暑い季節は体力の消耗も激しく、スタミナをつける食事を意識する必要があります。“スタミナをつける”というと、高カロリーで体重も増えそうな食材を食べるイメージがありますが、40・50代は体型維持も気をつけたいところです。ではどうすればいいのでしょうか?
管理栄養士の筆者が、40代・50代女性におすすめの“太りにくく”かつ“スタミナをつける”食事について、ご紹介します。
■体力低下で“オバ見え”?その理由とは
体力低下により疲れた状態が続くと、姿勢が悪くなるほか、意識していないと表情も暗くなりがちに。いずれも、実年齢よりも老けて見える原因となってしまいます。
まずは、毎日の食事でスタミナをつけていきましょう。
■栄養士がすすめる!スタミナUP食事術4つ
(1)肉を“しゃぶしゃぶ”で食べる
豚肉に多く含まれるビタミンB1は、糖質の代謝を活発にして体が必要なエネルギーを作り出すため、疲れを溜めたくない時に効果的です。
豚肉には良質なたんぱく質も含まれるため、スタミナUPに効果的です。
肩ロースや豚モモ肉は、ビタミンB1が多く脂質が少ない上、しゃぶしゃぶにすることでさらに余分な脂質をカットすることができますよ。
ただし、ビタミンB1は水溶性なので、茹でたあとは水にさらさずに、ザル等の上で冷ましてください。
また、ビタミンB1は、ネギやにんにくに含まれる“アリシン”と一緒に食べると吸収率が良くなるため、つけだれにはにんにく・ねぎをたっぷり入れていただきましょう。
(2)鉄分補給を意識する
鉄は、酸素を運ぶヘモグロビンの構成成分です。不足すると細胞に酸素が運ばれず、持久力がなくなり疲れやすくなります。
血液の流れが悪くなるため、体が冷えやすくなったり、顔色が悪くみえたりして、美容面にも悪影響を及ぼします。
ひじきや小松菜などにも鉄は含まれますが、吸収率が良い動物性食品を意識しましょう。
特におすすめなのは、「カツオ」「マグロ」「あさり」などの魚介類。脂質が少なくたんぱく質が多いため、筋肉量の維持や、肌・髪の健康維持にも効果的です。
鉄は、ビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が上がるため、すだちやレモンをかけていただきましょう。
また、胃酸の分泌が活発だと吸収率が上がるので、「よく噛んで食べる」「梅干し等酸っぱいものを一緒に食べる」などの工夫も良いですね。
(3)黒酢を利用する
黒酢に含まれるクエン酸は、乳酸などの疲労物質を分解して疲れを解消してくれます。
また、黒酢には肌などの新陳代謝を活発にするほか、シミの原因をへらす働きがあるアミノ酸が多く含まれているため、積極的に取り入れましょう。
コップ1杯の水または炭酸水に、黒酢大さじ1杯を加え、お好みの量のはちみつで飲みやすく仕上げましょう。
水を牛乳に変えると、酸で牛乳がヨーグルトのようになって腹持ちが良く、牛乳のたんぱく質も摂取できるので、試してみてください。
(4)糖質も忘れずに
スタミナをつけたい時に忘れてはいけないのが、糖質です。
脳の唯一のエネルギー源は糖質ですし、筋肉は運動時に糖質を燃やしてエネルギーを生み出します。
頭を使うにしても体を動かすにしても、集中して作業したい時には適度な糖質が必要なのです。
かぼちゃには糖質が含まれ、食物繊維やビタミンEなど美容や健康に良い栄養素も多く含むため、糖質の補給におすすめです。
疲れやすく、スタミナがないと感じるときには、かぼちゃを取り入れてみてくださいね。
“スタミナをつける食材”は、実は日常に取り入れやすいものが多いことが分かります。夏こそ体力低下を避けて、エネルギッシュに過ごしましょう。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※黒酢 – わかさ生活