冬は乾燥による手荒れに悩まされる方が多いと思います。特に、今年は感染症対策として手洗いやアルコール消毒を例年よりも頻繁に求められ、手肌は非常に過酷な環境にさらされています。
手荒れにはいくつか種類がありますが、「乾燥により起こる手荒れ」が身近に起こる手荒れのひとつです。乾燥を放置すると、肌のバリア機能が低下し、手湿疹などの他の手荒れの原因にもなりかねません。
乾燥を防ぐというと”ハンドクリーム”を塗ることを一番に思い浮かべる方が多いと思いますが、ハンドクリームによる保湿の前に、いかに手肌を乾燥させないかが、手荒れを防ぐ重要なポイントです。
美容ライターの筆者が、乾燥による手荒れを防ぐために今日からできるポイントをご紹介します。
■乾燥による手荒れを防ぐためのポイント5つ
(1)手を洗う際の水の温度に気をつける
以前と比べて明らかに手洗いの回数が増えたと感じている方は多いと思いますが、手洗いの際の水の温度に気をつけたことはありますか?
寒い時期は温水で手を洗う機会が増えますが、温度の高い温水で手を洗うと、肌のうるおいを保つ成分や必要な皮脂が流れ出やすくなります。
外出時の手洗いは、温度設定ができないケースが多いので仕方がないのですが、自宅や温度調節ができる環境では、体温ほどのぬるま湯で洗うようにしましょう。
(2)ペーパータオルの摩擦に注意
感染症対策の一環として、ペーパータオルの普及が進んでいますね。自宅や職場がタオルからペーパータオルに変わった方も多いと思います。
ここで気をつけたいのが、ペーパータオルによる摩擦です。
タオルと同じように、両手でペーパータオルを挟んでゴシゴシとこするように拭いている方をよく見かけますが、タオルと比べてペーパータオルは肌への摩擦が大きくなります。摩擦による肌への刺激は、肌を乾燥させる原因のひとつとなるので、注意が必要です。
こするのではなく、やさしく押さえるように拭くことで、摩擦を軽減することができます(タオルの場合も、同じ方法で拭く方が摩擦が少なくなるのでおすすめです)。
(3)水仕事の際は手袋を着用
家事は水仕事が多いですよね。手袋をするのが面倒で、つい素手でお皿洗いなどの水仕事をしてはいませんか?
素手だと水が冷たいので、温度の高い温水にしている方もいらっしゃるでしょう。しかし先ほどお伝えしたように、温度の高い温水は乾燥を招くので、手肌にとってよくありません。
また、盲点となりやすいのが「洗濯」です。常に水に触れているわけではないので水仕事のイメージがないかもしれませんが、洗濯は手にとって過酷な水仕事です。
衣類を洗濯ネットや洗濯機に入れる際に、乾いた繊維に手が触れると、手の水分と皮脂をもっていかれる場合があります。さらに、洗いあがった衣類を干す際、シワを伸ばしたり形を整えたりすると大きな摩擦が生じ、肌を保護するために必要な皮脂がとられてしまうこともあります。
お皿洗いなどの水仕事だけではなく、洗濯物をする際も、手袋を着用するようにしましょう。
(4)湯船に手を長時間浸けない
冬は湯船に浸かる日が増えると思いますが、手を長時間湯船につけていると、うるおいを保つ成分や皮脂が流れ出てしまう場合があります。手指は日中に摩擦による刺激を受けやすく、身体の部位のなかでもうるおいを保つ成分が特に流れ出やすい箇所です。
また、指先がふやけるまで湯船に浸かると、肌のバリア機能が低下しやすく、それを補うために肌が硬くなると、ひび割れなどの原因につながることもあります。
湯船に浸かることは身体にとって良いことが多いのですが、手首から先だけは長時間浸けないようにすることが、手肌の乾燥を防ぐポイントとなります。
(5)就寝時には通気性の良い手袋を
肌が乾燥しやすいという方は、就寝時に手袋を着用することをおすすめします。ハンドクリームをたっぷり塗ったうえから、綿やシルクといった天然素材の手袋をつけてみましょう。
筆者のおすすめは「シルクの手袋」です。シルクは、人の肌組成と構造が似ているアミノ酸成分「セリシン」を含んでいるため、肌なじみがとても良いのが特徴です。
また、吸湿性や保湿性、放湿性にとてもすぐれているので、手肌にとって快適な湿度を保ってくれます。
保湿力の高いハンドクリームを探し求めたり、こまめにハンドクリームを塗ったりと、つい保湿することに目がいきがちなハンドケアですが、まずは乾燥させないことが大切です。今回ご紹介したポイントを気にかけてみてくださいね。
(美容ライター/美容ブロガー/メイクアップアドバイザー/DNA栄養学ジュニアアドバイザー/GEN INE認定講師 伊早坂 美祐)
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