保湿剤として人気の処方薬「ヒルドイド」。巷では「究極のアンチエイジングクリーム」とも呼ばれているようですね。処方箋がないと手に入らない医療用医薬品ですが、話題になっているということもあり、使用してみたい方も多いのでは? そんな方に向けて、今回は処方箋がなくても手に入り、ヒルドイドと同等の効果が期待できる市販薬と、その見分け方について、薬剤師である筆者がご紹介します。
■ヒルドイドとは?
ヒルドイドは「ヘパリン類似物質」という有効成分を0.3%含む薬の商品名。「クリーム」「ソフト軟膏」「ローション」「ゲル」の4種類が存在し、マルホ株式会社が製造販売しています。ヘパリン類似物質を0.3%含む医療用医薬品はいくつかありますが、先発医薬品として昔から医療で使用されています。保湿や血行促進の効果があり、アトピー性皮膚炎などの患者にも処方されています。
■ヒルドイドと同等の効果が期待できる市販薬の見分け方
ヒルドイドは、医師が診察して治療に必要であると判断した場合に処方されるもので、誰でも簡単に購入できるものではありませんが、ドラッグストアや通販などで購入できる市販薬には、ヒルドイドと同じ有効成分が同量配合され、同様の効果が期待できるものもあります。市販薬の成分表に、下記の表記がされているかどうか確認しましょう。
ヒルドイドの有効成分と配合量
ヒルドイドの有効成分と配合量は下記になります。
・有効成分……ヘパリン類似物質
・配合量……0.3%
これと同じものが、ヒルドイドと同等の効果が期待できる市販品であると考えられます。
■ドラッグストアで買える!?「ヒルドイド級クリーム」
それでは、実際に市販品の一例を挙げてみます。
HPクリーム/ノバルティスファーマ
慢性的な乾燥性炎症が起きやすい肌の、保湿をするクリームです。血行促進作用もあり、血流をよくすることで皮膚の再生を促します。
(25g、税込価格1,280円/60g、2,380円)
アットノン ジェル/小林製薬
有効成分のヘパリン類似物質が、皮膚の炎症を鎮めて正常化機能を回復させ、角質を保湿して柔軟性を取り戻すことで傷跡を目立たなくします。手指の荒れや子どもの乾燥した皮膚にも、効能・効果が期待できます。
(15g、税込価格1,404円)
いかがでしたか? 有効成分が同じでも、添加物は異なるものがほとんどのため、使用感は異なる場合があります。また、中には「ヘパリン類似物質」が配合されていても同量でなかったり、違う有効成分が一緒に配合されているものも。それらを「ヒルドイドと同じ」と考えないようにしてください。ぜひお気に入りの一品を見つけてみてくださいね。
(薬剤師・抗糖化美容研究家 花田真理)
【関連記事】
・秋冬30代・40代におすすめ!美容家が選ぶ「ツヤ肌化粧下地」5つ
【参考】
※HPクリーム – ノバルティスファーマ
※OTC医薬品 乾燥性皮膚炎治療薬「HPクリーム」新発売 – ノバルティス ファーマ
※アットノン ジェル – 小林製薬