アクを取らないと、繊細なスープに雑味が出たり、具材に染み込んで本来の味を損ねたりします。こまめに取らなくてはなりませんが、実は取りすぎると栄養価やコクを損なう可能性が! 煮込みや鍋料理の際、どうしてもつきまとうアク問題に、頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、料理研究家である筆者が「アクを上手に取るコツ」についてご説明いたします。
■1:強火でアクを出し切る
鍋やスープの温度が熱くなってくる過程では、肉のアクが出やすい環境が整っています。まず強火で最初のうちにアクを出し切りましょうすると、後から何度も取らずに済みます。
■2:蓋をしない
煮詰めている最中にずっと蓋をしていると、アクの成分が具材やスープに染みこんでしまいます。お鍋や煮物を調理するとき、熟成させたい気持ちからついつい蓋を閉めがちですが、アクを取りきる段階では、蓋をしないように注意してください。
■3:中火にして一気に取る
アクを出し切った後は、中火にしてアクをすくっていきましょう。強火で煮詰め続けると、せっかくひとところに溜まっていたアクを散らしてまい、取りづらくなります。きちんと温度を落としてから取りましょう。
※アクの取り方
ボウルなどに水を入れて、アク取りに使用するのがオススメです。こうするとボウルの中の水でおたまの底をキレイにしてから次のアクをすくえるので、素早くスムーズに行えます。
■4:細かいアクもたまに取る
一度にたくさん取りきったつもりでも、料理の過程でアクはさらに出てきます。細かいアクも、気づいた時にはきちんと対処しましょう。
※アクの取りすぎには要注意!
しかし、取りすぎは厳禁です。アクをすくっているつもりでも、徐々に旨味や栄養価まで取り除いてしまうことがあります。完全に取り除こうと周りのスープごとごっそりすくってしまうのはNGです。
■5:野菜は鍋に入れる前にアク抜き
ジャガイモやナス、ごぼうなど、野菜は鍋に入れる前にアク抜きを行いましょう。
※野菜のアク抜き方法
ほうれん草や小松菜などの葉野菜は、塩を加えたお湯に通し、水で冷やします。ジャガイモやナスは、真水・塩水にさらしてアク抜きを行います。ごぼうやレンコンは酢水にさらすのがオススメです。アクを抜くとともに、変色を防ぐ効果もあります。
いかがでしたか? 気になってついつい過度にすくいがちなアクですが、やりすぎはよくありません。ぜひ今回ご紹介したコツを参考に、正しいアク取りを実践していただければ幸いです。
(料理研究家 オガワチエコ)
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