春になり、新しい環境や人間関係に神経をつかい、疲労がたまっている……という方も少なくないのでは。
医師の溝口徹先生によると、うつと間違えられがちな疲労感のなかには、栄養素が不足している可能性もあるのだそう。
春に増える「新生活疲労」の原因と対策について、栄養療法に詳しい医師の溝口徹先生にお聞きしました。
■ストレス&がんばりすぎで「現代版・栄養失調」に!?
「新生活疲労」とは?
溝口先生によると、「新生活疲労」は、就職や転勤、昇進などをきっかけに、まわりの期待に応えようとやる気満々だった人が、突然朝起きられなくなる、一晩寝ても疲れがとれず元気がなくなる、という、春に増える疲労症状のことだそう。
うつと間違いやすいこれらの疲労感は、実は栄養失調で起きている場合が多い、と溝口先生は指摘しています。
ビタミンBとミネラルの大量消費で疲労感が増幅
「責任感とプレッシャーから、必要以上に仕事に集中すると、神経の働きを正常に保つ働きのあるビタミンBやミネラルを大量に消費してしまいます。その結果、エネルギー不足が起こり、強い疲労感や抑うつ感を引き起こします」
「三食食べていて、カロリーは足りているのにビタミンやミネラルを摂ってもとりこめない現代版栄養失調を起こしてしまうのです」
春にやりがち!ビタミンBを過剰に消費してしまう行動とは?
(1)気合が空回りしてストレス過多に
(2)歓迎会に会食……過剰なアルコール摂取
(3)糖質多めの簡単な食事ばかり
「がんばりすぎてストレスを蓄積していることに加え、アルコールを過剰に摂取すると、ビタミンBを大量に消費してしまいます。さらに、炭水化物メインの糖質の多い食事が続くと、代謝のためにビタミンBが消費され、疲労感が長引いてしまうのです」
■まじめな人ほど要注意!?「新生活疲労」を起こしやすい人の特徴
・性格
「性格的にはまじめで、何にでも一生懸命頑張ってしまう方、集中すると何時間でも一つのことに没頭してしまう方は、特にビタミンBが過剰に消費されるので注意が必要です」
・職業
「職業別で言うと、システムエンジニア、ゲームクリエーター、編集者、コピーライターなど、長い時間、同じ画面や書類を集中して読み込んだり、作ったりする職業の人は注意が必要です」
■ビタミンB不足を防ぐ食生活とは?
・アルコールを過剰摂取しない
・糖質をとりすぎない
・タンパク質多めの食事を心がける
「全ての血中栄養素欠乏症の予兆として、『疲労感・抑うつ感』があります。その予兆に対して、早めの対処が必要です」
食生活を見直しても症状が改善されない場合には、重症化する前に、気軽に受診することが大切だそう。
「新生活疲労」だと感じたら、気の持ちようだと見過ごさず、まずは食生活から見直してみては。(つやプラ編集部)
【溝口徹先生 プロフィール】
新宿溝口クリニック院長(栄養療法専門)。「9割の人が栄養不足で早死にする! 40代からのまわりが驚くほど若くなる食べ方」や「脳の栄養不足が老化を早める!」という著書があり、日本で初めて栄養療法専門クリニックを開業し、長年、疲労の患者さんの治療にあたっている。
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