日差しが強い季節になると、シミが気になりますよね。日傘やスキンケアなど外側からのケアは意識されているかと思いますが、食事の方も気を配らないとシミを招きやすくなってしまいます。
とはいえ、むずかしく考えなくてOKです。実は、いつも食べている「納豆ご飯」がシミ対策になるのです。
ずぼらだけど国際薬膳調理師の筆者が、納豆がシミ対策になる理由と、納豆にちょい足しするとさらに効果アップが期待できるレシピをご紹介します。
■シミができやすい人とは?
薬膳のベースになっている中医学(中国伝統医学)においては、「血(けつ)」の巡りが悪いとシミやそばかすができやすくなると考えます。
聞き馴染みがない言葉かもしれませんが、中医学では血という物質が肌にうるおいや栄養を与える役割をしていると考えます。そのため、血の巡りが停滞して肌に充分な栄養が届けにくくなると、老廃物が溜まりやすくなり肌の代謝が悪い状態になってしまいます。その状態の肌に紫外線ダメージを受けることで、黒色メラニンが集中してシミができやすくなってしまうというメカニズムです。
なので、紫外線を浴びてもシミができやすい人とできにくい人の違いは、血の巡りがスムーズかどうかということがカギとなります。
■血の巡りをセルフチェック
血の巡りは食事や暮らし方によって左右されます。まずは、あなたの血の巡りがスムーズかどうか、以下の項目をチェックしてみましょう。
□肩こりや頭痛もちである
□目の下のクマが気になる
□あざができやすい
□青い血管が目立つ
□顔の色が暗い
このチェックに当てはまるものが多ければ多いほど、血の巡りが悪いサインです。
シミをできにくくするためには血の巡りをスムーズにする食事や暮らし方を心がける必要があります。まずは、滞っている血の巡りをスムーズにさせる食材をとり入れることから始めてみましょう。
■納豆でシミ対策
血の巡りを良くする食材はさまざまですが、筆者の一押しは「納豆」です。納豆には血の巡りをスムーズに巡らせるほかに、身体を温め胃腸の働きを高めることも期待できます。
なぜ、胃腸の働きを高めることと温めることがいいのかというと、胃腸の働きが低下すると血の巡りが滞りやすくなり、冷えることで血の巡りが悪くなるからです。このように、納豆にはシミ予防に役立つ効果がぎゅっと詰まっています。
納豆ご飯がおすすめ
さらに効果を高めたいのならば、「納豆ご飯」がおすすめです。
米には、血を巡らせるために欠かせない「気(き)」という物質を補う働きがあります。気の量が充実していることで血がスムーズに巡りますので、納豆を食べるならぜひ納豆ご飯で召し上がってください。
食べる時間
効果的に食べるなら、食べる時間もポイントになります。
消化の時間である朝の7時~9時に食べると栄養を吸収しやすいので、朝の納豆ご飯は理にかなっています。
■シミ予防効果アップが期待できる「納豆ご飯のちょい足しレシピ」3つ
少しアレンジをするだけで、さらにシミ予防に役立つメニューになります。自宅にストックしてある食材でアレンジできる方法をご紹介しますので、いつもの納豆ご飯にプラスしてみてください。
(1)しらす+みょうが+お酢+ごま油+醤油
納豆にお酢、ごま油、醤油を入れて混ぜたらご飯の上にのせ、しらすとみょうがをトッピングするだけの簡単アレンジ。
しらすには気を補い巡らせる作用が期待できます。薬味のみょうがには、身体を温め気・血を巡らせてくれる作用が期待できますので、みょうがはたっぷりとそえてください。
ごま油の香ばしい香りとさっぱりと食べられる味つけが、食欲が落ちやすい季節にぴったり。お酢は血をスムーズに巡らせるので、シミ対策にぴったりな調味料です。
(2)黒ゴマ+お酢+醤油+シソ
こちらのレシピも包丁を使わず、のせるだけ。納豆にお酢、醤油、黒ゴマを入れて混ぜ、ご飯にのせたらシソをトッピングして完成です。
黒い食材にはエイジングケアと血を補う作用が期待できるといわれています。血の量が少ないと血がスムーズに巡りにくくなりますので、いつもの納豆ご飯にたっぷりと黒ゴマを入れるとよいでしょう。
すっていないゴマはなかなか身体に吸収されにくいので、煎り黒ゴマではなく、すり黒ゴマをチョイスしてください。
(3)鯖缶+黒ゴマ+生姜すりおろし
鯖缶1/4と、黒ゴマ、生姜すりおろし(チューブ可)を納豆とまぜるだけ。
シミ対策ができる魚といえば「鯖」です。鯖には気・血を補い、血を巡らせる作用がありますので、肌の血色感アップや乾燥対策、シミ・そばかす対策に欠かせない食材です。
そこに、さらに血を補う黒ゴマをたっぷり入れ、身体を温める生姜も入れてさらに巡りをよくしましょう。
朝の定番「納豆ご飯」でシミ対策になるのは嬉しいですよね。いつもの納豆ご飯に食材をちょい足しして、シミができにくい体質に導きましょう。
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口 ゆうみ)
【関連記事】
・痩せるどころかむくみボディに?「水分のNG摂取法」3つ
・パンを食べても太らない?一緒に摂るべき食材4つ
・ゴールドキウイが40・50代の老け対策になるワケ&かしこい食べ方
・「おにぎり&スープ」で太る!?ランチ選びの落とし穴3つ
【参考】
※吉田揚子/著(2020年)『季節と暮らす12カ月 漢方養生ダイアリー: 40代からの体質改善』日本文芸社※猪越恭也/著(2009年)『(アトピーも掌蹠膿疱症も)皮膚の病気は内臓でなおす』草思社※日本中医食養学会/著(2019年)『食養生の知恵 薬膳辞典 食物性味表』燎原書店