長時間のスマートフォン操作によって、首周りや肩の「こり」だけでなく、「頭痛」に悩む人も多いのではないでしょうか。
そんな時、頭の痛い部分だけをもみほぐしてしまうと、かえって逆効果であったり、のぼせてしまったりします。
ヘッドメディカリストアドバイザーの資格を持つ筆者が、40・50代におすすめのカンタンな「スマホ頭痛」解消法をお伝えします。
■スマホ頭痛の原因は?
スマートフォンに触れていると、同じ姿勢のままあっという間に時間が過ぎてしまうことはありませんか?
最近よく耳にする「ストレートネック」は、長時間、下向きの姿勢でスマートフォンを触れていることにより、本来湾曲している首の骨がまっすぐになってしまう症状です。
ストレートネックでなくとも、約5kgある頭を支えている骨や筋肉は、長時間同じ姿勢のままにしておくと血流が悪くなっていきます。
すると首周りや肩周りの血行不良が起こり、筋肉の緊張や凝りから頭痛が起こりやすくなります。
■なぜ頭を揉むと痛くなるの?
「頭痛がするから」と言って頭の痛い部分だけを揉むと、頭部の血流は良くなりますが、首や肩の筋肉は凝り固まったままのためうまく血液が流れず、まるでホースをつまんだ状態で水を流しているのと同じようになります。
すると血液はうまく流れず、のぼせたような感覚や頭痛などが起こりやすくなリます。さらに40・50代は、更年期による顔の「ほてり」や「のぼせ」も加わって、辛さが倍増することも。
そのため、40・50代は頭だけでなく首肩全体をほぐすことが大切です。
■スマホ頭痛におすすめの首肩ほぐし
スマホ姿勢で凝りやすい筋肉を解説し、おすすめの首肩ほぐし法をお伝えします。
(1)スマホ姿勢で意識する筋肉はここ!
長時間のスマートフォン操作で凝りやすい筋肉は、首の後ろ側にある菱形の「僧帽筋(そうぼうきん)」と、首の筋からリンパにかけて太い血管の周りにある「胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)」の2つです。
この2つの筋肉が凝っていると「ホースをつまんだような状態」になりますので、まずこの2つの筋肉をほぐしてから、最後に頭をほぐすのがおすすめです。
(2)ストレッチ
まずは筋肉をほぐす前に左右のストレッチを行います。
首を右に傾け、右手を左手の上に置き、右手の重みでゆっくり首を伸ばすようにします。
反対側も同様に行います。(それぞれ10〜15秒ほど)
(3)僧帽筋(そうぼうきん)ほぐし
首を右回り・左回りに回します。(1周5秒くらいのスピードで左右2〜3周ずつくらい)
続いて肩を上げ下げします。
あげる時は2〜3秒かけてゆっくりあげて、落とす時はストンと落とすようなイメージで行いましょう。これを3〜5回程度(できる時は10回くらい)行います。
時間がある時はこの後、両肩に手を置き、肩回しをして、肩甲骨を一緒にほぐすとさらに全体がほぐれるのでおすすめです。
(4)胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)ほぐし
肩周りがほぐれたら、胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)をほぐします。首を横に向けると「筋」のように出てくる部分です。
胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)は、耳の下から鎖骨にかけて流れている太い血管を包んでいる筋肉です。鎖骨に近づくにつれて血管が皮膚に近くなるため、ほぐすのは耳下の筋肉に厚みがある部分だけで大丈夫です。
指4本を添えるように当てて、軽く前後する程度で大丈夫です。(皮膚が凹まない程度の圧で、左右それぞれ5~10秒)
(5)頭ほぐし
最後に頭をほぐします。
頭全体(頭頂部・側頭部・後頭部)を、それぞれの部位を軽く持ち上げる&ゆっくり円を描くように10回転。合計で20秒〜30秒程度行うのがおすすめです。
痛い部分だけピンポイントで揉みほぐすというよりは、全体的に指の腹で軽く持ち上げるように揉んであげるといいでしょう。
時間がないときは?
時間がないときは、(3)の首回しを10秒ほど時間をかけてゆっくりと行ってから、頭を軽く揉んであげるだけでも大丈夫です。
SNSやちょっとした調べ物で、見ているだけであっという間に時間が経ってしまうスマートフォン。下を向いた姿勢はもちろん、同じ姿勢を長く続けることは首や肩周りの血流を悪くします。定期的な首肩ほぐしで、スマホ頭痛に悩まない日常を手に入れましょう。
(ヘルス&ビューティーコンシェルジュ 西川美佐子)
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【参考】
※汗・ほてり|更年期の症状と対策 ルビーナ – アリナミン製薬
※ABLC認定「ヘッドメディカリストアドバイザー検定」テキスト
※星野忠宏 編著『からだと耳のツボ療法 ニューハンドブック』(2001年)長生出版