腸内環境を整えることが美容と健康の要であることは、広く知られるようになりました。近年の研究では、腸内環境と免疫力も深くかかわっていることが分かっています。寒くなるこれからの季節、身体の中から免疫力を高めるには、水溶性食物繊維「イヌリン」が欠かせません!
美容と健康に役立つ食スタイルを提案して16年の美養フードクリエイターである筆者が、「イヌリン」の魅力と効率的な摂り方をご紹介します。
■腸内環境と免疫力の関係
私たちの腸内には、さまざまな細菌が棲んでいて、私たちの食べたものをエサに活動をしています。その細菌のなかでも、私たちの身体によい働きをする菌たちが、善玉菌と呼ばれています。
善玉菌のなかには、水溶性食物繊維を分解する際に短鎖脂肪酸を作りだすものがあります。この短鎖脂肪酸は、免疫細胞に働きかけて私たちの身体を守る抗体の産生を促し、免疫力をサポートしていますから、腸内環境を良い状態に保ち、かつ水溶性食物繊維をとって短鎖脂肪酸を作りだすことが、免疫力アップにつながります。
■最強!水溶性食物繊維「イヌリン」とは
水溶性食物繊維は、一見して食物繊維と分かるスジっぽい不溶性食物繊維と違い、海藻のねばねばや、柑橘系フルーツに多く含まれるペクチン、ごぼうなどに含まれるイヌリンなど、サラサラ、ねばねば、トロトロした食物繊維です。
水溶性食物繊維の中でも、イヌリンは、100%腸内細菌のエサとなり、短鎖脂肪酸の産生に役立つ水溶性食物繊維です。
■イヌリンを多く含むおすすめ食品3つ
(1)チコリ
小さな小さな白菜のような形をしたチコリ。あまり馴染みのない野菜かもしれませんが、身近な野菜のなかでは一番多くイヌリンが含まれています。
食物繊維の1日の推奨量は、成人女性で18gです。50gのチコリには約8gの水溶性食物繊維が含まれていますから、不足しがちな水溶性食物繊維を補うには最適な野菜です。そのままカットしてサラダで食べると良いでしょう。
(2)ごぼう茶
ごぼうもイヌリンが豊富な野菜です。ですが、調理するのは少し面倒に感じる方が多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのがごぼう茶です。イヌリンは水溶性食物繊維で、お茶に溶けだしますから、お茶で手軽にイヌリンを摂ることができます。
(3)玉ねぎ
玉ねぎにも、比較的多くのイヌリンが含まれています。玉ねぎには、イヌリンのほかオリゴ糖や不溶性食物繊維も含まれていますから、バランスよく食物繊維をとることができます。また、とても身近な野菜でいろいろな料理に使うことができるので、毎日少しずつ水溶性食物繊維をとるには良い野菜ですね。
調理する際には、水にさらすとイヌリンが流れ出てしまいますから、水にさらさずに使いましょう。
寒くなるこれからの季節、イヌリンを多く含む食べ物を毎日の食生活に取り入れて、免疫力をサポートしたいですね。
(美養フードクリエイター・中医薬膳師 岩田まなみ)
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