つやプラ世代に関心が高い「アンチエイジング」。しかし、さまざまな情報を知っていたとしても、忙しい毎日ではなかなか生活にとり入れることがむずかしいというところが本音ではないでしょうか?
ずぼらだけど国際薬膳調理師の筆者が、今日からすぐできる老け対策のための3つの食習慣をご紹介します。
■「腎(じん)」の働きが老けを左右する!?
薬膳のベースになっている中医学(中国伝統医学)では、老化と関係が深い臓腑を「腎(じん)」といいます。ですので、腎の働きが低下すると身体の衰えを感じやすくなると考えます。
まずは、あなたの今の腎の働きをチェックしてみましょう。
□髪のボリュームが減った、白髪が増えた
□上半身はのぼせ、下半身は冷える
□なかなか疲れがとれない
□やる気がでない
□腰痛・膝痛が気になる
□皮膚が乾燥する
上記項目にいくつあてはまりましたか? このリストに多くチェックがつくと、腎の働きが低下しているサインです。
腎は「アンチエイジングの臓腑」
そもそも、腎は成長・発育を担当する臓腑で、別名「アンチエイジングの臓腑」とも呼ばれています。また、親から受け継いだエネルギーを貯蔵しておく場所でもあります。
私たちは、この腎に蓄えられたエネルギーを使って日々生きていますので、歳を重ねるごとに腎のエネルギーは減少傾向にあります。腎のエネルギーが減ることで白髪や抜け毛、足腰のだるさ、冷え、のぼせ、疲れやすさなどを感じやすくなります。
また、この腎による変化は女性の7の倍数の年齢で変わっていき、28歳でピークを迎えます。そこから35歳、42歳、49歳と働きが弱まっていくので、つやプラ世代の方の腎の働きが弱まっていることは自然のことです。
■老け対策のために始めたい3つの習慣
歳を重ねるにつれて腎の働きが弱まることは自然なことですが、食事や暮らし方で腎の働きが少しでも低下しないように工夫することはできます。その1つとして、腎精の不足を補う補腎(ほじん)食材をとり入れることです。
むずかしいことは覚えなくてOKです。以下の食習慣を今の生活のなかにとり入れてみましょう。
(1)ナッツを食べるなら夕方5時~7時
中医学では、「子午流注(しごりゅうちゅう)」という体内時計のようなものがあります。その子午流注によると、夕方5時は「腎」の時間になります。せっかく補腎食材を食べるのであれば、この時間帯に食べると効率的に腎を補うことができます。
この時間におすすめの食べ物はナッツ。特に「カシューナッツ」と「くるみ」を食べましょう。ナッツのなかでも補腎作用が期待できます。
帰宅前や夕飯作りの前にまずはナッツと心がけて、習慣化していきましょう。
(2)飲み物は「黒豆茶」!1日に1回は「黒すりごま」を料理にトッピング
つやプラ世代の方にぜひともとり入れていただきたいものが「黒豆」です。“老化対策には黒い食材”というのは中医学では昔からいわれていますが、黒ゴマ、黒きくらげ、黒豆がその黒い食材となります。
特に白髪にお悩みの方は、黒い食材を毎日の生活にとり入れましょう。まずは飲み物を黒豆茶に変更し、黒すりごまをストックして料理に使う習慣をつけましょう。
筆者はどんな料理にも黒すりごまをかけていますが、忙しくてインスタントの味噌汁に頼る時でも黒すりごまをたっぷり入れます。香りとコクがでてとても美味しいのでお試しください。
(3)ブロッコリーの胡麻和えを副菜にプラス
野菜を食べるなら「ブロッコリー」がおすすめです。腎の働きを高めて、胃腸系システムである「脾(ひ)」の働きを高めてくれます。
腎の働きを高めることも大事なのですが、栄養を吸収して全身に届ける脾が元気でないと栄養をチャージすることがむずかしいです。ブロッコリーは脾と腎の働きを高めてくれますので、ぜひともとり入れてください。
筆者イチオシのメニューは、レンジで簡単に完成する“ブロッコリーの胡麻和え”。切ったブロッコリーを水を少し入れた器に入れてラップをして3分ほどレンジで加熱します。その後、ごま油、レモン汁、塩、たっぷりのすり黒ゴマを和えたら完成です。
忙しい毎日のなかでキレイと元気を育むためには、いきなりハードルをあげず、いつもの習慣を少しだけ変えるという意識から始めてみると継続できるはずです。まずはご紹介したなかの1つをとり入れることから始めてみてくださいね。
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口 ゆうみ)
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【参考】
※栗原毅・中山貴弘・陳志清・菅沼栄・楊暁波/監修(2016年)『漢方・中医学がわかる本』宝島社※坂口珠未/著(2018年)『老いない体をつくる中医学入門』幻冬舎※日本中医食養学会/著(2019年)『食養生の知恵 薬膳辞典 食物性味表』燎原書店