み出す力が衰えて、ハリ・弾力が低下します。
また、紫外線や酸化、糖化などの影響も、真皮線維の変性や弾力の低下を招きます。そのため皮膚表面を支えきれなくなり、シワやたるみといったエイジングサインが現れます。
(3)脂肪の下垂
皮下脂肪も、年齢とともに代謝機能が衰えると肥大化し、ハリのなくなった皮膚の部分にムクミと共に蓄積しやすくなり、ゴルゴ線を目立たせます。
(4)表情グセ
鼻まわりにシワを寄せて笑うクセがある人は要注意! 笑った時に目頭の下あたりにくぼみができている人は日々の表情グセでゴルゴ線を刻む恐れがあるため、気をつけましょう。
■3.ゴルゴ線をリセットする簡単マッサージ
ゴルゴ線ができている方に多いのが、顔のコワバリ、頬まわりのコリです。対策としては、表情筋をほぐしてゴルゴ線の予防とリセットを促す簡単マッサージが効果的です。とても簡単なので、顔に疲れを感じたらぜひ行ってみてください。
(1)緩める
表情筋の緊張やコワバリをやさしくほぐして緩めます。
両手指先を揃えて薬指の腹が鼻の横にあたる位置に置きます。指をピタっと肌に密着させたまま、筋肉をほぐすように内側から円を描くようにゆっくりと動かします。
(2)コリほぐし
よりピンポイントに顔のコリをほぐしていきます。
両手の人差し指の第二関節を曲げ、ゴルゴ線まわりにゆっくりと10秒位圧をかけて、コリをほぐします。
■4.ゴルゴ線をリセットする顔ヨガ3つ
(1)頬のたるみを上げる「キングスマイル」
頬の筋肉を鍛えて、頬のたるみを予防します。
(1)まず、下唇を巻き込み、あごを出します。
(2)(1)のまま、目線を上にして、10秒キープします。
(3)(2)のとき、頬に指を添えて持ち上げるようにして筋肉を意識すると、頰の高さがキープできます。
(2)頬の筋肉を鍛える「マントヒヒの顔」
頬と目まわりを同時に鍛えるポーズです。
(1)頬に4本の指を横に揃えてあてます。
(2)唇を歯に巻きつけて、ゆっくり眩しい顔をするように目を細め、指で頬の筋肉が動いているのを感じます。これを5~10回くりかえします。
(3)目のまわりのたるみを上げる「デカ目プッシュ」
パソコンやスマホなどで疲れ目を感じたら、目まわりの疲れをリセットしましょう。同時に目元の眼輪筋を鍛えられるポーズです。
(1)目をパッチリ大きく開けます。
(2)まぶたで眼球をギューっと押して目の奥の筋肉を刺激します。これを6秒×3回くりかえします。
■5.肌のハリを取り戻すための対処法
(1)スキンケア
肌の乾燥は、エイジングを招く最大の原因になります。保湿を一番に心がけ、肌を乾燥させないことが、ハリを保つポイントになります。化粧水、乳液、美容液などで十分にケアを行い、うるおいのある肌は、日焼けの影響も受けにくく、バリア機能も保たれます。
(2)紫外線対策
紫外線対策は、一年を通して欠かさないようにしましょう。ハリを低下させる原因となる紫外線A波は、一年中ジワジワと降り注いでいます。休日に外出をしない時も、窓越しの紫外線で「うっかり日焼け」をするため、家にいる日もUVケアを忘れないようにしましょう。
(3)睡眠
質のいい睡眠は美肌を育てます。入浴や、寝る前の軽いストレッチ、頭皮マッサージ、アロマなどでリラックスして、心地よい空間で良質の睡眠をとるよう心がけましょう。
(4)食事
日ごろ食べているもので、身体や肌はつくられます。良質なタンパク質(アミノ酸)、ビタミンA、C、E、イソフラボンなどをバランスよく摂取して、身体の中からも若々しくハリのある肌を目指しましょう。
にっくきゴルゴ線ですが、諦めずに表情筋トレーニングや肌の弾力ケアなど、ひとつでもできることからコツコツと習慣化することで、未来の顔は変わります。
今、やるか、やらないかが、5年後・10年後の顔が大きく変化する分かれ道かもしれません。
予防のためにもおすすめの方法ですので、「ゴルゴ線」を予防したい方も、ぜひトライしてみてくださいね。
(美容家/コスメコンシェルジュ/顔ヨガインストラクター 市川愛子)
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【参考】
※小西さやか 著、日本化粧品検定協会 監修「日本化粧品検定協会公式 1級・2級対策テキスト コスメの教科書」(2013年)主婦の友社
※エイジングケアの革新的成分「アスタキサンチン」 – コーセー
※プロテオグリカンの高い機能性 – あおもりPG推進協議会
※iP ショット – コスメデコルテ