腸活に「プレバイオティクス」が効果的であることは以前から報告されていますが、近年は「シンバイオティクス」が注目されています。
すでに医療機関などでは利用されていますが、美容やダイエット、腸活に興味がある人の間でもシンバイオティクスが話題となっているようです。
管理栄養士の筆者が、「シンバイオティクス」についてご紹介します。
■「シンバイオティクス」とは?
シンバイオティクスとは、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」をあわせて摂取することです。相乗効果が得られることが報告されています。
プロバイオティクス
腸内細菌叢のバランスを整え、体に良い影響を与える生菌です。口から摂取し、腸に届くと腸内環境を整える、病原菌が増えるのを抑えるなどの効果が期待されます。
例
・乳酸菌
・ビフィズス菌
プレバイオティクス
消化されずに腸に届き、有用な腸内細菌を増やす、または活性化させるものです。
例
・オリゴ糖
・不溶性食物繊維
・水溶性食物繊維
「シンバイオティクス」は、「プロバイオティクス食品とプレバイオティクス食品を一緒に摂取することや、両方の作用をもつ機能性食品を摂ることで、腸内環境を改善する」という新しい“腸活”です。
■シンバイオティクスが身体にもたらす影響とは?
以下の働きなどが期待されています。
・腸内環境を整える
・免疫力を高める
■シンバイオティクスのおすすめの食べ方
例えば、プロバイオティクス食材である「ヨーグルト」「味噌」「納豆」と、プレバイオティクス食材である「豆類」「海藻類」「果物」「きのこ」をそれぞれ一緒に食べると、シンバイオティクスという食べ方になります。
ヨーグルトなどにはプレバイオティクスとプロバイオティクスの両方が入っている商品もあるので、利用してみるのも良いですね。
腸活におすすめ シンバイオティクスを意識した簡単レシピ「豚肉と野菜たっぷり味噌汁」
材料(2人分)
・豚肉 100g
・豆腐 1/4丁
・キャベツ 50g
・しいたけ 2枚~4枚
・にんじん 1/3本
・ごま油 小さじ1
・だし汁 400ml
・みそ 大さじ2
作り方
(1)豚肉を一口大にカットし、鍋にごま油をひいて炒めます。
(2)にんじんはくし形に切り、キャベツはざく切り、しいたけは薄くスライスし、切った野菜を鍋に加えます。そこへだし汁を加え、野菜が柔らかくなるまで火にかけます。
(3)豆腐を1cm角にカットし、鍋に加えます。ひと煮立ちさせたら、火を止めてみそを溶き入れます。
(4)再度火をつけ、沸騰する直前で火をとめます。
(5)器に盛り、お好みでねぎを散らしたら完成です。
プロバイオティクスである「味噌」、プレバイオティクスである「キャベツ」と「きのこ」を摂取できます。寒い季節は、あたたかい味噌汁で一息ついてみてはいかがでしょうか。
■悪玉菌を増やさないことも大切
シンバイオティクスを意識していても、ジャンクフードやお菓子をたくさん摂取している場合は要注意です。悪玉菌のエサになってしまうことがあります。
また、たんぱく質やアミノ酸も悪玉菌のエサになるため、肉中心で野菜摂取量が少ない人も注意しましょう。
魚や豆腐、卵など、さまざまなたんぱく質食品を摂取するようにしてください。野菜に含まれる食物繊維は、便の排出を促す=悪玉菌がつくる有害物質を排出するため、積極的に摂取したいですね。
効率よく腸活するためには、NG食品を摂取していないか見直すことも大切です。シンバイオティクスという腸活の新常識を、ぜひ意識して食事をしてみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井尚美)
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【参考】
※シンバイオティクスって? – サンスター
※シンバイオティクス(synbiotics) – 腸内細菌学会
※腸内フローラを整える方法!腸活! – 大正製薬