5月の大型連休明けごろから心身の不調を訴えるケースを「5月病」といわれますが、「6月病」はご存知ですか?
実は「6月病」も「5月病」などと同じく、社会で認知されつつあります。
理学療法士の筆者が、「5月病」と「6月病」の違いや、「6月病」を予防するために気をつけたいこと&予防法を紹介します。
■「6月病」は、ココロとカラダの不調
「5月病」も「6月病」も、どちらも正式な医学的な名称ではなく、診断は適応障害やうつ病と診断されることが多いです。
症状は、ココロとカラダに出やすいとされています。
ココロに出る症状
代表的なものとして、以下のようなものがあげられます。
・集中力がなくなる
・イライラし、怒りの気持ちがおさまりにくくなる
・気持ちが落ち込みやすくなる
・やる気が急に失せる
・いつもなら楽しいと思えるようなことが楽しいと思えなくなり、「楽しいことがない」と考えてしまう
カラダに出る症状
代表的なものとして、以下のようなものがあげられます。
・寝ても疲れがとれず、朝から体がだるい
・夜、寝つきが悪くなる
・夜中、何度も目が覚めてしまう
・食欲がなくなる
・ドキドキして苦しくなったり、痛みを感じたりする
・めまいや吐き気などに悩まされることが増える
「6月病」と「5月病」の違い
よく知られる「5月病」は、4月からの新しい環境に慣れようと頑張りすぎてしまい、ゴールデンウィーク明け頃から起こる心身の不調のことをさし、社会人に限らず、学生にも起こりうる急性の心身の不調が特徴です。
「6月病」は、名称に“6月”とは入っていますが、慢性的に続く不調とされています。
4月からの環境変化が原因ではあるものの、我慢に我慢を重ね、耐えきれなくなってしまった不調が6月頃に出てくるといわれており、異動などで環境の変わった社会人に多いのが特徴とされています。
■「6月病」を予防するための3つの対策
(1)朝、太陽の光を浴びる
“幸せホルモン”と呼ばれるセロトニンには、ストレス軽減や様々な健康効果が期待できるとされています。セロトニンを増やすには日光浴が効果的です。
セロトニンは脳内の電気信号を神経細胞に届ける働きがあります。心の安定に深く関与する脳内神経伝達物質で、不足すると精神が不安定になると考えられています。
梅雨で日光不足になりがちなこの時期、雨の日や曇りの日は、晴れの日と比べると光量が減少してしまいます。そのため、晴れの日よりやや多めに外に出て、光を浴びましょう。
(2)適度に身体を動かす
適度な運動は、セロトニンの分泌にも良いと考えられています。
おすすめはリズム運動です。リズムによって身体が一定のリズムを刻む、ウォーキングやジョギングや水泳などは、おすすめの運動です。
また、動かない生活をしていると、脳は疲れているのに身体が疲れず熟睡ができないなど、睡眠の問題にも発展します。
(3)思い切って休息をとる
仕事も家庭もと忙しい世代にとって、なかなか「休む」ことは難しいかもしれませんが、思い切って「休み」をとることも一つの手です。
頑張り世代は休むことをサボること、いけないことと考える方もいらっしゃいます。ですが、元気に活動するためには、休むことも大切です。
全てはバランス。思いきってお休みをとることも重要な方法です。
「5月病」と「6月病」は、どちらも「ストレス」が原因といわれています。何事も無理は禁物です。日ごろからストレスとうまく上手に付き合う方法を身につけて、うまく乗り切っていきましょう。もし具合が悪いが続いている場合は、早めに医療機関に相談してください。
(著者/講師/理学療法士 矢間 あや)
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