マスク着用がスタンダードになったことで、毛穴の悩みが増えたと思います。自己流の間違ったケアをしてしまうとさらに毛穴悩みを悪化させてしまう場合があるので、自己流のケアには注意が必要です。
美容ライターの筆者が、ついやってしまいがちな毛穴のNGケアと正しい毛穴ケアのポイントをご紹介します。
■マスクによって起こる毛穴悩み
マスクのなかは高温多湿なので、毛穴が開きやすい環境がそろっています。そのため、マスクによって起こる毛穴悩みのなかで一番多いのが「開き毛穴」です。
40・50代になると肌のターンオーバーが乱れやすく、皮脂や古い角質が開いた毛穴につまると、角栓が詰まった「詰まり毛穴」になります。そして、詰まった角栓が空気に触れて酸化することで「黒ずみ毛穴」となり、鼻の場合は「いちご鼻」になります。
肌のたるみも招く
40・50代の肌悩みの代表ともいえる「たるみ毛穴」も、マスク生活が原因のひとつとなっている場合があります。たるみ毛穴の主な原因は、加齢による皮膚のたるみによって毛穴が縦に伸びることが挙げられます。
皮膚のたるみは、コラーゲンやエラスチンの減少による肌の弾力低下だけが要因というわけではなく、表情筋の衰えも皮膚のたるみを引き起こす場合があります。マスク生活では表情筋を使う機会が少ないので、たるみを誘発しやすいのです。
■ついやってしまいがちな毛穴のNGケア
角栓を押し出す・抜く
毛穴に詰まった角栓は、見れば見るほど気になりますよね。指や綿棒などで押し出すとにゅるっと角栓が出てきて毛穴がキレイになったように感じますが、これはNG行動です。
角栓を無理やり押し出すと肌を傷つけてしまうだけではなく、毛穴を余計に広げてしまう場合があります。ぽっかり空いたままの広がった毛穴にまた角栓が詰まると、余計に詰まり毛穴が目立ってしまいます。
貼ってはがすタイプの角栓除去パックを使う
角栓除去パックは、とれた角栓がびっしり目に見えるのでスッキリしますよね。ですが、こちらも毛穴がぽっかり空いたままになるので余計に毛穴を目立たせます。
さらに、シートをはがす際に正常な表皮までも剝がしとってしまうと、肌にとっては大ダメージです。年齢を重ねるほどに受けたダメージのケアはむずかしくなりますので、角栓除去パックはおすすめできません。
スクラブで強くこする
洗い上がりがすっきりして肌がつるつるになるスクラブ洗顔は、物理的摩擦で汚れや古い角質を落とすためのものです。
毛穴や黒ずみ毛穴の気になる箇所は、汚れを落とそうと、つい力を入れて洗いがちになるでしょう。過剰な摩擦が加わり肌が硬くなってしまうと、余計に毛穴が詰まりやすくなります。悪循環になるので使用には注意が必要です。
拭きとり化粧水を毎日使う
過剰な皮脂や古い角質を拭きとることができる拭きとり化粧水は、角質ケアとして有名です。でもコットンでの拭きとりはどうしても摩擦が生じてしまいます。40・50代は摩擦により色素沈着や肝斑などを引き起こす可能性があるので、摩擦はできる限りさけましょう。
また、拭きとり化粧水にはエタノールが多く含まれているので、乾燥しがちな40・50代が毎日使うと、より肌の乾燥が進み、開き毛穴やたるみ毛穴が目立ちやすい肌になってしまう場合があります。
■正しい毛穴ケアのポイント4つ
(1)こすらずに泡でやさしく洗顔する
肌に強い摩擦が加わると、シミや肝斑の原因になるだけではなく、肌自体が硬くなりやすくなります。摩擦は肌にとって大敵なので、洗顔時は肌をこすらずに摩擦を最小限に抑えることが重要です。
たっぷりの泡で、肌をやさしく包むように洗いましょう。肌を直接触らないように、泡の弾力を利用して、頬や額などの広い範囲は押し洗いをします。
小鼻などの皮脂分泌が多く毛穴の気になる箇所は、くるくると小さな円を描くように洗いますが、この時も直接肌には触らないようにして泡で洗うように心がけましょう。
(2)週に1回クレイパックや酵素洗顔をとり入れる
つまり毛穴や黒ずみ毛穴が気になる場合は、クレイパックや酵素洗顔をスペシャルケアとしてとり入れてみましょう。これらは、毛穴汚れを吸着してとり除いたり、タンパク汚れを分解して毛穴汚れを落としやすくしたりするので、毛穴ケアには最適です。
毎日使用できる酵素洗顔もありますが、皮脂分泌量が少なくなってくる40・50代の肌には洗浄力が強すぎて、乾燥を引き起こす可能性があります。そのため、週に1回のスペシャルケアとして使用することをおすすめします。
(3)角質ケア美容液をスキンケアにとり入れる
摩擦が生じやすい拭きとり化粧水のかわりに、ピーリング作用と肌のターンオーバーをサポートする角質ケア効果のある美容液をスキンケアにとり入れてみましょう。
硬くなった古い角質に働きかけやさしくとり除くことができるので、肌を柔軟にして毛穴に汚れが詰まりにくくなります。使い続けることで肌のターンオーバーも整い、毛穴の目立ちにくい肌へと導いてくれます。
(4)たるみや皮脂には「ビタミンC」配合の化粧水を
たるみ毛穴や開き毛穴、詰まり毛穴が気になる方は、「ビタミンC」配合の化粧水を使ってみましょう。
ビタミンCは、過剰な皮脂分泌を抑制し毛穴を引き締める働きが期待できるので、複合的な毛穴悩みに適しています。また、抗酸化力にすぐれているので、黒ずみをやわらげる効果も期待できます。
ビタミンCはコラーゲン生産を促進するので、弾力のある肌に導き、毛穴の目立ちにくい肌を育むサポートをします。
マスク生活によって、より表面化してきたさまざまな毛穴悩みですが、正しいケアをすることで悪化防止をサポートすることができます。毛穴悩みが悪化すると、スキンケアだけで改善することがむずかしいので、ぜひ今日から正しいケアをとり入れてみてくださいね。
(美容ライター/美容ブロガー/メイクアップアドバイザー/DNA栄養学ジュニアアドバイザー/GEN INE認定講師 伊早坂 美祐)
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