フルーツというと身体を冷やすイメージが強いですが、身体を温める効果が期待できるフルーツもあります。
管理栄養士の筆者が、温活におすすめの冬のフルーツをご紹介します。
■フルーツは身体を冷やす!?冷えによる悪影響
フルーツは水分が多いため、一度にたくさん食べると身体を冷やすことがあります。また、フルーツは冷やして食べると美味しいということも、身体を冷やしやすい理由かと思います。
身体が冷えて血行が悪くなると、細胞に十分な酸素や栄養素が行き渡りにくくなり代謝が悪くなると考えられます。その結果、痩せにくくなったり、肌のターンオーバーが乱れたりするなどの悪影響が生じます。
また、必要な栄養素が身体に行き渡らないと疲れやすくなったり、内臓の働きが低下して免疫力が低下したりなどの悪影響も考えられます。
このように、美容面と健康面に悪影響をもたらす「冷え」ですが、冬のフルーツで温活していきましょう。
■温活に役立つ冬のフルーツ&レシピ
ミカン
冬の代表的なフルーツであるミカンには「ヘスペリジン」という成分が含まれており、末梢血管を強くして血流を良くする働きがあります。それによって体温が上がると、冷え改善に役立つのだそう。
また、ヘスペリジンには抗酸化作用があり、老化の原因につながる活性酸素を除去する効果もあるため、アンチエイジングにも役立ちますよ。
ヘスペリジンはミカンの皮やすじの部分に多いため、すじはなるべく取り除かずに食べるのがおすすめ。加熱に弱い性質をもつため、生で食べたりスムージーにして食べるたりすると効率よくヘスペリジンを摂取することができますよ。
ミカンの皮ごとホットスムージー
材料(1人分)
・ミカン(皮つき) 1個
・はちみつ 小さじ1
・りんごジュース 50ml
・レモン汁 小さじ1
作り方
(1)ミカンをミキサーに入るサイズにカットし、ミキサーに入れて細かくします。
(2)小鍋に(1)と全ての材料を入れ火にかけ、フツフツとしてきたら火を止めて完成です。
ポイント
スムージーにすることで、ミカンに含まれる「ヘスペリジン」や「ビタミンC」を効率よく摂取することができます。ホットなので身体を冷やすことなくいただけます。
りんごジュースの代わりに、オレンジジュースや甘酒を使っても美味しくできますよ。
りんご
腸内環境が悪く便秘になると代謝が悪くなりやすく、血行も悪くなりやすいため冷えを招くことがあります。りんごには「ペクチン」などの食物繊維が多く含まれており、腸内で善玉菌を増やすことで腸内環境を整える働きがあります。
また、りんごの皮の部分に多い「りんごポリフェノール」には強い抗酸化作用があり、血流を改善する働きがあるのだそう。そのため、代謝UP&血行促進効果が期待できるりんごも、冷えから身体を守るフルーツだといえます。
りんごのヘルシーホットサラダ
材料(2人分)
・ブロッコリー 60g
・さつまいも 60g
・りんご 1/4個
・くるみ 大さじ2
A
・白ワインビネガー 大さじ1
・オリーブオイル 大さじ2
・はちみつ 小さじ2
・マスタード 小さじ2
作り方
(1)ブロッコリーとさつまいもは茹でておきます。くるみは細かく砕いておきましょう。
(2)ブロッコリー、さつまいも、りんご(皮ごと)を1センチ角にカットします。
(3)器に(2)を盛り付け、上からくるみをトッピングします。
(4)Aの調味料を混ぜてドレッシングを作り、(3)にかけたら完成です。
ポイント
温かいまま食べられるサラダなので、身体を冷やす心配がありません。
さつまいもとりんごも皮ごと食べることができるので、「食物繊維」や「ビタミンC」「りんごポリフェノール」などの栄養素をしっかり摂取することができます。
レモン
レモンに含まれる「クエン酸」には、体内のエネルギー代謝をサポートする働きがあります。それにより疲労の原因となる「乳酸」が分解されると血行が促進され、冷え予防につながります。
また、ミカンと同様にレモンの皮の部分には「ヘスペリジン」が豊富に含まれるため、レモンも冷え対策に役立つフルーツだといえます。
鶏肉とレモンのジンジャー焼き
材料(2人分)
・鶏肉 2枚
・しめじ 1/2袋
・レモン 1/4個
A
・おろし生姜 大さじ2
・はちみつ 大さじ1
・白ワイン 小さじ2
・塩・こしょう 少々
作り方
(1)鶏肉は均等になるように開いて、塩とこしょう(分量外)をふっておきます。レモンは薄切りにカットします。
(2)フライパンに油(分量外)をしいて鶏肉を皮の面から焼き始め、両面焼きます。大さじ1ほどの水としめじを加えてフタをし、3~5分ほど弱火で加熱して、鶏肉に火を通します。
(3)フタを取り、フライパンの油と水気を拭き取ってからAの調味料を全て加え、フツフツとするまで煮詰めます。
(4)鶏肉全体にソースを絡めたら、火を止めます。器に盛り付けて、レモンをトッピングしたら完成です。
ポイント
「タンパク質」は筋肉をつくる材料です。筋肉は熱を生み出すため、冷え予防のためにはタンパク質も積極的に摂取することが奨められます。
また、生姜には血行促進効果があるため、冷え予防に役立ちます。
フルーツの食べ過ぎは身体を冷やす原因につながりますが、組み合わせる食材や食べ方を工夫することで、フルーツも冷え予防に役立てることができます。フルーツには、食事では補いにくいビタミン類が豊富に含まれています。ご紹介した食べ方を参考に、ぜひ寒い季節も食事にフルーツを取り入れてみてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※白鳥早奈英・板木利隆 監修「もっとからだにおいしい野菜の便利帳」(2009年)高橋書店
※冷えを放っておくと、からだにどのような悪影響がありますか。 – オムロン
※ヘスペリジン – わかさ生活
※抗酸化物質 – e-ヘルスネット
※肌荒れや冷えの原因は「腸」!? あなたの「腸年齢」は何歳? – 養命酒製造
※りんご – わかさ生活
※レモン – わかさ生活
※クエン酸 – わかさ生活